牡牛の体からいましめのロープが落ちた。双子が切ったのだ。
たしかにそれは、もう必要ないだろう。
牡牛は両手をもちあげ、手のひらをじっと見ると、その手で頭をかかえて、ゆっくりと背中を丸めていった。
そして牡牛の目の前で、蟹が、牡牛と同じように、頭をかかえて背中を丸めていった。
俺はといえば、双子の予知能力がなくても分かる、確定した未来に思いをめぐらていた。
牡牛は、蟹の言うところの、「家族」になるんだろう。
俺といっしょに、俺がまだよく知りもしない「家族の敵」と戦うことになるんだろう。
土です。これで火水風土を一周しました。感想有難うございました。
……もう一周して良いですか……?
最終更新:2009年01月13日 00:40