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蠍は下を向いたまま、小さな声で沈黙を破った。

「誕生日なのに気を悪くさせちゃったな。ごめん。俺、帰るわ」
「……だから、お前の気持ちはわかってるって言ったじゃん」

帰ろうと身を翻した蠍を無理やり抱き寄せて、俺は耳元で囁いた。

「つまりさぁ、プレゼントはお前ってことだろ?ありがたく受け取った」

蠍の顔を見ると、思いっきり目を見開いたまま固まっていた。その様子があまり
にいとおしくて、俺は今度こそ本当にキスをしようと、蠍の髪を優しく撫でた。
すると、蠍がとたんに照れたような表情になり、髪のすき間からちらっと見えた
耳は真っ赤になっていた。あれ、蠍って意外と、硬派って言うより純情派?そう
思ったら急に俺まで恥ずかしくなって、何もできなくなってしまった。結局俺た
ちは、今夜もう一度俺の部屋で会う約束だけをして、ぎこちなくその場をあとに
した。