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 牡牛のそば屋からは車道沿いの看板で残り数字を数えながらの遠足になった。長い林道 だった道にも観光客相手の食べ物屋やお土産屋がぽつぽつ出てくる。歩けば歩くほど変わって いく景色に山羊が息を弾ませながら進んでいくと、山羊はとうとうことり池前の広場にまで たどり着いた。  ことり池前の広場は神社周辺に負けず劣らず人が多かった。知る人ぞ知る場所という予想 からは離れていたが、広場にある色とりどりの花壇に咲く花が森の花とは違う明るさで山羊 をやさしく迎える。  着いた!  山羊はばんざいのポーズからそのまま空に向けて思いっきり大きく伸びをした。ことり池は どうも植物園と隣り合った池のようだ。散歩道の木にはところどころ案内板やネームプレート がくくりつけられている。きょろきょろしながら他の観光客にまぎれて進んでいくと、散歩道 のある林からさらに奥に知らない植物の密生する池がちらりと顔をのぞかせる。  池のそばに着いて、林は一気に開けた。山羊は池から一気に飛び立つ渡り鳥の群れに驚き ながら、池沿いにずらりとひしめく植物たちの群れにしばらく見入ってしまっていた。  池自体は三十分でぐるりと一周できるような、さほど大きくはないものだった。途中に 渡された木の橋にも青い羽の小鳥がとまる。白い花や赤い花、形の違う季節の花が虫の声に 囲まれて季節を謳歌し、その花弁にみつばちがとまってそっと花粉をもっていく。地面には 他の渡り鳥や赤茶色の頭をしたすずめが歩いたり日向ぼっこをしている。  散歩の途中で切り株を模した椅子に座って、リュックを下ろして一休みする。山羊の見つめる 風景の中で、池脇の芝生の広場に三十代ぐらいの男がイーゼルを立てて画板に一人絵を描いて いた。山羊はこの土地で一人で何かをする人間を見つけるのが上手かった。  天気がよくなってよかったなと思った。絵が描きやすいからだ。ちょっと興味があって 絵を見に行ってみると、アマチュアにしては随分上手い絵が池まわりの夏の空気を精密に 描いていた。迷いのない筆運びに思わず男の顔も見てしまって、びっくりして口が止まる。 -[[続き>ことり池攻略6]]

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