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超能力12_06」(2008/10/02 (木) 22:50:30) の最新版変更点

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 山羊が、むっとしていた。 「……駄目だろう、それは。完全に」 「分かってるよ」 「俺はおまえの犠牲になった姿なんて見たくないし、そんなおまえに能力を使いたく なんか無い」 「分かってるって。今のは照れ隠しだから」 「それは自己犠牲ではなく、自虐というんだ」  地味に痛い言葉の攻撃を受けて、双子はヘコんでいた。  俺は双子をかばった。 「あのさ。してもいないことで双子を怒ったって、双子が可哀想じゃねえか」  それで双子は立ち直った。 「こっちの俺は、天秤が俺を助けてくれるトコまで読んでたんだよ。だからそんな、 無茶やってたわけじゃねーって」  すると乙女が、双子を怒鳴りつけた。 「ふざけるな! 天秤を助けに寄越したのは水瓶だ!」 「あー……、そうだった」 「なぜみずから周りを頼らない。それに俺と違っておまえは、自分の制限をコントロ ールできるんだ。にもかかわらず、わざわざ周りに最悪の迷惑をかける方向に自分を 追い込むのは、おまえに予知能力者としての自覚が足りないからだ」  言葉はきついが乙女は優しい。乙女自身、自分の制限のかたちに普段から苦しんで いるから、こういうこともハッキリと言い切れるんだと思う。自分のことのように双 子を気遣える。  しかしだ。俺はさっきと同じことを言った。 「いやだから。助かったあとに、助からなかったことを責めたって、なんか意味不明 じゃねえか」  こうしてみると、予知能力ってのも損なもんだな。  双子もなんか、申し訳ないんだか、不満なんだかよくわからない顔をしていたが、 咳払いをして気持ちを切り替えていた。 「まあ、そっちの話は、もうナシになったんだから、こっちに置いといて、だ。これ からのことを説明するぞ。結論から言うと、7日後に川田が来る。この家に、俺たち に会いに」 -[[続き>超能力12_07]]

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