※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

 獅子は考えると、首を横に振った。
「それは違う。あんなものと、それを同じにするな」
「ってことは、おまえも好きだったのか」
「ああ」
 獅子は当然、水面に突き出た竹筒に火をつけた。
 孔雀はもがきながら浮上し、げほげほ言ってた。
 俺はもう孔雀が哀れになってきたので、孔雀の姿を空中に固定し、俺たちの手前ま
で引き寄せると、手足を大の字に引き伸ばした。
 俺は獅子をみつめた。視線には、もうラクにしてやれ、という意味を込めたつもり
だ。
 そして、獅子の全身全霊を込めたアッパーパンチをアゴに受けて、孔雀は泡をふい
て気絶した。
 射手が拍手した。
「すげえ。いいコンビだなーおまえら。格好いいなあ」
 俺は悲しい気持ちで射手に問い返した。
「おまえ何も感じねえ? こいつを見て」
「哀れなくらい馬鹿で、可愛いと思うぜ。悪いやつじゃないんだろ?」
 最後の問いは、獅子に向けられていた。
 獅子は、うなずいた。
「悪くはない。馬鹿なだけだ」
「獅子はなんだって過剰だから、好かれるときも過剰だし、好かれすぎて恨まれると
きも過剰なんだよ」
 まえに獅子は、射手を欠落していると言っていた。
 そして射手に言わせりゃ、獅子は過剰なのか。
「どうするよこいつ。放っておいていいのか? 生きてる限り獅子を狙ってくる気が
するけど」
「かまわん」と獅子が言った。「そのたびに灸をすえてやればいい」
 というわけで、孔雀を放っておいて、三人で家に帰った。
 すると家では、皆が待ち構えていた。
 部屋から消えた俺を心配した山羊が、俺が置いていった針と糸から、俺たちの行動
を読んだらしいのだ。