※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

小学校1年の7月、俺の誕生日が近づいた頃、俺と牡羊は些細なことで喧嘩をした。
小学校に入学してすぐに親友になった俺たちの、はじめての衝突だった。
口もきかない日々が数日間続き、とうとう俺は一番の仲良しだった牡羊を、誕生日のパーティーに呼ばなかった。
本当はすぐにでも謝って牡羊を誘いたかったけれど、幼いなりの意地と気まずさが、俺にそれをさせなかった。

 そうして牡羊のいないパーティーが終わってしばらくしたその日の夜、牡羊は牡羊の母親と一緒に俺の家に来た。
同じく母親に玄関口まで連れ出された俺に、牡羊は無言で紙袋を押し付けた。
母親に促されて袋の中を見ると、当時俺が一番好きだったキャラクターの人形と、
ひらがなで書かれたメッセージカードが入っていた。
それを見て俺は、罪悪感とか寂しさとかいろんな気持ちでいっぱいになって、
「牡羊、ごめんね」
と言うが早いか、泣き出してしまった。
牡羊は泣きじゃくる俺を正面から抱きしめて、
「蟹、誕生日なんだから泣くなよ。俺、蟹の誕生日嬉しいよ?」
と、子供のくせに妙にカッコつけたセリフを言ってくれた。

 あの日から今日まで、俺の誕生日と牡羊の誕生日は、いつも一緒に祝ってきた。
親友であったときも、それを超えた関係になってからも。