9 :双子誕生日ネタ 1:2008/06/10(火) 18:03:20 ID:???0
相手は蠍。甘い感じにしました。


俺は、無料のスポーツニュースサイトに今日3回目のアクセスをした。さっきと
同じ新着ニュースのスクロールを見ながらも、意識はまったく別のところにあっ
た。
時計は午後10時25分。
寝返りをうってベッドから起き上がると、ペットボトルの水を少しだけ口にする。
22時間ほど前に起こったことを何度も思い出してはジタバタしていたからか、
それとも今日これからのスケジュールを意識しているからか、俺の神経はたかぶっている。
一息ついて冷静になろうとしたが、俺はまたあの場面を思い出して自然と顔がほころんだ。

昨日、大学の友達5人で飲みにいった帰り、俺は蠍と一緒に駅から歩いてきた。
あいつも俺も少しばかり酔ってはいたけれど、ハメをはずすほどではなく、ちょ
っといつもよりテンションが高いくらいだった。俺はいつものように、蠍に話し
かけた。

「なぁ蠍。俺さ、明日…っつーか、あと2分くらいで誕生日。お祝いして」
「おめでとう」
「お前冷たい。もっと愛を込めてさぁ。お前の誕生日はちゃんとパーティーした
じゃん」
「お前が家に押し掛けてきただけだろ」

去年の蠍の誕生日、俺は人気パティシエの新作ケーキを持って、蠍の部屋に行っ
た。「押し掛けた」なんて蠍は言ったけど、蠍の部屋に着く30分前に電話でアポ
を取っていたんだから、あれはれっきとしたパーティーだと、俺は主張した。

「あ、0時ジャスト。これで正式に俺の誕生日~。な、ちゃんと祝ってくれよ」
おどけてそう言いながら蠍を見ると、あいつはいやに真剣な目で俺を見つめた。
不覚にも心臓が跳ねた。

「誕生日おめでとう」

蠍は真顔でそう言うと、視線を落とした。

「…今の、気持ち込もってたっぽいじゃん。蠍ちゃんの愛、感じちゃったかも~
。そういう色っぽい目で誰でも見つめちゃダメよ?魔性って犯罪なんだから。わ
かってる?」

最終更新:2008年09月15日 17:49