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星座村 ※蠍射手 1/3 2006/12/22(金)06:12

忘れた頃にさり気なく投下

注)・元が蛇な為、蠍の基本的なイメージより低能・短絡的
  ・射手も医者ですが、設定通り言動が子供

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木扉を開けて見れば、この付近で何度となく見掛ける謎の男、蠍が立って居た。
勝手知ったる牛宅でコトコト鍋を煮ている時だった。
「あ、蠍だ。」
オレは初対面も同然の相手に向かって、指を差して呼び捨てにした。
すると要領を得ない蠍は若干眉をひそめ、誰だ? ってな顔をした。


以前、通りすがりにこの男を見かけた時の第一印象は・悪者・だった。
スラッと着崩した黒衣の出で立ちは怪しく、切れ長の鋭い目つきと整った容姿。
自分とは対照的とも思えるミステリアスな雰囲気が、カッチョイイと思ってた。

ミーハー気分で、牛に 蠍の正体を聞いた事がある。
でも何故か『蠍の名誉の為に言わないでおくよ』と笑って誤魔化されたんだ。
『そうそう、射手が治療した患者の1人だよ。看病したのはボクで、
 彼の意識が回復した時には射手は居なかったけどね』とも言ってたか。
オレ、人間の手術は専門外だし、たぶん牛の記憶違いだろうけど。
どういう関係かと問えば、牛はバターを塗る手を休めずに
『う~ん? ごんぎつねの話みたいな関係‥‥いや、つるの恩返しかな?』と
答えてからパンを頬張り、それ以上は食事に夢中で相手にしてくんなかった。
  • ごんぎつね・ってのは どっかの国の童話らしい。


童話とやらの例え話は良く分からなかったし、その内 通りすがりの男の事なんて
忘れるだろうと思ってたんだけど。
こうして間近で男を見ると、やっぱり何か強く惹かれるものがある。

蠍は興味津々で無遠慮に見つめるオレなど気にも留めず、チラリと視線を家内へ向けた。
「牛さんは‥‥」
問い掛けの途中、家の奥から コトコトコトコト プシューーーッ! という音が耳に入る。
ん? この音‥‥‥‥ヤベェ、鍋が沸騰してら。 火、付けっぱなしだったっけ。

オレは早足に火を消しに戻る。が、既に台所は大量の吹きこぼれで汚れた後だった。
ハァ‥‥ ここを汚すのだけは駄目なんだ。温厚な牛でも許してくれない。
「牛なら今日はどっか出掛けるって言ってた~。」
もう一度溜め息をつき、オレは家中から表に届くくらいに声を張る。
「そのうち帰ってくるから家でゆっくりしてけば良いじゃん。」
‥‥なーんて。
本当は明日朝にならないと牛は戻らないけどなっ!
その間に適当にココを片して、蠍には晩酌につきあってもらおう。


そうして、オレは早々に帰ろうとする蠍に適当な嘘をついて、
好奇心で危険人物を家へ引き入れたのだった。
自ら災難を招く羽目になるとも知らずに。