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カジノ・ロワイヤル 双子と牡牛(中間成績) 774チップ 2007/09/17(月)12:46 56の続きです。この回でとりあえず全員第二ターン終了みたいな感じで。 SSのつもりがものすごく長くてすみません。終わりどころがわかりません。どこまでやる気なんでしょう。 --------------------------------------------------------------- 午前中のまな板ショーが終わって、会場にはまだ異様な熱気の残り香が漂っている。 双子は天秤が舞台から消えた後も事務的な顔で舞台を見つめていた。 舞台の前の飲食テーブルには、取り押さえられていた牛が開放され無残な姿で酔いつぶれている。 ショーの生贄にされた弟を助けられず、かといって見舞いにもいかず、 酒を飲む以外にはテーブルから動けずにいる牛に双子は軽蔑の視線を向けていた。 現在のプレイヤーの順位は  1位、牡牛。 蠍・乙女のチップを奪った分と乙女の撃破ボーナスが丸々残っている。  2位、蠍。  一度破産したが、その後天秤から奪ったチップに天秤の撃破ボーナスを追加。  3位、双子。 天秤から譲渡されたチップ分が少々加算されている。  4位以下は僅差がありながらもほとんど横並びの状態が続いている。  破産者──乙女と天秤の二名。 双子は契約後に天秤とゲームをし、チップをいくらか譲渡されたのだった。 それが牡牛を倒しに行く最低条件だと言って納得させた。 あそこで潰れている男は今もなお資産的には最強の地位にいる。 契約など反故にしても一行に構わないのだが、天秤のあの姿が双子にまだ契約を守る気分をもたせている。 潰すなら今が最適だと判断して、双子は牛のもとへ歩いていく。 双「可哀想に。弟をダシにしてまで酒を飲むお前さんは素晴らしいギャンブラーだな」 テーブルにうずくまった姿勢から、牛の真っ赤に血走った目がこちらを睨む。 酒瓶が飛んできそうな殺気を双子は慣れた調子で受け流しテーブルの向かいにある椅子に座った。 駆け引きという名の勝負はもう始まっているのだ。 双「きっと、お前さんはこのイベントの賞金を手に入れて家族のもとへ帰る気だったんだろう。   今まで苦労かけてきたけれど、ホラ、金は返す。利子つきだ。もう苦労させないよ弟よ。   ──そんなふうに」 牛「……」 現実には牡牛が参加時に微塵もそんなことを考えていなかったことを、双子は熟知していた。 褒めながら相手の敗北感を容赦なくあおる。 双「良い弟だったなあ。最後まで誰も恨まなかった。少なくとも恨んでいるそぶりを見せなかった。   舞台の上じゃ健気だった。お前あの子には”にいさん”って呼ばれてるのな」 牛「やめろ」 双「お前に手を伸ばしながら、泣いてたなあ。人前で泣く性格には見えなかったが」 牛が頭を抱えて暗い影に押し潰されそうになっているのを、双子は冷静に見ている。 双「さあ、勝負しようか」 牛「……(消えそうな声で)正午に先約がある」 双「ああそう。それじゃ俺もそれに乗せさせてもらおうかな。いいゲームになりそうだ」 -[[続き>カジロワ14_58]]
カジノ・ロワイヤル 双子と牡牛(中間成績) 774チップ 2007/09/17(月)12:46 56の続きです。この回でとりあえず全員第二ターン終了みたいな感じで。 SSのつもりがものすごく長くてすみません。終わりどころがわかりません。どこまでやる気なんでしょう。 --------------------------------------------------------------- 午前中のまな板ショーが終わって、会場にはまだ異様な熱気の残り香が漂っている。 双子は天秤が舞台から消えた後も事務的な顔で舞台を見つめていた。 舞台の前の飲食テーブルには、取り押さえられていた牛が開放され無残な姿で酔いつぶれている。 ショーの生贄にされた弟を助けられず、かといって見舞いにもいかず、 酒を飲む以外にはテーブルから動けずにいる牛に双子は軽蔑の視線を向けていた。 現在のプレイヤーの順位は  1位、牡牛。 蠍・乙女のチップを奪った分と乙女の撃破ボーナスが丸々残っている。  2位、蠍。  一度破産したが、その後天秤から奪ったチップに天秤の撃破ボーナスを追加。  3位、双子。 天秤から譲渡されたチップ分が少々加算されている。  4位以下は僅差がありながらもほとんど横並びの状態が続いている。  破産者──乙女と天秤の二名。 双子は契約後に天秤とゲームをし、チップをいくらか譲渡されたのだった。 それが牡牛を倒しに行く最低条件だと言って納得させた。 あそこで潰れている男は今もなお資産的には最強の地位にいる。 契約など反故にしても一行に構わないのだが、天秤のあの姿が双子にまだ契約を守る気分をもたせている。 潰すなら今が最適だと判断して、双子は牛のもとへ歩いていく。 双「可哀想に。弟をダシにしてまで酒を飲むお前さんは素晴らしいギャンブラーだな」 テーブルにうずくまった姿勢から、牛の真っ赤に血走った目がこちらを睨む。 酒瓶が飛んできそうな殺気を双子は慣れた調子で受け流しテーブルの向かいにある椅子に座った。 駆け引きという名の勝負はもう始まっているのだ。 双「きっと、お前さんはこのイベントの賞金を手に入れて家族のもとへ帰る気だったんだろう。   今まで苦労かけてきたけれど、ホラ、金は返す。利子つきだ。もう苦労させないよ弟よ。   ──そんなふうに」 牛「……」 現実には牡牛が参加時に微塵もそんなことを考えていなかったことを、双子は熟知していた。 褒めながら相手の敗北感を容赦なくあおる。 双「良い弟だったなあ。最後まで誰も恨まなかった。少なくとも恨んでいるそぶりを見せなかった。   舞台の上じゃ健気だった。お前あの子には”にいさん”って呼ばれてるのな」 牛「やめろ」 双「お前に手を伸ばしながら、泣いてたなあ。人前で泣く性格には見えなかったが」 牛が頭を抱えて暗い影に押し潰されそうになっているのを、双子は冷静に見ている。 双「さあ、勝負しようか」 牛「……(消えそうな声で)正午に先約がある」 双「ああそう。それじゃ俺もそれに乗せさせてもらおうかな。いいゲームになりそうだ」 -[[続き>カジロワ14_58]]

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