※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

僕はうーちゃんを見てるくせにうーちゃんを避けまくった。
うーちゃんにはサッカー部の友達もいっぱいいたんだ。羊なんかもそうだ。
うーちゃんはサッカー部でやっぱりキーパーだった。
毎日、何度も飛んでは土を舐めて、舐める回数を重ねるほど少しずつ上手くなった。
試合でシュートを止めるうーちゃんの姿は目立たなかったけど、僕にはかっこよく見えた。
余談だけど僕は秋頃におなじ水泳部の女子から告白された。「ごめん」って言って諦めてもらった。
うーちゃんはそれを聞いたかもしれないけど僕には話しかけてこない。
うーちゃんはうーちゃんで遠慮していて、僕たちはお互いがお互いを嫌いなのかもしれないと思い始めていた。
どうしてこんなことになっちゃったんだろう。

三学期の中ごろ、うーちゃんはすっかり冷えついた空気を押し分けて僕に話しかけてくれた。
「さーちゃん」
僕の表面は冷たかった。中身は心臓が飛び出しそうなくらい熱かったのに。
「何?」
「僕……僕引っ越すことになった。親の転勤で、学校も、変わるから」

僕はうーちゃんの前で世界の終わりのような気分を味わった。
そんなことで傷ついてしまうやさしさ。はかなさ。
バランスが悪くて、僕の心はそんなことで燃え尽きるほど発熱してしまう。

サッカー部のみんなはうーちゃんの転校を惜しんでいるようだった。
クラスでも寄せ書きが作られた。でも僕は、そこに何も書けなかった。
サッカー部でかつクラスメートの羊がうーちゃんを駅まで見送るといって
僕に無理やり心無い寄せ書きをさせた後うーちゃんへの色紙を奪い取っていった。