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 孔雀は「よくぞ聞いてくれた!」と叫ぶと、両手を体の前で交差させ、なんかのポ
ーズを取った。
「私の名は孔雀! ヒーロー孔雀! 世界の平和を守るため、悪人獅子を成敗しにき
た!」
 おれガキのころ、こういうのが好きだった。黄道戦隊ゾディアックとか。
 いつかヒーローになりたいとも思っていた。
 だからこのシチュエーションには違和感を覚えた。
「獅子が悪党? んじゃ俺は悪党の仲間か。成敗される立場かよ」
「そこの少年! それは違う。獅子は裏切り者ゆえ悪人なのだ。我々のグループを裏
切って逃走した」
 そう……なのか?
 しかし獅子はムっとしていた。腕組みをし、顔をあげ、大声で孔雀を怒鳴りつける。
「馬鹿が! 逃げたりなどするか! 俺がグループを抜けたのは、おまえが馬鹿だか
らだ!」
 孔雀は明らかにびくっとしていた。しかしそれを隠すかのように、腰に手を当てて
胸を張った。
「ふ、ふん。言い訳とは見苦しい。待っていろ。……とおっ!」
 孔雀は飛んだ。射手のような空間移動ではなく、ちゃんと飛んだのだ。両手を広げ、
空中を移動し、俺たちの頭上に飛んできた。
 空中浮遊。それがこいつの能力か。
 見上げていると、孔雀は得意げになった。
「これで筋書き通りだ。私は格好よく貴様らの頭上に飛来する。そして攻撃」
 孔雀はギターの穴に手を突っ込むと、ビンを取り出し、それを次々に投げてきた。
 俺たちは飛びのいた。落下したそれは地面に落ちて割れた。しゅっと音を立てて草
が溶けた。
 酸?
 俺はあわてて念を放ち、落下物を宙に押し留めた。
 孔雀が、俺を睨んだ。
「少年! 一対一の勝負に手を出すとは、卑怯だぞ!」
 なにを言いやがる、この自然破壊野郎。俺のあこがれを勝手に気取って、へんな攻
撃しやがって。