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土3_03」(2008/10/02 (木) 22:52:30) の最新版変更点

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「あれが無いと何も見えない。仕事にならない」 「今日はゆっくりしてたらいいんじゃねえの」 「そうはいかない。時間もないし、出来る準備は完ぺきに整えておかないと」  言いながら乙女は身を起こし、宙を睨んだ。 「……山道の工事が、終わってる。道具を撤去している。やはりルートの変更は無い から……」  俺は、驚いた。いま制限で倒れたばかりなのに、また能力を使ってるのかこいつは。  ベッドに飛び乗って手を伸ばし、乙女の目をふさいだ。けどそれじゃ意味が無いっ てことも知ってた。  だからとりあえず、くすぐっておいた。  ひとしきり乙女を暴れさせたあと、もう何も見てないと確認してから、俺は手を離 した。  乙女は肩で息をしつつ、俺を睨んだ。 「なんなんだ、いったい」 「今日は休むんだよ乙女は。神経が参ってるんだから」 「いま思い切り暴れさせておいて、休めもくそも無いだろう」 「体は大丈夫なんだろ? あんたの制限は。だから、心を休ませねえと」 「……何かしてないと苛々する。働かせろ」 「駄目だ」  乙女はむっとしていたが、俺は動揺することなく乙女を見返した。  やがて乙女はあきらめたようだった。ぱたっと上体をベッドに倒すと、体を向こう に向けてしまう。  そのまま「視て」るんじゃねえだろうなと観察したが、そんな様子も無かったので、 俺は椅子を引き寄せてその上に座った。  腕組みしながら決意した。ぜったいに、乙女に仕事をさせねえと。  そのまましばらく、乙女の背中を睨みつづける。  乙女はじっと動かなかったが、ふいにこちらを向いた。 「蟹は今日、遅くなるんだ」  そういや、そうだ。蟹は食料その他の買い出しに出ているのだが、その量が12人 分だから、一日仕事になってしまうのだ。 -[[続き>土3_04]]

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