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181 :超能力SS12:2008/09/18(木) 18:37:24 ID:Pl6OomEg0

 窓際のベッドの脇には、みなが集合している。
 そしてベッドの上には双子と、馬乗りになった魚の姿がある。
 双子は魚の治療を受けつつ、俺たち全員の姿を確かめると、青ざめた笑顔を見せた。
「あーあ。なんか大騒動になっちまって」
 魚が怒って、双子の頭をポカっとぶった。
「びょうきのひとは、しゃべっちゃだめー」
「いったー。てめ、力は大人なんだから加減しろよ」
 すると蟹が、魚をベッドから抱き下ろし、そのあと双子の頭を撫でた。
「僕はきみに、すまないと思う」
 いたわるように、慈しむように、蟹は双子を撫でる。
「だれが未来と引きかえに、きみに傷ついてほしいと思うものか。天秤が間に合わな
かったらきみは、この世でいちばん僕を傷つける死に方をするところだった。だけど
そんなきみを、僕はいつも止めることが出来ない」
 双子はしばらく黙ったあと、ただ詫びた。しかし詫びの言葉の最後に、こう付け加
えた。
「俺は蟹を傷つけるようなことはしねえよ。今回のこれは、必要だったからやったん
だと思ってくれ。水瓶が決意をしてくれたおかげで、牡羊の運命が変わったから」
 知ってるんだな。今日の出来事を。
 水瓶は、すくなくとも見た目は、淡々としていた。
「双子の運命も変わっている。双子は発見が遅れて意識不明に陥るはずだった」
「へえ。じゃあ牡羊だけじゃなく、俺自身も、あんたに助けられたことになるのかな」
「自分の運命は読んでいなかったのか?」
「俺が知ることができるのは、俺の所属する時間の流れの中だけだ。あんたが決意を
固めた時点で、俺たちは別の歴史に入ってる。だから、この流れに変わる前の、もと
の歴史の運命は読めない」
「双子の今回の予知で、読めた未来の日数は」
「7日間。粘った甲斐があったぜ。水瓶、川田が来るぞ」
 俺をふくめて全員がたぶん、ついに来たか、って思ってる。
 双子は貧血で辛そうだったが、自分の見たものを言い切ろうと、必死な様子だった。
「未来が変わったのは、たぶん初めてじゃない。俺の勘では、川田たちは何回も未来
を変えている。ってことはだ。おそらく、あちらさんにも、未来を調べることのでき
る能力者がいるんだ。だから俺の読んだ未来も変わる可能性はある」