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超能力14_03」(2008/10/02 (木) 23:00:12) の最新版変更点

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 射手は辺りを見回すと、大声で叫んだ。 「天秤ー。どこだー!」  がさがさと足音がした。  俺は警戒して身構えた。距離を取って、目前に意識を集中する。  しかし表れたのは天秤だった。どこかに置いてあったらしい服のボタンを止めつつ、 こちらに歩いてくる。  そして天秤は、首をかしげた。 「まあ大声でぼくを呼んでしまった時点で、これを言っても意味が無いんだけど。大 きな音を出すのは、やめたほうがいいんじゃないかな」  射手は、肩をすくめた。 「わざとやってるんだ。予定に無い行動」 「なぜ?」 「作戦らしいぜ。俺らがこうして、相手の行動を読んで行動しても、相手はさらにそ れを読んでるから、その予定をさらに……。わけわかんないな」 「うん。わからない」 「井戸マークに○×書いて遊ぶゲームに、勝手に△をつけてみよう、みたいな……」 「うん。やっぱりわからないから、早く帰ろう。迎えに来てくれたんだろう?」  射手はなにも起こらないことが不満みたいな感じだった。  俺も拍子抜けはしたが、安堵もしつつ、手招きをする射手に向かって歩いていこう とした。  そのとたん、世界が暗転した。  俺は暗がりで、土と枯れ葉にまみれながら呆然としつつ、一瞬で敵の正体を悟って いた。  頭上を見上げる。俺の背よりはるか遠いところに、落とし穴の出口が見える。  そして、さらにその向こうには、交差しあう木の枝が見えて、そこに掴まってこち らをのぞき込んでいる、馬鹿の顔も見えた。 「はっはっは! 引っかかったな悪人め!」  どっと緊張感が抜けた。孔雀かよ。  俺は立ち上がってケツの土をはらうと、穴を這い上がろうとした。  しかし湿気をたっぷり含んだ土はすべる。仕方が無いから足元の土を持ち上げるか と思ったところで、上方の出口に、天秤の顔がのぞいた。 -[[続き>超能力14_04]]

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