「土2_02」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

土2_02」(2008/08/23 (土) 19:58:40) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

 すげえを連発する俺に牡牛は言った。 「もうここは、俺の家じゃない」 「売っちまったの? もったいねーな」 「あまり好きじゃないんだ、この家。幽霊が出るから」  山羊は建築関係の仕事をしてるので、この家が面白いらしくって、あちこちに視線 を飛ばしていた。  その視線をすっと牡牛に向けた。 「その話は、買い主も知っているのか?」  牡牛はうなずく。 「知ってる。だから、安く買い叩かれた」  山羊は、なにかが気に入らなさそうな、納得できないような顔をしていた。  俺のほうは普通に、嫌だなあと思っていた。  だって幽霊って、サイコキネシスのプロだよな? 物を飛ばしたり壊したりする。 勝てるのかよ。  牡牛は、俺らの放つ雰囲気に戸惑っていた。 「俺も非科学的だとは思うけど、そういう話が出るだけの理由があるし……、そうい う話がある以上は、売り値が下がっても仕方が無いと思うんだが」  山羊はなんか、切なそうだった。 「仕方が無い? それは違う。それは申し訳ないが傲慢な意見だと思う。この家には 設計者の技術と、信念と、経た年月の重みが刻まれている。安く扱って良いものじゃ ない。それは作り主に失礼だ」  俺は真っ当な意見を言った。 「こえーからさっさと帰ろうぜ」  牡牛は俺の意見に賛成し、部屋に案内してくれた。  ただ牡牛は、自分の好きなものは、あらかたすでに、新しい家に取り寄せていた。  だから運ぶのは、牡牛にとってどうでもいいものばかりだった。勉強机とか、古い パソコンとか、そんなもんだ。  そういうデカいものは俺が能力で運び、細かいものは山羊がダンボールに詰めて、 作業は意外とあっさり終わった。  最後に牡牛が言った。 「実は、持って行こうかどうか、迷っているものがあるんだ」 -[[続き>土2_03]]

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: