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228 :超能力SS15:2008/10/09(木) 21:30:26 ID:fclKttsw0

 俺たちは安全のためも兼ねて、なるべく獣道を歩いていた。
 だが何回かは、道路を横断しなきゃならなかった。
 そしてあるとき、道路に向かって、低い崖みたいになったところから滑り降りたと
ころで、対面の木々のあいだから牡牛が出てくるのを見た。
 牡牛は俺らを見て片手をあげると、道路の真ん中まで歩いてきて、それからこう言
った。
「もうすぐ、次の出来事が起こる。双子の先読みでも変更は無かった。だから俺が来
た」
 タイムテーブルによると、あとすこしで、家に訪問者が来る予定になってた。
 ってことは、その人物は、今くらいの時間に、この道路を通るはずだ。
 牡牛は裸の天秤を見ると、「寒くないのか」と言った。
 天秤は大丈夫と答えると、俺の聞きたかったことをかわりに聞いてくれた。
「家の様子はどうかな」
「孔雀は獅子がタコ殴りにしたせいで気絶してしまった。話を聞きだす暇も無かった。
だから山羊が読んでる」
「射手は?」
「両手の、肘から先に麻痺が出た。天秤がこしらえた背中の内出血は、たいしたこと
なかった。どちらも魚が治した」
「乙女は」
「不安が出るたびに蠍が押さえてる。でも蠍のほうが限界になってきたから、もう少
ししたら一回、ええと……」
「蠍にリセットがいるわけだね。ほかには?」
「蟹が、天秤と牡羊のことをすごく心配してるから、はやく帰ってやったほうが良い
と思う」
 天秤はうなずくと、俺に向かって言った。
「急ごうか」
 俺は息切れを整えつつ言った
「先に行けよ。おれ牡牛とここに残るよ」
「大丈夫?」
「疲労はたいしたことねえ。けど牡牛がここにひとりで来たってことは、たぶんむこ
うの連中も、俺が残ることを期待してると思うんだ」