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超能力14_05」(2008/10/02 (木) 23:01:17) の最新版変更点

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 しかし天秤の手が孔雀のからだと接触する直前、ジャンプした射手が、孔雀のから だに覆いかぶさった。  天秤はさっと手を引いたが、射手の体内をすこし傷つけたらしい。射手は痛そうに 呻いていた。  俺は叫んだ。 「なにやってんだよ、天秤!」  天秤は目を細めて二人を観察している。たぶん射手のからだの厚みと、その向こう の孔雀の体の位置をさぐっている。  それを悟ったらしい射手が、孔雀ごとジャンプした。10メートルほど遠い位置に 出現する。  天秤は顔をあげ、距離を計り、あきらめたように肩をすくめた。  二人のうち「移動する力」そのものは、射手のほうが強い。走り寄っても逃げられ るだけだと考えたんだろう。  俺はさっきと同じことを天秤に聞いた。なにを、って。  天秤は世間話みたいに答えた。 「獅子はあれで優しいからね。敵には容赦ないけど、むかしの身内に手を出せる男じ ゃない」  それは逆に言えば、だからかわりに天秤が手を出すんだ、って意味だ。  天秤の行動は、間違ってはいない。川田の一味が、俺らの家にたどり着くまでに倒 してしまうのが、今回の作戦だからだ。  だからこそ天秤は頑張って、さっき四人も倒してきたのだ。  ここで捕虜を捕まえちまう意味は、あまり無い。たとえそれが、もとの獅子の仲間 だとしても。  むしろ危険だ。孔雀がいま、川田の一味になっているとしたら、連れ帰るというそ の行為が、どんな未来につながるか分かったもんじゃない。  しかし……、俺はそれでも、なにか違和感を感じるんだ。  俺に天秤が説得できるか? 「孔雀からは色々と聞き出せると思うぜ。みんなの能力を使えば。蟹と蠍と山羊と……」 「そのこと自体が問題なんだ。家族に彼を会わせるというのが」 「なにが問題なんだよ。いいじゃねえかべつに。みんなに判断させりゃ」 -[[続き>超能力14_06]]

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