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カジノ・ロワイヤル 羊と魚 774チップ 2007/09/21(金)19:32 64の続きです。 --------------------------------------------------------------- 「ええーっ」と船室の中から声が漏れた。 いつの間にか当然のように羊の部屋に入り込んでいる魚が、 二人がけのテーブルの傍らにつきながら不安げな顔をしている。 彼の視線の先にはメモにペンを走らせる羊の姿があった。 魚「じゃあ、明日からいきなり一人で戦えっていうの? 俺に?」 羊「もうちょいちゃんと教えてやりたかったが時間がない!   午後が潰れてみんな明日には仕切りなおしてくるはずだ。あのガキも脱落しちまった。   少しでも長生きしたいなら明日一番で蟹に仕掛けろ。他の奴にとられたらかなりまずいぞ」 羊の手元には12人分のスコア表がメモ付きで書き出されている。 12人のうち3人には斜線が引かれ、残るは羊と魚を含めて9人になっていた。 羊「もう四分の一が脱落してる……。   残ってるのは俺、お前、射手、双子、蠍、水瓶、あとこの獅子と山羊と蟹。   ──9人いて俺らの順位も安心できる場所じゃあない。四位以下っつったら半分以下の位置だ」 魚「(羊の顔と紙とを半々に見ながら)羊はどうするの」 羊「俺はこいつらのどっちかと一戦だな。(獅子と山羊のスコアを指差す)」 魚「(呆れながら)まだ諦めてなかったの~!?」 羊「当たり前だろーが。せっかくここまで来て慣れた面子とやりあってどーすんだよ!   俺は 強 い 奴 と戦いに来たのっ!」 魚「やめといたほうがいいって言ってるのに……」 羊「うるせっ。あの二人を他の奴に仕留められるぐらいなら俺はとことんやるぞっ」 そのまま、羊と魚はテーブルでポーカーとブラックジャックの特訓を始める。 羊はいつでも懐にトランプを一つ持っていた。 カードを配るその手さばきのよさに魚は感心し、羊はそんな魚を見てやれやれと肩をすくめる。 魚「羊って。もっと単細胞で喧嘩っ早いと思ってたけど、意外と頭いいよね」 羊「(むっとして)悪かったな。単細胞ぽくて」 魚「(苦笑いをしながら)ごめん。……俺、ギャンブラーってもっとうんと抜け目無い悪党か、   すぐに暴力沙汰になるような人がなるのかと思ってた。それに、みんな一人ぼっちだと」 羊「……」 羊、カードを切る手を止める。 羊「俺はお前の素性を訊かないけど。あんまり無邪気に喋ってると、足元すくわれるぜ」 魚「(羊の言葉にまごついて)そ、そう?」 羊「ああ。寝てる間に身ぐるみ這いでケツに花火ぐらいは刺すかもな」 魚「……羊、結構怒ってる?」 羊「三歳若かったら多分殴ってる。ギャンブラーってのはなあ、   そんな見下げられるような身分じゃなくて、もっとカラッとしてて熱くて楽しいんだぞ?」 魚「そ、そうなんだ」 羊「ああ! ギャンブラー同士結構素で殴りあいになったりするしな。   強敵と書いて「とも」みたいな奴がいっぱいできる。天職だ。ムカついても殴れない分   お前みたいな素人のほうが厄介だな」 魚(神様……ぼく無事に帰れるんでしょうか(涙)……) -[[カジロワ22_66]]
カジノ・ロワイヤル 羊と魚 774チップ 2007/09/21(金)19:32 64の続きです。 --------------------------------------------------------------- 「ええーっ」と船室の中から声が漏れた。 いつの間にか当然のように羊の部屋に入り込んでいる魚が、 二人がけのテーブルの傍らにつきながら不安げな顔をしている。 彼の視線の先にはメモにペンを走らせる羊の姿があった。 魚「じゃあ、明日からいきなり一人で戦えっていうの? 俺に?」 羊「もうちょいちゃんと教えてやりたかったが時間がない!   午後が潰れてみんな明日には仕切りなおしてくるはずだ。あのガキも脱落しちまった。   少しでも長生きしたいなら明日一番で蟹に仕掛けろ。他の奴にとられたらかなりまずいぞ」 羊の手元には12人分のスコア表がメモ付きで書き出されている。 12人のうち3人には斜線が引かれ、残るは羊と魚を含めて9人になっていた。 羊「もう四分の一が脱落してる……。   残ってるのは俺、お前、射手、双子、蠍、水瓶、あとこの獅子と山羊と蟹。   ──9人いて俺らの順位も安心できる場所じゃあない。四位以下っつったら半分以下の位置だ」 魚「(羊の顔と紙とを半々に見ながら)羊はどうするの」 羊「俺はこいつらのどっちかと一戦だな。(獅子と山羊のスコアを指差す)」 魚「(呆れながら)まだ諦めてなかったの~!?」 羊「当たり前だろーが。せっかくここまで来て慣れた面子とやりあってどーすんだよ!   俺は 強 い 奴 と戦いに来たのっ!」 魚「やめといたほうがいいって言ってるのに……」 羊「うるせっ。あの二人を他の奴に仕留められるぐらいなら俺はとことんやるぞっ」 そのまま、羊と魚はテーブルでポーカーとブラックジャックの特訓を始める。 羊はいつでも懐にトランプを一つ持っていた。 カードを配るその手さばきのよさに魚は感心し、羊はそんな魚を見てやれやれと肩をすくめる。 魚「羊って。もっと単細胞で喧嘩っ早いと思ってたけど、意外と頭いいよね」 羊「(むっとして)悪かったな。単細胞ぽくて」 魚「(苦笑いをしながら)ごめん。……俺、ギャンブラーってもっとうんと抜け目無い悪党か、   すぐに暴力沙汰になるような人がなるのかと思ってた。それに、みんな一人ぼっちだと」 羊「……」 羊、カードを切る手を止める。 羊「俺はお前の素性を訊かないけど。あんまり無邪気に喋ってると、足元すくわれるぜ」 魚「(羊の言葉にまごついて)そ、そう?」 羊「ああ。寝てる間に身ぐるみ這いでケツに花火ぐらいは刺すかもな」 魚「……羊、結構怒ってる?」 羊「三歳若かったら多分殴ってる。ギャンブラーってのはなあ、   そんな見下げられるような身分じゃなくて、もっとカラッとしてて熱くて楽しいんだぞ?」 魚「そ、そうなんだ」 羊「ああ! ギャンブラー同士結構素で殴りあいになったりするしな。   強敵と書いて「とも」みたいな奴がいっぱいできる。天職だ。ムカついても殴れない分   お前みたいな素人のほうが厄介だな」 魚(神様……ぼく無事に帰れるんでしょうか(涙)……) -[[続き>カジロワ22_66]]

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