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風2_05」(2008/08/23 (土) 19:53:01) の最新版変更点

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 俺はさっと路地に飛び込んだ。飛び込むと同時に、反対側の建物の壁に穴があき、コ ンクリートのかけらが散るのが見えた。  俺はそのまま路地を走る。角をいくつも曲がり、駅を目指す。  真っ昼間から、人の多いところで力を使うのはヤバいと思ったのだ。なるべく戦い は避けたい。  しばらく路地を走って立ち止まった。  俺の目の前に現れたのは、三角。先回りしたらしい。  背後を振り返った。  俺の後ろに現れたのは、レチクル。近道して追ってきたらしい。  逃げ切れれば良かったんだが、無理だったか。  とりあえず文句を言った。 「俺はあんたらを、なるべく傷つけないようにしてやってんだぞ」  これが獅子あたりだったら、こいつらとっくに焼死してる。  俺は色々経験したにもかかわらず、まだそこまで思い切りよくはなれずにいたのだ。  三角が、目じりを吊り上げた。 「ふざけんなこのクソガキ。腹かっさばいてやる」  レチクルが、目を点のように細めた。 「天秤の仲間を順に消していけば、天秤は気を変えるかもしれん。まずはおまえだ」  制限の疲労は来ているが……ここは踏ん張らないとまずい。  俺はそばのゴミ箱と、不法投棄されたらしいエアコンに意識を向けていた。  まずはエアコンを引きつけた。俺の頭のそばに浮いたエアコンが、空気の弾丸を受 けて側面にヒビを走らせた。  次にゴミ箱を浮かす。同時に三角が迫ってきた。突き出された空気の槍の先で、ゴ ミ箱がフタに綺麗な穴をあけた。  駄目だ、疲れが来てる。ここらへんで二人を気絶させなきゃ、俺がやばい。  俺は二人をまとめて宙に浮かせ、子供が積み木を打ち合わせて遊ぶみたいに、ぶっ つけた。  それからふりまわす。二人の体は同時に、ビルの二階あたりの壁にぶつかった。  三角の体は、下に落ちてきた。  レチクルの体は、壁に張り付いたまま落ちてこなかった。  よく見るとレチクルの首には、ビルの壁から生えた、二本の腕が巻きついていたの だ。 -[[続き>風2_06]]

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