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五人囃子 名無し 2007/03/04(日)17:47 現行スレ(11)218-220で五人囃子な人たち CP(獅魚、獅蠍、他出来かけ) ※時代設定はとりあえず昔。他細かいところは丸無視で書きました。  宮中。そこは雅やかな貴族達の世界。常に唄を詠み、雅楽を奏で、政が上手くいくよう取り仕切る場所。  ――のはずなのだが。 羊「聞いたか? 蟹のヤツ遂に三人官女入りだって! 苦労するぜ、絶対」 蠍「そうだろうな。学問も今から仕込むんじゃあ一仕事になるぞ」 天「そこは双子も山羊も手伝ってくれるし。魚だって頑張るはず、だと思うよ」 水「ずいぶん自信のなさそうな”頑張る”だねえ、天秤君」 射「仕方ねえさ。魚は今までそういった勉強してきてねえワケだし」  今年桃の節句で五人噺となった面々は、宮中に来たての魚姫のことで話題が尽きなかった。本来噂などは進んでは話さない五人ではあるが、今回は違った。  それもそのはず。魚姫はあの獅子殿が農民から見初めて周囲の意見を押しのけて連れて来た、いわば”逆駆け落ち”状態で輿入れしたのだ。地位のある者が自分の子や、位のある娘を薦めていた貴族達にしてみれば面子も丸つぶれ。しかし王に逆らうわけにはいかず、結果、今に至るわけだ。  魚姫といえば、気さくで優しく、ちょっと甘いところをのぞけばなかなか性格の良い子だと分かるのだが。凝り固まった貴族達には、性格は二の次らしかった。 射「仕方ないついでに、俺もフォローはしてやるつもりでいる。お前らは?」  特段農民の出だ、貴族の出だと気にしない射手は宣言をした。部屋に居る他四人を見渡すと、一瞬迷った後。まず蠍が手を上げた。 蠍「私もやろう。獅子王に恥をかかせるわけにはいかない」  続いて水瓶と天秤が手を上げる。微笑を湛えた二人だが、その印象は違う。 水「ぼくもいいよ。彼の勉強の吸収率も知りたいし。何よりおエライ様の差別的な態度、嫌いなんだよねえ」 天「あ、僕も。何も知らないところで困ってるだろうから」  最後にあげたのは羊だった。渋い顔をしている。 羊「オレも。でも条件付だな」 蠍「珍しいじゃないか、お前が人助け(?)に身を乗り出さないなんて」  さも面白そうに言った蠍を一睨みすると、息を吐いて口を開く。 羊「オレは獅子王を尊敬している。だから魚のヤツが本腰を入れてやらないとか、獅子王のことを悪く言うようだったら許さない」 天「ああ、羊さんは獅子王と武術の師弟だったね。大丈夫だよ。彼がそういった行動を取るようなら、僕達もそうすると思うから」  天秤の柔らかな口調と笑顔に一同は頷く。 射「俺達も獅子王のこと一応(強調)尊敬はしているんだぜ?でなけりゃ今頃お貴族達と一緒にいじめてるって」  あははと笑って羊の肩を二度ほど叩く。その様子は豪華な服を着ている外見では判断できない快活さがあった。更に蠍がニヤリとしながら反対側の肩を叩き。 蠍「私に至っては今でも獅子王の事を狙っているから。そういうのは正々堂々勝ち取りたいじゃないか」 羊「そうか、そうだよな! お前ら頼もしいな!!」  三人は楽器を床に置き、円陣を組み士気を高めているようだった。 天「僕には蠍の豪快な魚姫へのライバル宣言があったように聞こえたんだけど」 水「ぼくも聞こえた。ま、獅子王が二倍頑張ればいいんじゃないの? でなければ蠍獅魚みたいな体勢でヤれば……」 天「わかった! 分かった!! ほら、楽器の練習しよう!!」 水「はーい。(魚が精神的にタフなこと知ってるから、心配はしてないんだよねえ)」  こうしてようやく本来の、楽器の練習へと入っていく五人囃子であった。 -[[小説インデックスへ>小説]]
五人囃子 名無し 2007/03/04(日)17:47 現行スレ(11)218-220で五人囃子な人たち CP(獅魚、獅蠍、他出来かけ) ※時代設定はとりあえず昔。他細かいところは丸無視で書きました。  宮中。そこは雅やかな貴族達の世界。常に唄を詠み、雅楽を奏で、政が上手くいくよう取り仕切る場所。  ――のはずなのだが。 羊「聞いたか? 蟹のヤツ遂に三人官女入りだって! 苦労するぜ、絶対」 蠍「そうだろうな。学問も今から仕込むんじゃあ一仕事になるぞ」 天「そこは双子も山羊も手伝ってくれるし。魚だって頑張るはず、だと思うよ」 水「ずいぶん自信のなさそうな”頑張る”だねえ、天秤君」 射「仕方ねえさ。魚は今までそういった勉強してきてねえワケだし」  今年桃の節句で五人噺となった面々は、宮中に来たての魚姫のことで話題が尽きなかった。本来噂などは進んでは話さない五人ではあるが、今回は違った。  それもそのはず。魚姫はあの獅子殿が農民から見初めて周囲の意見を押しのけて連れて来た、いわば”逆駆け落ち”状態で輿入れしたのだ。地位のある者が自分の子や、位のある娘を薦めていた貴族達にしてみれば面子も丸つぶれ。しかし王に逆らうわけにはいかず、結果、今に至るわけだ。  魚姫といえば、気さくで優しく、ちょっと甘いところをのぞけばなかなか性格の良い子だと分かるのだが。凝り固まった貴族達には、性格は二の次らしかった。 射「仕方ないついでに、俺もフォローはしてやるつもりでいる。お前らは?」  特段農民の出だ、貴族の出だと気にしない射手は宣言をした。部屋に居る他四人を見渡すと、一瞬迷った後。まず蠍が手を上げた。 蠍「私もやろう。獅子王に恥をかかせるわけにはいかない」  続いて水瓶と天秤が手を上げる。微笑を湛えた二人だが、その印象は違う。 水「ぼくもいいよ。彼の勉強の吸収率も知りたいし。何よりおエライ様の差別的な態度、嫌いなんだよねえ」 天「あ、僕も。何も知らないところで困ってるだろうから」  最後にあげたのは羊だった。渋い顔をしている。 羊「オレも。でも条件付だな」 蠍「珍しいじゃないか、お前が人助け(?)に身を乗り出さないなんて」  さも面白そうに言った蠍を一睨みすると、息を吐いて口を開く。 羊「オレは獅子王を尊敬している。だから魚のヤツが本腰を入れてやらないとか、獅子王のことを悪く言うようだったら許さない」 天「ああ、羊さんは獅子王と武術の師弟だったね。大丈夫だよ。彼がそういった行動を取るようなら、僕達もそうすると思うから」  天秤の柔らかな口調と笑顔に一同は頷く。 射「俺達も獅子王のこと一応(強調)尊敬はしているんだぜ?でなけりゃ今頃お貴族達と一緒にいじめてるって」  あははと笑って羊の肩を二度ほど叩く。その様子は豪華な服を着ている外見では判断できない快活さがあった。更に蠍がニヤリとしながら反対側の肩を叩き。 蠍「私に至っては今でも獅子王の事を狙っているから。そういうのは正々堂々勝ち取りたいじゃないか」 羊「そうか、そうだよな! お前ら頼もしいな!!」  三人は楽器を床に置き、円陣を組み士気を高めているようだった。 天「僕には蠍の豪快な魚姫へのライバル宣言があったように聞こえたんだけど」 水「ぼくも聞こえた。ま、獅子王が二倍頑張ればいいんじゃないの? でなければ蠍獅魚みたいな体勢でヤれば……」 天「わかった! 分かった!! ほら、楽器の練習しよう!!」 水「はーい。(魚が精神的にタフなこと知ってるから、心配はしてないんだよねえ)」  こうしてようやく本来の、楽器の練習へと入っていく五人囃子であった。 -[[小説イメニューへ>小説]]

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