※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

 尻もちをついたままの俺と、天秤のあいだの空間が、奇妙に歪んだ。
 目に油でも入ったような感じだった。手で目をこすり、その手を下ろすと、
俺の目の前には、またまた別のやつが立ってた。
 いかにも理数系な雰囲気のその男は、俺を見た。じっと、じっと。
 そして双子を見て、天秤を見ると、眠そうにあくびをした。
 でもって去っていこうとした。
 双子があわてて止めていた。
「そんな自己紹介があるかよ水瓶。牡羊困ってんじゃん」
「しかし、僕はもう、彼を知っている」
「こいつはおまえを知らないの。初対面なの。説明してもらわなきゃ意味わかんないの」
「ああ。それもそうか」
 水瓶はくるっと俺を振り返った。
「僕は水瓶だ。趣味は読書。仕事は特に無いが特許収入で生活している。好きな食べ物は無い。ていうか食べることにあまり興味が無い。スポーツもよくわからない。芸能は嫌いだ。能力はタイムワープ。制限はワープのきっかけに条件が必要であること。
他になにか聞きたいことは?」
 こんな説明を受けて、なにを聞けというんだ。
 俺の沈黙を水瓶は返事と受け取ったらしく、頭を下げて言った。
「よろしく。あと向こうではキスをありがとう。じゃあ」
 なにを言いやがったこの野郎!?
 猛然と立ち上がろうとする俺を双子が止め、去ろうとする水瓶は天秤が止めていた。
 水瓶は面倒くさそうに頭をかきながら、また俺を振りかえった。
「言い忘れていたがキスが能力発動の条件なんだ。するのではなく、してもらわなければ駄目だ。歴史に干渉するのは僕の主義に反するんだが、仕方が無かった。すまなかった」
「日本語喋れよテメー」
「具体的に言うと、事情があって過去に行っていたんだが、そこで子供のきみに出会った」