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 そのあと俺は、またやることが無くなっちまったので、台所に戻った。
 牡牛が米を研いでる横で、道具を洗いつつ、メシの仕上がりを待った。
 だけど煮物はやっぱり時間がかかった。みんなが帰ってきても間に合わなくて、け
っきょく、カップラーメン12個つくって食った。
 メシのあと、俺は牡牛に、さっきの乙女との出来事を話した。
 牡牛はなんか、不気味な笑みを浮かべた。
「けっきょく乙女は眠れなくなったのか」
「かもな。大丈夫かな。ラーメン食ってるときも目がうつろだった」
「時々、牡羊は策士だなって思う。けどそんなことはないから、牡羊はタチが悪い」
 意味がわからねえ。
「おれの態度がアホすぎて、乙女が呆れちまったって意味か?」
「ぜんぜん違う」
「もうちょっと詳しく説明しろよ」
「人間、なにかに悩み出したら、べつの悩みには気が回らなくなるってことだよ」
 乙女を悩ませたくなくて、俺はがんばったんだが。
 俺は、乙女の心配性が伝染したみたいな気分だった。牡牛は、そんな俺の状態を見て笑いな
がら、ずっと着たままだったエプロンのポケットに手を入れた。
 そして取り出したのは、乙女の眼鏡だった。
「あとで返さないと」
「おまえが取ってたのか?」
「うん。これがないと、乙女は何も出来ないって知ってたから」
 牡牛は策士だと思うぜ。間違いなく。
 とりあえず、乙女はあんまり動揺させたり、乱暴な扱いをしちゃいけないってこと
は、よく理解できた。
 けどそれは……、俺みたいな性格の人間にとっちゃ、すげえ難しいんだけど。
 やっぱあとで謝ったほうがいいかな。あと説明もした方がいいのか。俺のやること、
いちいち気にするなって。
 うん。それがいい。そうしよう。きっとそれが一番だ。たぶん。


 余談として土で、乙女中心です。
 次からは属性関係なく、ラストに向けて突っ走ります。