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 それで双子は、しばらく騒動は無いと踏んだのだが、実際にはすぐに事件は起きた
わけで。
 俺と乙女が、牡牛と戦うことを、双子は知らなかった。
「知ってりゃ忠告したさ。牡牛の親も死なずに済んだかもしれねえ」
 双子の言葉に、牡牛は目を伏せた。
「ああすれば良かったとか、こうすれば良かったとかいうのは、あまり考えても意味
が無い気がする。俺が乙女を殺そうとする前に、双子が未来を読まなかったのも、運
命なのだと思う」
 それでも双子は説明した。水瓶の力を使えば、牡牛の両親は帰ってくると。
 きっと牡牛だってそうしたいに違いない。しかしそれをやれば、そのかわりに、死
の運命の荷重はどこかに移動する。
 牡牛は黙って首を横に振り、すべてを受け入れていることを伝えてくれた。強いや
つだなと俺は思う。
 双子のほうは、牡牛の様子に対して、不思議がるようなかんじを見せていた。
「ひょっとして牡牛も、俺がこれから話すことと、同じことを考えてたのか?」
「たぶん。自分の運命について考えていて、それが推理になったんだ」
 なんのことだ?
 双子はその話を解説するかのように、また過去の話を始めた。
「それで反省した俺はまた未来を読んでみたんだが、ハズレだった。平和な一日が読
めただけだ。牡羊と獅子と射手が、夜中に遊んで帰ってきて、家で乙女に怒られるっ
ていう。それで安心して予知をさぼったら、また牡羊が攻撃された。魚がなんとか助
け出したみたいだけど、あの出来事を俺は読んでなかったんだよ。それで迷ったけれ
ど、さすがに三回連続ってことは無いだろうと思ってたら、牡羊はまた天秤といっし
ょに襲われていた。俺はあわてて未来を読んだ。またハズレだ。牡牛の引越し荷物を、
山羊と牡羊が、この家に運んでくる未来だった。いくらなんでもハズレくじが多すぎ
る。だから俺は推理したんだ。俺の読みがハズレるのには理由があるって。たぶんど
こかで運命がズレてる」
 双子が未来を読んだ時には、騒動が起こらない。読んでなかった時には、起こる。
 そういうふうに、歴史をズラしているやつが居るってことだ。
 そんなことが出来るのは、それこそ双子自身か、水瓶か、そういった「時間」に対
するスキルを持っている者だけだ。