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 そして未来の予定が書き込まれたタイムテーブルの紙を、山羊が確認する。
「次の出来事が起きるまでは、しばらく間がある。いちど天秤を引き上げたほうが良
いんじゃないか?」
 暇そうにしてた射手が、さっと手をあげた。
「じゃ、行ってくる」
 待てと、獅子が止めた。
「射手、牡羊を連れて行け」
 俺?
 水瓶が反論した。
「それはよせ。牡羊は今回の出来事のキーだ。なるべく家に置いて守ったほうがいい」
 正論だとは思う。しかし俺には、獅子の考えもわかる。
 そして俺の予想通りの戦法を、獅子が語った。
「無駄だ。敵も未来を変える能力を持っているのだろう。なら、どう守っても意味が
無い。だったら攻めろ」
 あえて敵前に俺をぶら下げて、ゆさぶってやりゃあいいんだ。敵の目的が見えるか
もしれねー。
 あと単純に、獅子は射手を心配してるってのもあるだろう。
 そして俺のほうも、勝ち負けって意味じゃなく、天秤が心配だ。
 みなが考えるために沈黙してる中、カチカチと音が鳴り響いた。
 双子がカッターの刃をのばしてた。そしてだれが止める間もなく、双子は手のひら
を切った。
 だらっと流れ落ちる血のしずくを目で追いながら、双子は言う。
「行ってすぐに即死ってことは無いみたいだ」
 魚がすかさず双子を治しにいく。――家族で固まってて便利なところは、誰がなに
をしてもすぐにフォローできることだ。
 なにをするにも、人数は多いほうがいい。俺は射手を見た。
 射手は何も言わず、俺にくっついてきた。
 その瞬間、俺と射手は、森の中に居た。
 湿っぽい風が俺の左右を駆け抜ける。蝉の声がうるさいくらいに響いている。