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カジノ・ロワイヤル 獅子×水瓶(+射手) 1/2 774チップ 2007/09/30(日)00:57 93の続きです。リバ注意。獅子と水瓶がはっちゃけすぎてまるでギャグです。 --------------------------------------------------------------- 水瓶と蟹の戦いは続く。射手がゲームの行方を手に汗握って眺めていたところへ、 獅子が物騒な男たちをずらずらと連れて入ってくる。 射「あ」 獅「(射手を見て)?」 射「……(このマフィアさん昨日は面白かったなあ。ガメの薬のせいなんだろうけど   昨日はステージの上で顔あらって「にゃー」とか言ってたもんな)」 獅「……(すごく不機嫌そうな顔で)おい、お前今俺のこと思いっきりバカにしたろ」 射「(笑顔を引きつらせて)え?」 獅「全部顔に書いてあるんだよっ!! ……(卓を見ながら)まったく!」 二人が見守る先で水瓶は戦い続けながら徐々に耐久性を失っていく。 エラーの混じったプログラムのように、手札の読みに齟齬が生じてきたところを蟹に衝かれ 蠍相手に得たチップをすでに蟹との戦いで使い果たしていた。 水(この男、一度ミスをするとすぐに学習する。蠍の魂でも横についているかのようだ) 蟹を待たせてバーに休憩に入っても、蟹の耐久力はまるで落ちない。 多少無理をしても決勝戦に入る前に仕留めておきたいと思ったが、今思えばそれが裏目に出た。 分析のために透明な目を保ちながらチップを握る掌の内側ばかりが汗ばむ。 羊はどういう理由からか、卓にチップを置いたまま戻ってこなかった。 きっと蓋を開ければ迷子にからまれたとか腹を壊したとかそんな下らない理由なのだろう。 16枚のチップが8枚に、4枚に、2枚に……ポーカーは1ゲームで最低2枚のチップが必要だ。 蟹の小さな鋏が、その最後の2枚まで水瓶から容赦なく切り取っていった。 「プレイヤー水瓶氏は破産です。  相手プレイヤーを撃破した蟹氏には追加で撃破ボーナスが加算されます」 観戦していた射手が残念そうに声をあげ、その横で獅子が嬉しそうに声を出して笑う。 周囲の歓声を浴びても蟹の表情は微動だにしなかった。 まるで喜びのないその顔が、以前自分と戦った蠍の面影に似ている気がして水瓶は目を細める。 水「以前の君や蠍には、誰かのためという意図が見え隠れしていた。   でも今の君は、もう誰のためにも戦っていないんだな」 蟹「……」 水「解ってほしくないとでも言いたげな顔だね。でも対人戦にさほど長けていない僕でもわかる。   君は、愛するものを奪った僕たちやこのゲームを許さない。   ──憎む対象はそこまでにしておくべきだ。枠を作って、それ以上のものは憎んじゃいけない。   これは僕の個人的な忠告だけど」 蟹「……」 水「ルールがあるから僕はもう行くよ。君の無尽蔵の憎しみがいつか癒えることを祈っている」 水瓶は席を立つと淡々とした顔でショーのステージへと歩いていく。 それまで蟹が胸を痛めてきた残酷なステージとは違う。水瓶はいつもその独自の視線で 人々が涙や感情の海に沈めてしまうシーンの、理性的な側面や、滑稽さを暴き出すのだ。 -[[続き>カジロワ51_95]]
カジノ・ロワイヤル 獅子×水瓶(+射手) 1/2 774チップ 2007/09/30(日)00:57 93の続きです。リバ注意。獅子と水瓶がはっちゃけすぎてまるでギャグです。 --------------------------------------------------------------- 水瓶と蟹の戦いは続く。射手がゲームの行方を手に汗握って眺めていたところへ、 獅子が物騒な男たちをずらずらと連れて入ってくる。 射「あ」 獅「(射手を見て)?」 射「……(このマフィアさん昨日は面白かったなあ。ガメの薬のせいなんだろうけど   昨日はステージの上で顔あらって「にゃー」とか言ってたもんな)」 獅「……(すごく不機嫌そうな顔で)おい、お前今俺のこと思いっきりバカにしたろ」 射「(笑顔を引きつらせて)え?」 獅「全部顔に書いてあるんだよっ!! ……(卓を見ながら)まったく!」 二人が見守る先で水瓶は戦い続けながら徐々に耐久性を失っていく。 エラーの混じったプログラムのように、手札の読みに齟齬が生じてきたところを蟹に衝かれ 蠍相手に得たチップをすでに蟹との戦いで使い果たしていた。 水(この男、一度ミスをするとすぐに学習する。蠍の魂でも横についているかのようだ) 蟹を待たせてバーに休憩に入っても、蟹の耐久力はまるで落ちない。 多少無理をしても決勝戦に入る前に仕留めておきたいと思ったが、今思えばそれが裏目に出た。 分析のために透明な目を保ちながらチップを握る掌の内側ばかりが汗ばむ。 羊はどういう理由からか、卓にチップを置いたまま戻ってこなかった。 きっと蓋を開ければ迷子にからまれたとか腹を壊したとかそんな下らない理由なのだろう。 16枚のチップが8枚に、4枚に、2枚に……ポーカーは1ゲームで最低2枚のチップが必要だ。 蟹の小さな鋏が、その最後の2枚まで水瓶から容赦なく切り取っていった。 「プレイヤー水瓶氏は破産です。  相手プレイヤーを撃破した蟹氏には追加で撃破ボーナスが加算されます」 観戦していた射手が残念そうに声をあげ、その横で獅子が嬉しそうに声を出して笑う。 周囲の歓声を浴びても蟹の表情は微動だにしなかった。 まるで喜びのないその顔が、以前自分と戦った蠍の面影に似ている気がして水瓶は目を細める。 水「以前の君や蠍には、誰かのためという意図が見え隠れしていた。   でも今の君は、もう誰のためにも戦っていないんだな」 蟹「……」 水「解ってほしくないとでも言いたげな顔だね。でも対人戦にさほど長けていない僕でもわかる。   君は、愛するものを奪った僕たちやこのゲームを許さない。   ──憎む対象はそこまでにしておくべきだ。枠を作って、それ以上のものは憎んじゃいけない。   これは僕の個人的な忠告だけど」 蟹「……」 水「ルールがあるから僕はもう行くよ。君の無尽蔵の憎しみがいつか癒えることを祈っている」 水瓶は席を立つと淡々とした顔でショーのステージへと歩いていく。 それまで蟹が胸を痛めてきた残酷なステージとは違う。水瓶はいつもその独自の視線で 人々が涙や感情の海に沈めてしまうシーンの、理性的な側面や、滑稽さを暴き出すのだ。 -[[続き>カジロワ51_95]]

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