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夏も終わって、僕ら水泳部や大きな大会のない部活の連中の間ではエロ本が流行っていた。
僕は女の人の裸体を見てもぴくりともしなかった。「ガキだな」って馬鹿にされたけど。
自分の中で起こっていることがそういうことじゃないのを、本当は知っていた。
うーちゃんもエロ本を見せられていた。よくわかってない不思議な顔をしていた。
うーちゃんがあのエロ本を後で思い出して、一人で気持ちいいことをするのかなと思った。
僕はそんなうーちゃんの姿ばかり妄想していた。誰もいない部屋でそれをやると切なくなって、
僕は疼いてたまらない場所をこっそり我を忘れるまで擦っていた。
我を忘れたあとで元に戻って、涙がこみあげた。
僕の声は多分そこそこ低い。だけどうーちゃんの声はもっと低くて、それを聞くと僕はだめになってしまう。

僕の距離の取り方はあんまり不自然で、それなのに僕は毎日うーちゃんを見ずにいられなかったから、
うーちゃんも流石にちょっと僕の視線が変なのに気づいた。
「さーちゃん、僕のこと見てない?」
僕は「見てない」と言ってしまった。うーちゃんは信じなかったけど。
「嘘だ。なあ、なんで僕のこと見てるのさ。そんなに変な顔してる?」
うーちゃんは怒っていた。咄嗟に本当のことを言わないと怒られると肌で感じた。
「だって、うーちゃんかっこいい か ら」
……すごく変なことを言っていると思って時が止まった。
うーちゃんはとりあえず納得したけど首をかしげていた。「どこがかっこいい?」って質問には「声」と言った。
「あの、見ててもいい?」
「いいけど。さーちゃんだったら別にいいけどさ。やっぱりわかんないなあ」
絶対に好きになっちゃいけない人を好きになってごめん。
墓場までそんな気持ちを持っていこうかと思った。