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カジノ・ロワイヤル プレイヤー入場(羊・魚・双・蠍・蟹・射・水・獅・山) 774チップ 2007/09/22(土)22:10 68の続きです。書き手の都合で一気に多数のキャラが入り乱れます。 もっと早くそうせんかいというツッコミはなしでw --------------------------------------------------------------- 洋上の変わらぬ風景の中、またも朝が来る。 前日の午後の休みからそれぞれのプレイヤーは充分に休養を取り、 朝にはルームサービスを入れて順調に準備を進めていた。 各部屋には朝になると主催者側から定期報告の紙が入る。 前日の破産者、及びそれを撃破した人間へのボーナス追加の一覧と 何かしら重要なルール改正があったときにそれを知らせるのがこの紙の役目だ。 失踪者や指名手配に関する情報は一切出ない。それら都合の悪い情報は全て隠密に処理されていく。 カジノ開場のベルとともに、タキシードやドレス、スーツに正装した観客たちが きらびやかな賭博場へと優雅に入ってくる。 特にまな板ショーや賭けのオッズ対象となる9人の参加者が賭博上へ現れるたび 観客たちの顔は賑やかに色めきたった。 一番最初に賭博場に現れたのは羊と魚の二人だった。 身を包むタキシードの下から獲物を探す目が鋭い羊と、緊張を胸元の拳で押さえている魚。 しばらくすると一際大きな声援を浴びて双子が入ってくる。 双子は飄々としたたたずまいで自分が一番の注目を集めている現状に苦笑していた。 その後から蠍と蟹が無言で賭博場へと入ってくる。 蠍の眼光は周囲の注目をなぎ払うように重く、一方で蟹はその表情の中に穏やかさと憂鬱を秘めている。 羊と魚は蟹の姿を見つけると互いに顔を見合わせ、特訓の成果を確認するようにうなずきあう。 羊「ヒットアンドアウェイな。具合が悪くなったらいつまでもその場に座ってるな。波を読めよ」 魚「うん。……ヒットアンドアウェイ」 羊「そうだ。いけっ」 羊に背を叩かれ、魚が蟹のもとへゲームの申し込みに行く。彼がうまく対戦をとりつけて 蟹と一緒にポーカーの卓に向かうのを羊は遠くからじっと見つめていた。 蠍は魚の動きを見て舌打ちしたように見えた。 隙があれば自分が魚からむしり取ろうと思っていたのだろう。だが同じ卓に蟹がいるとそうもいかない。 そうこうしているうちに、今度は今日一番ともいえる歓声が湧き起こる。 射手と水瓶が入ってきたのだ。現在成績二位の射手は、その戦いぶりが双子より目を引くのもあって 観客の人気を一身に引き受けていた。計算なしによく笑うのも人気の秘訣かもしれない。 射「ヒツ! おはよッス」 羊「あよッス。昨日のあいつら(→牛と天)どうなった?」 射「(手でOKサインを作りながら)おkおk。大丈夫ッス」 水「”~ッス”って流行りなの? っス」 羊「ノリ」 射「うん。ノリ。今日はひでーこと起きないといいけどなあ」 羊「勝負の世界は無情だぞ」 射「うん。そうだけどさ」 射手は場内をきょろきょろしたかと思うと、蟹と魚の卓に目をとめる。 無心に心配している様子が見て取れた。 腰掛けを自称するだけあってその目線は自由で、お人よしだと羊は思う。 その射手の顔が今度は急に羊の視界の外へ向いてぱっと明るくなり、挨拶とともに手を振らせる。 射「来た来た。……ヤギさん! 今日は俺と一戦やろうよ」 射手の視線の先を、たどる。賭博場に一人入ってきた山羊は、既に会場に集結している ギャンブラーたちを見てその集まりの早さに襟を正したようだった。 中に刀でも入っているようなオーラがあるのだが平時はそれも鞘におさめられて静かに見える。 羊は山羊のもとに歩き出した射手を見て、先をいかれたかと表情を崩した。 水「昨日バーでちょっと飲んでから興味しんしんぽかったもんな。羊は今日はどうする?」 羊「あー、俺は一応待ってるのがいるんだけど……」 羊の第六感が熱気をとらえる。 話をやめ、賭博場の入口を見るとそこには最後の男が入場してきていた。 百獣の王は闘争の瞬間以外は焦らない。悠然と歩き、堂々とした気風を放ち、 うるさい吼え声を立てずともごく自然に周囲の注目を集める。 相手をまるごと呑むようなその目がやがて凄みのある微笑と共に自分に向けられたのを、 羊ははっきりと感じ取った。 羊(上等だ。自分以外は敵じゃないってか) 羊は呑まれず、火のような目で獅子を睨み返す。 こちらからまっすぐに歩いて行ってやる。向こうと違って、こちらは動きの積極的なところが取り柄だ。 羊「勝負だ。まさか逃げたりしないよな」 獅「……ほう。もちろんだ。どの卓でも正々堂々と受けよう」 久しぶりに胸のうちが燃えてくる感覚を味わう。こういう戦いのために羊はこの世界にいるのだ。 -[[続き>カジロワ26_70]]
カジノ・ロワイヤル プレイヤー入場(羊・魚・双・蠍・蟹・射・水・獅・山) 774チップ 2007/09/22(土)22:10 68の続きです。書き手の都合で一気に多数のキャラが入り乱れます。 もっと早くそうせんかいというツッコミはなしでw --------------------------------------------------------------- 洋上の変わらぬ風景の中、またも朝が来る。 前日の午後の休みからそれぞれのプレイヤーは充分に休養を取り、 朝にはルームサービスを入れて順調に準備を進めていた。 各部屋には朝になると主催者側から定期報告の紙が入る。 前日の破産者、及びそれを撃破した人間へのボーナス追加の一覧と 何かしら重要なルール改正があったときにそれを知らせるのがこの紙の役目だ。 失踪者や指名手配に関する情報は一切出ない。それら都合の悪い情報は全て隠密に処理されていく。 カジノ開場のベルとともに、タキシードやドレス、スーツに正装した観客たちが きらびやかな賭博場へと優雅に入ってくる。 特にまな板ショーや賭けのオッズ対象となる9人の参加者が賭博上へ現れるたび 観客たちの顔は賑やかに色めきたった。 一番最初に賭博場に現れたのは羊と魚の二人だった。 身を包むタキシードの下から獲物を探す目が鋭い羊と、緊張を胸元の拳で押さえている魚。 しばらくすると一際大きな声援を浴びて双子が入ってくる。 双子は飄々としたたたずまいで自分が一番の注目を集めている現状に苦笑していた。 その後から蠍と蟹が無言で賭博場へと入ってくる。 蠍の眼光は周囲の注目をなぎ払うように重く、一方で蟹はその表情の中に穏やかさと憂鬱を秘めている。 羊と魚は蟹の姿を見つけると互いに顔を見合わせ、特訓の成果を確認するようにうなずきあう。 羊「ヒットアンドアウェイな。具合が悪くなったらいつまでもその場に座ってるな。波を読めよ」 魚「うん。……ヒットアンドアウェイ」 羊「そうだ。いけっ」 羊に背を叩かれ、魚が蟹のもとへゲームの申し込みに行く。彼がうまく対戦をとりつけて 蟹と一緒にポーカーの卓に向かうのを羊は遠くからじっと見つめていた。 蠍は魚の動きを見て舌打ちしたように見えた。 隙があれば自分が魚からむしり取ろうと思っていたのだろう。だが同じ卓に蟹がいるとそうもいかない。 そうこうしているうちに、今度は今日一番ともいえる歓声が湧き起こる。 射手と水瓶が入ってきたのだ。現在成績二位の射手は、その戦いぶりが双子より目を引くのもあって 観客の人気を一身に引き受けていた。計算なしによく笑うのも人気の秘訣かもしれない。 射「ヒツ! おはよッス」 羊「あよッス。昨日のあいつら(→牛と天)どうなった?」 射「(手でOKサインを作りながら)おkおk。大丈夫ッス」 水「”~ッス”って流行りなの? っス」 羊「ノリ」 射「うん。ノリ。今日はひでーこと起きないといいけどなあ」 羊「勝負の世界は無情だぞ」 射「うん。そうだけどさ」 射手は場内をきょろきょろしたかと思うと、蟹と魚の卓に目をとめる。 無心に心配している様子が見て取れた。 腰掛けを自称するだけあってその目線は自由で、お人よしだと羊は思う。 その射手の顔が今度は急に羊の視界の外へ向いてぱっと明るくなり、挨拶とともに手を振らせる。 射「来た来た。……ヤギさん! 今日は俺と一戦やろうよ」 射手の視線の先を、たどる。賭博場に一人入ってきた山羊は、既に会場に集結している ギャンブラーたちを見てその集まりの早さに襟を正したようだった。 中に刀でも入っているようなオーラがあるのだが平時はそれも鞘におさめられて静かに見える。 羊は山羊のもとに歩き出した射手を見て、先をいかれたかと表情を崩した。 水「昨日バーでちょっと飲んでから興味しんしんぽかったもんな。羊は今日はどうする?」 羊「あー、俺は一応待ってるのがいるんだけど……」 羊の第六感が熱気をとらえる。 話をやめ、賭博場の入口を見るとそこには最後の男が入場してきていた。 百獣の王は闘争の瞬間以外は焦らない。悠然と歩き、堂々とした気風を放ち、 うるさい吼え声を立てずともごく自然に周囲の注目を集める。 相手をまるごと呑むようなその目がやがて凄みのある微笑と共に自分に向けられたのを、 羊ははっきりと感じ取った。 羊(上等だ。自分以外は敵じゃないってか) 羊は呑まれず、火のような目で獅子を睨み返す。 こちらからまっすぐに歩いて行ってやる。向こうと違って、こちらは動きの積極的なところが取り柄だ。 羊「勝負だ。まさか逃げたりしないよな」 獅「……ほう。もちろんだ。どの卓でも正々堂々と受けよう」 久しぶりに胸のうちが燃えてくる感覚を味わう。こういう戦いのために羊はこの世界にいるのだ。 -[[続き>カジロワ26_70]]

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