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「川田になにかあったのか?」
 水瓶は苦しそうに「わからない」と言った。
「彼は変わってしまった。まるで別人だ」
「性格を変えるような何かがあったんだろ」
「二十四時間いっしょに居たわけではないが、僕が知る限りは、そんな出来事は無か
ったと思う。しかし今の彼は、なんというか、きみの言っていた通りのことをしでか
しそうな、そんな雰囲気を持っている」
「……」
「彼はきみの言ったとおり、能力者の組織化を計画している。しかしきみの言うよう
な悪どい思想は、いまのところ出てきていない。……どうすればいい。彼を信じてい
いのか。彼は能力者たちを助けたいと言っている。僕はどうすれば」
「悪どいことをやりそうになった時点で、止めればいいんだ」
 簡単な話だと思うが。
 能力者が固まってるってこと自体は、俺の今の家族だって同じようなもんだし、そ
れ自体は、悪いことでもなんでもない。
 問題は、固まった連中が、やってること、だ。
「ていうか水瓶。おまえ今でも、川田を友達だと思ってんのか?」
「ああ。僕が彼を疑っているのは、きみとの出会いがあったからだ。それがなければ、
性格が変わろうが思想が片寄ろうが、僕は川田の友人として、協力できることをした
だけだと思う」
「だったらそれでいいじゃねえか。出来ることをやれよ。ひょっとしたら、おまえが
そばにいれば、川田だって悪いことはしねえかもしれねえし」
「僕がそばに居れば、か」
「まだやってもいない悪いことで責められんのは、さすがに川田が可哀想な気もする
しよ」
 ややこしい話だが。なんつーか、俺が将来、水瓶を殴る運命だったとしてもだ。そ
のことで今の俺が責められたって、俺は困るだろう。
 殴らなきゃ問題ないんだったら、殴らせないようにすればいいんだ。
 水瓶は納得したようで、俺に礼を言ってきた。
 そして俺からのキスで水瓶が消え、それとほぼ同時に、ほぼ現在どうりのルックス
の水瓶が、空間の歪みから出現した。