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 仕事をするためには、人数が多いほうが良いのは確実なんだ。  だけど情報収集や、心身の治療に関する能力を持っている連中は、他に仕事がある。  モノ系の能力者である俺は、家ではやることがないから、自由に動ける。  牡牛がうなずいた。 「獅子はそう思ってる。水瓶は反対してる。だから牡羊の判断にまかせることになっ た」 「残るよ。当然だろ」  天秤はそれでも気に入らないらしく、腕を組んで考えていた。 「……獅子に頭を下げて、射手にも謝って、蟹を安心させて、それからまた僕も引き 返して来よう」 「孔雀まだ殺すなよ?」 「殺さないよ」  手をひらひらと振ったあと、天秤はいっきに駆けていった。  どうも今までは、俺にあわせて、遅く歩いてくれてたみたいだな。  牡牛は道路の彼方を見ている。俺は尋ねた。 「双子の読んだ未来だと、敵の正体ははっきりしてるわけだけど」 「ああ」 「俺はてっきり、蠍が来ると思ってたよ」 「それは無い。千日手になるから」  カラスが来るのだ。相手の本来の意思を無視して、自分に惚れこませちまう能力の 持ち主。  古いバージョンの歴史では、家に乗り込んできたカラスによって、家族の半分くら いは負けちまう予定だったらしい。  他の家族は、他の能力者に倒される運命だったが、その一部はもう天秤が倒しちまった。  すでに歴史は変わっている。  それにしても、だ。 「なんで牡牛なんだ?」  言うと、牡牛も首をひねっていた。 「わからない。なんで俺なんだ?」 「俺に聞くなよ」 「蠍が家族に、カラスのことを詳しく話してくれたんだ。そしたら俺が戦うことにな った」 -[[続き>超能力15_03]]

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