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 蟹は獅子のほうを振り向く。きくまでもなく、蟹自身も同じ内容の短冊を書いて吊るした。
獅子は照れてそっぽをむきながら、しかめっ面で小さく鼻先を掻いていた。

「獅子。俺が今日一日どれだけお前のことを好きだったか、もう一回話してもいい?」
「どうぞどうぞ」
「できればお前の隣で」
「ああどうぞどうぞ」

 あしらうふりをして玄関に座る獅子の肩が、ほっと緩むのが見えた。隣に座って一緒に
廊下の七夕飾りを鑑賞する。何から話しはじめようかと蟹が幸せな顔で黙っていると、
横から顔が迫ってきて獅子とキスする形になった。

「今日はもうちょっと先へ行こうか」
「お前の話を聞いてからな」

 二人で苦笑して、軒先で手をつなぐ。
 一日怖かったことも哀しかったことも、全部埋めてもらえるとわかって蟹は幸せだった。


おしまい

書きながらの長文投下で失礼しました。ありがとうございました!