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 こいつに理屈をこねられると、俺はなにも言えなくなる。  双子はやっぱり素早くなにかを悟ったようで、俺の頭をくしゃくしゃに撫でてきた。 「要するに、おまえ、天秤に気に入られたんだよ。愛されてんの」 「好かれるようなこと言ってねーぞ今日の俺は。グサっと言っちまった」 「グサっと言っちまったのは敵のせいだろ。最近は、おまえばっか危険な目にあわせ てるな。悪いな」 「それはいいんだよ。けどさ」 「良くねーって。これからはもう、そんな目にはあわせねえから。大丈夫だから」  言いながら双子は俺のあたまをグシャグシャにする。  水瓶と目が合った。水瓶は、なんか変な目で双子を見ていた。  そのときの俺には、水瓶がそんな目をしたことの意味が、まだわかっていなかった。 -------------------------------------------------------------  風の中でも天秤に焦点を。まいど読んでくださって有難うです。 -[[続き・土星座編へ>土2_01]] -[[超能力SSメニューへ>超能力SS0]]

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