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「ごめん。大声出して」

蠍は突然俺に謝ると、左手で両目を覆った。あれ?こいつ何かヘンじゃない?

「蠍?どした?」
「なんでもない」
「なんだよ気になるじゃん。あ、もしかして改めて俺に告白しちゃうとか?わか
ってるって、お前の気持ちくらい…」
「わかってない」
「え?」
「俺が、ほんとに好きだったらどうする?たぶんお前が言うのとは違う意味で」
「…え?」
「俺は……俺は、本気で双子が好きだ」

蠍の絞り出すような声が聞こえて、俺は頭が真っ白になった。「好き」って、そ
ういう「好き」って意味?マジで?マジで?俺の気持ち、報われるの?

偶然同じ講義に出ることが多かった俺と蠍は、いつのまにか世間話をするように
なった。最初はマジメで無愛想なつまんないヤツだと思ったけど、いつもクール
ぶってるあいつの口から、ある時ふと方言が飛び出したことをきっかけに、興味
を持った。古いロック音楽が好きで、年の離れた兄貴がいて、甘党で、朝が弱く
て、負けず嫌いで…。ほとんど自分のことを話さない蠍の一面を少しづつ知るた
びに、もっともっと知りたくなっていった。
住んでいる場所が近いと知って、たまたま途中まで一緒に帰って蠍と交差点で別
れたあと、あいつのことを考えながら歩いていたせいでアパートを通り過ぎたと
きに、あいつへの想いを自覚した。
それから約1年の片想い。ハマったらヤバイとわかっていたから、適当に他の人
と遊んで忘れようとしたけどうまくいかなかった。やっぱりあいつが気になって
。結局、好きで。でも、最近は友達でいられるならそれでいいと、半分あきらめ
ていた。
それが今、驚きの急展開。手のひらに汗がにじむ。気づかないフリをして数え切
れないほど飲み込んだ想いが、溢れそうだ