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「…………!!」
 なんて叫んだかわからない。ばかやろうか、ちくしょうか、ふざけんなか。
 叫んだ瞬間、俺の足元が爆発した。
 砂利や小石がはじけ飛んだ。男が腕で顔をかばうのが見えた。
 ざまあみろと思いつつ、首をひねった。
 足元に爆弾でも仕込んであったのか……? あの変態がやったのか?
 いや、だったら俺は爆死してるはずだし。
 落下する石が、俺の周りの炎を押しつぶして消火するように並んでいくのも変だし。
 俺の消えない怒りの行き先である、あのなんか偉そうな男に、尖った流木が飛んでいくのも変だ。
 顔をかばっていた男の前に、とつぜん火の壁があらわれた。
 なんかの特撮みたいに。熱風が俺の肌を叩く。流木は一瞬で燃え尽きて灰を散らした。
 ここで俺は初めて気づいたんだ。
 この火はあいつのものだって。
 そしてこの、今も空中に停止してる、石や、流木や、キャンプのゴミのペットボトルなんかは、おれのものなんだ、って。
 俺はたぶんこのすべてを、あの男にぶつけることができる。
 木は燃やされた。でも石ならたぶん、あいつにぶつけられる。
 炎の壁がふたつに割れて、あいだを、あの男が歩いてきた。
 俺の数メートルむこうで立ち止まって、周囲に浮いた石に手を置きつつ、ふうっと溜息をつく。
 なぜか辛そうに見えた。しかし男はすぐにあごを上げて、見下すみたいな目つきで俺を見た。
「……とんだノーコンだ。力の使い方がまるでなっていない」
 やっぱり俺の力、なのか?
 俺の驚きを見透かしたみたいに、男はにやりと笑った。
「ああ、最初から俺の頭に石をぶつけておくべきだったな。さすがの俺もとっさの攻撃では避けきれなかっただろう。だがもう無理だ。小石程度なら燃やし尽くすなり、熱風で軌道を変えるなりできる。ぶつけられても急所を避ければ、たいしたダメージじゃない」