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カジノ・ロワイヤル 蟹と蠍(と天秤と双子) 774チップ 2007/09/15(土)09:20 まだまだ萌えを追求できそうなのでもう少し板をお借りして、 とりあえず二周目いってみたいと思います。 49の続きです。冒頭のシャワーシーンは只の趣味です。 --------------------------------------------------------------- 豪華客船の中はいくつもの船室に分けられている。 特にギャンブルに参加するプレイヤーはゲーム時以外でも破格の扱いを受け、 会場では貴重なシャワーを自由に使える個室をそれぞれあてがわれていた。 丸窓からのぞく午前中の海に湯気が漏れ出て行く。 爽やかな窓からの光に浴室のライトもつけず、蠍は薄暗がりの中でシャワーを浴びていた。 水滴以外をまとわぬその体にはいくつもの古傷があったが、それも蠍の魅力を損なうものではない。 シャワーを浴び終えると栓を閉め、腰にバスタオルを巻いて部屋の中をうろつく。 ドアの下の隙間から一枚の紙が差し込まれているのを見つけ、髪も濡れたままそれを拾い上げる。 蠍「……ちっ」 紙の内容は主催者からの通知だった。 昨晩プレイヤーを一人倒した牡牛には報奨のチップが追加で出るらしい。 そして、今日のゲームからストリップ中のプレイヤーへの投資が禁止になった。 一度破産しながら土壇場で不死鳥のごとく蘇った蠍へのあてつけであることは言うまでもない。 別室で蠍と同じ朝日を浴びながら、蟹はまだ昨晩の光景を忘れられずにいる。 恐ろしいところへ来てしまった。ここは裏なのだ。裏で大金を稼ぐとはこういうことなのか。 蟹(蠍さんは、自分が負けたらじゃんけんで勝てと言っていた。   つまり何かあったら俺に蠍さんの相手をしろと。あんなみだらなことを) 想像するだけで身が震える。 それでも赤の他人に同じ事をされるより、それはずっと甘美なものであるのかもしれない。 その時唐突にドアがノックされて蟹はびくりと跳ね上がった。 慌てふためく心臓を押さえながら恐る恐るドアを開けると、 そこには戦闘服──タキシードに正装した蠍が立っていた。 蠍「行くぞ。俺が戦うときはあんたが一緒にいないと、落ち着かないんだ」 蟹「……待ってくれ。あんた昨日あれを見たばかりだろう。   わざわざ、自分からあんな死地へ赴くことはないじゃないか。もう少し時間を」 蠍「あんたはまだこのゲームの質をわかっていないな。   このゲームでは何と言おうとチップを持ってない奴の方が絶対に不利なんだ。   運なんぞ関係ない。放っておけば他の奴がどんどん力を蓄えるし、   チップのある奴と戦ったときに手持ちが無ければ持久戦で潰される。持ち逃げは効かないんだよ」 蟹「……(はっとする)」 蠍「俺がチップをそんなに持ってないことは昨日脱いだ時点でみんな知ってる。   致命的な負けを喫するような”弱い奴”だってこともな。もし俺が自分以外の誰かなら、   真っ先に潰しにかかるのはまず、俺さ」 午前中の賭場は夜の活気にくらべ、比較的閑散としていた。 正装した蠍と蟹は堂々とした振る舞いで会場に現れ、周囲の好奇の視線をよそに賭場を見回す。 夕べの狂乱のあとでは誰もが酒を喰らったことだろう、 プレイヤーでもこの時間に出ている人間は少ないかと思われた。 だが、蠍は冴え渡った目で見つけた。 ブラックジャックの卓で勝負をしている二人がいる。 片方は双子。片方は年端もいかぬ、高校生ほどの少年だった。 双子はゲームの途中で蠍の存在に気づくと中身の読めぬ微笑でこちらへ挨拶し、 チップを持ち運びやすい大きな単位のものに換えて少年とのゲームを中断した。 そのまま穏やかに少年に挨拶し、バーへと行ってしまう。 蟹「蠍さん、あんたどっちとやるんだ」 蠍「卓に座ってる方とさ」 蟹「……(青ざめながら)まだ、子どもじゃないのか。あれは」 蠍「子どもじゃない。立派な参加者だ。本人もそれはわかっているだろう。   あんたの死活以外に情けをかけてやれる余裕は、俺にはない」 -[[続き>カジロワ7_51]]

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