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カジノ・ロワイヤル 蠍vs天秤(+蟹・双) 774チップ 2007/09/16(日)21:09 51の続き。50から蠍vs天秤の流れです。 --------------------------------------------------------------- 射手と水瓶が水面下で暗躍(??)していた頃、 賭博場では新たな戦いの火蓋が切られていた。 ブラックジャックの卓では蠍と天秤がカードを手に対峙している。 ゲームに参加しなかった蟹は規約上卓の近くにはいられず、 双子と同様に卓から離れた場所で情勢を見守っていた。 天秤の硬い微笑からその手の内を知るのは難しい。 それにも関わらずゲームではずっと蠍が勝ち続け、押しつ押されつしながらチップを奪い続けている。 天秤にはギャンブラーにあるカードの読みや経験などの要素が絶対的に無いのだ。 それに加え、蠍が強気で賭けのチップをせり上げていくとある一点で少年の表情は凍りついた。 蠍(こいつ、もしかして手持ちがもうないのか?) 天秤は決して後ろを──双子のいる方向を振り向かない。 呼吸を抑え、凛として上品なプレースタイルを保ち続けている。 蠍が天秤の頭越しにバーの双子を見上げると、双子は少年を見下ろしながらそっと目を細めている。 微かな情けが双子の目にはあるように見えたが天秤にはわからぬことだろう。 蠍は勝負する相手には情けをかけない。あえて冷徹な目で天秤の反応を待っていると、 天秤は蠍のせり上げたチップの額に応じそのまま勝負に出た。 天秤のカードはトータルで17。蠍のカードはトータルで20。 さほど多くもなかった賭け料だが全て蠍の前に押し出されてくる。 ディーラーが次の勝負に向けて双方に最初の1ベットを求める。 天「もうありません」 そう言っただけで、天秤はその場に小さくうなだれた。 ディーラーが天秤の破産を宣言し、観客から歓声が湧き起こる。 「プレイヤーを撃破した蠍氏には追加で撃破ボーナスが加算されます」 蠍の顔にも、遠くでそれを見ていた蟹の顔にも笑みはなかった。 蠍(こいつ、チップの手持ちが少なかった。双子の奴が先に剥ぎ取ってたんだ) ゲームが終わって蠍にお辞儀をする天秤の目は蠍も双子も恨んでいなかった。 そっと後ろを振り向いて双子を見上げる仕草さえ整っている。 動じてはいけないと何度も自分に言い聞かせている様子が手に取るようにわかった。 天「双子さん。兄は、どこかにいますか?」 双「あいつは酒かっ喰らってまだ部屋で寝ているよ」 天「よかった」 ほっとして、微笑んだのだ。その顔が。 蠍は無言のまますっかり驚いて少年の姿を見つめていた。 少年は自分を取り押さえに来たチンピラをまるでホテルマンのようにあしらうと 自分の足でまな板ショーのステージへ歩いてゆく。 舞台の上に立ち、観客にお辞儀をし、少年らしいそっけなさで下着まではごく普通に脱ぎ落としていった。 下着一枚になって初めて頬を赤くした。うなだれて大声で言った。 天「女性の方はどうか目を閉じてください」 観客の中にちらほらといた女性が善良に目を塞いでくれたかどうか、定かではない。 少年は言うだけのことを言ってから下着も脱いで自然とその場に立った。 目のやり場に困っていたのか、視線は高くバーの上の双子を見つめていた。 -[[続き>カジロワ9_53]]
カジノ・ロワイヤル 蠍vs天秤(+蟹・双) 774チップ 2007/09/16(日)21:09 51の続き。50から蠍vs天秤の流れです。 --------------------------------------------------------------- 射手と水瓶が水面下で暗躍(??)していた頃、 賭博場では新たな戦いの火蓋が切られていた。 ブラックジャックの卓では蠍と天秤がカードを手に対峙している。 ゲームに参加しなかった蟹は規約上卓の近くにはいられず、 双子と同様に卓から離れた場所で情勢を見守っていた。 天秤の硬い微笑からその手の内を知るのは難しい。 それにも関わらずゲームではずっと蠍が勝ち続け、押しつ押されつしながらチップを奪い続けている。 天秤にはギャンブラーにあるカードの読みや経験などの要素が絶対的に無いのだ。 それに加え、蠍が強気で賭けのチップをせり上げていくとある一点で少年の表情は凍りついた。 蠍(こいつ、もしかして手持ちがもうないのか?) 天秤は決して後ろを──双子のいる方向を振り向かない。 呼吸を抑え、凛として上品なプレースタイルを保ち続けている。 蠍が天秤の頭越しにバーの双子を見上げると、双子は少年を見下ろしながらそっと目を細めている。 微かな情けが双子の目にはあるように見えたが天秤にはわからぬことだろう。 蠍は勝負する相手には情けをかけない。あえて冷徹な目で天秤の反応を待っていると、 天秤は蠍のせり上げたチップの額に応じそのまま勝負に出た。 天秤のカードはトータルで17。蠍のカードはトータルで20。 さほど多くもなかった賭け料だが全て蠍の前に押し出されてくる。 ディーラーが次の勝負に向けて双方に最初の1ベットを求める。 天「もうありません」 そう言っただけで、天秤はその場に小さくうなだれた。 ディーラーが天秤の破産を宣言し、観客から歓声が湧き起こる。 「プレイヤーを撃破した蠍氏には追加で撃破ボーナスが加算されます」 蠍の顔にも、遠くでそれを見ていた蟹の顔にも笑みはなかった。 蠍(こいつ、チップの手持ちが少なかった。双子の奴が先に剥ぎ取ってたんだ) ゲームが終わって蠍にお辞儀をする天秤の目は蠍も双子も恨んでいなかった。 そっと後ろを振り向いて双子を見上げる仕草さえ整っている。 動じてはいけないと何度も自分に言い聞かせている様子が手に取るようにわかった。 天「双子さん。兄は、どこかにいますか?」 双「あいつは酒かっ喰らってまだ部屋で寝ているよ」 天「よかった」 ほっとして、微笑んだのだ。その顔が。 蠍は無言のまますっかり驚いて少年の姿を見つめていた。 少年は自分を取り押さえに来たチンピラをまるでホテルマンのようにあしらうと 自分の足でまな板ショーのステージへ歩いてゆく。 舞台の上に立ち、観客にお辞儀をし、少年らしいそっけなさで下着まではごく普通に脱ぎ落としていった。 下着一枚になって初めて頬を赤くした。うなだれて大声で言った。 天「女性の方はどうか目を閉じてください」 観客の中にちらほらといた女性が善良に目を塞いでくれたかどうか、定かではない。 少年は言うだけのことを言ってから下着も脱いで自然とその場に立った。 目のやり場に困っていたのか、視線は高くバーの上の双子を見つめていた。 -[[続き>カジロワ9_53]]

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