「超能力15_06」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

超能力15_06」(2008/11/04 (火) 23:06:17) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

 カラスは言った。 「牡羊。愛してる」  俺がここに残った理由は、牡牛を助けるためだった。  それは間違いだったのか。いや正しかったのか。  俺はカラスを助けてやることができる。そうカラスに言ってやりたかった。  しかし俺は好きな相手には照れくさくなっちまうタイプなので、赤くなって黙り込 むしかなかった。  カラスは優しい目をしている。 「これで一人はぼくの味方だ」  そして、牡牛は不思議そうに俺を見ている。 「本当に、あんなひとことで良いのか」  俺のほうは、苦しい気分で牡牛を見上げた。 「牡牛が嫌になったわけじゃない。家族のみんなも敵だなんて思いたくねえ。でも今 の俺は、カラスを助けたいんだ」 「カラスのために、俺を攻撃できるか?」  それについては、俺はしっかりと頷いた。  俺は牡牛と戦える。たとえ牡牛が家族でも、友達でも。今の俺にとっては、いちば ん大事なのはカラスだから。  カラスは俺にこう言った。 「じゃあ戦ってくれないか。僕のために」  カラスは俺の能力を知らない。だから万が一の安全のために、俺に魅了をかけたの だろう。  それで正解だ。俺の力は戦いに向いてる。  俺は牡牛に念を放ち、ゆっくりと持ち上げた。  あとは地面に叩きつけるだけ。仕方が無い。これは仕方が無いんだ。  宙に浮いた牡牛は驚いていたが、両手を前に差し出すと、身をかばおうとするよう に、自分のからだを抱きしめた。  いや、ちがう。  取り寄せたのだ。カラスを。牡牛は空中で、カラスを抱きしめていた  混乱する俺に牡牛は告げる。 「俺たちを下ろせ牡羊。ゆっくりと」 -[[続き>超能力15_07]]

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: