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117 :超能力SS8:2008/08/19(火) 19:39:15 ID:???0

 夏休みに入る直前、学校に転校生が来た。
 それは牡牛だった。友達とかは驚いていた。秀才北高から大馬鹿南高への転入って
のが、ちょっと珍しいかんじだったからだ。
 俺は知っていたから驚かなかったけど、もったいないな、とは思っていた。
 休み時間、学校内を案内しながら、俺は牡牛に尋ねた。
「俺らの家からでも通えるだろ、北高。なんでわざわざこっちに来たんだ」
「みんなに薦められた。牡羊と一緒に行動したほうが、身を守るには便利だろうと」
 それは初耳だ。
「俺のためかよ」
「いや、俺のほうのためだと思う。早く新しい家族に馴染むためにも、そっちのほう
がいいという判断かな」
 俺らの家族に加わる条件は、天涯孤独の身であること、だった。
 牡牛は両親を失ってはいたが、遠い親戚がいて、財産相続で揉めたりして、それが
やっかいだったらしい。
 家族に加わるのが今まで遅れたのは、そのせいだという。
 牡牛はつくづく疲れた感じで言った。
「強欲なのは、うちの血筋なんだ」
「血筋ってことは、おまえも欲深ぇの?」
「俺の能力を知ってるだろ。好きなものだけを取り寄せる能力だ。そして俺の好きな
ものは」
 食事や、美術品や、楽器。
 能力って性格と関係あるんだろうか。
 その日は早くに家に帰って、牡牛の歓迎パーティーやって寝た。
 次の日は、牡牛の引越し荷物を運ぶために、牡牛の家まで行くことになった。
 話し合いの結果、手伝いメンツは、大型免許を持っている山羊と、荷物を運ぶのが
得意な俺と、牡牛の三人になった。
 出かけてみると、牡牛の家は、古い和風建築で、ものすげえでかかった。
 トラックがくぐれるほど広い門をくぐると、家が一戸建てられそうな庭があり、部
屋が一個作れそうな玄関があるのだ。