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「俺に会ってたこと、なんで隠してたんだ」
「べつに隠してたわけじゃない。どうせいずれは体験する出来事だと知っていたから、
あえて先立って言う必要を感じなかった。ちなみに僕の最初のキスは川田だが、その
次はきみだ。なので、きみは川田と間接……、どうでもいいか」
「どうでもよくはねえが、そこまで割り切って考えてたんなら、なんでここに来たん
だよ」
「きみを救うために。未来を変えるために。きみはここで死ぬ運命だったから」
 死にそうなほど驚いた。
 さっき水瓶に突き飛ばされたとき、あの光線はたしかに、俺の立ち位置に放たれて
いた。
 ってことはだ。この水瓶は、俺の死んだ未来を、過去に、見ていたのか。
 呆然とする俺に、水瓶はやっぱり、世間話みたいに語り続ける。
「なにが起こったのかわからなかった。きみはとつぜん、胸に穴をあけて倒れた。き
みは血まみれになりながら僕にキスをくれた。未来を変えてくれとの伝言とともに」
「……」
「だから僕は過去に戻ってから、魚と行動を起こすとともに、光線使いの情報を調べ
上げた。そして色々あって、現在に至るわけだが」
「いまのおまえの行動で、俺の死んだ歴史を……、消した?」
「ああ。僕としては、きみを助けたことを後悔してはいない。しかしそのせいで、こ
こから先の未来は、ぼくにもわからない。ぼくがワープして調べ上げた未来は、君の
いない未来ばかりだったから」
「水瓶、いままで言ってたじゃねえか。歴史には干渉したくないって」
「主義としてね。しかし場合による。ただ断りもなく君の運命を変えてしまったこと
に関しては……すまなかった」
「命を助けられて、文句があるわけねぇだろ!」
 ホッとしている水瓶は、本当に変なやつだと思う。
 俺は自分の胸に手を当てた。ここに穴があいたのか。血がいっぱい出たのか。そん
な俺の存在が有り得たのか。
 俺、水瓶に借りができちまった。一生かかっても返せねえほどの。
 それを言うと水瓶は首をかしげた。