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カジノ・ロワイヤル 獅子と山羊×乙女 1/2 774チップ 2007/09/14(金)21:49

46の続き。獅子と山羊×乙女。
牛も黒いですが山羊も黒めです。エロ注意。



ポーカー卓では牡牛と乙女の静かな死闘が続いている。
賭博場の周り、ゲームを見下ろせるよう小階段の上に作られたバーで
獅子がカクテルを啜っている。その横には焼酎のグラスを持つ山羊が。

獅「(カクテルを勧めながら)いるか?」
山「結構だ。そういうのは似合う人間が飲めばいい」
獅「しかしお前のグラスにはさっきから氷しか入っていないように見えるが」
山「仕事の時は極力飲まないようにしている」
獅「そうか。いいことだ」

船を下りられるようになるまでにはまだ時間がある。
事を急くこともあるまいと二人はまだ取引に入らずにいた。

獅「しかし俺も貴様も、敵にはこと欠かんようだな」
山「どういうことだ」
獅「このゲームに送り込まれたこと自体がだ。破産した奴からまな板ショー、それも最後の一人まで……今はいいがショーが始まったら面白いぐらい場が狂う。狂気の沙汰の場数を重ねるにはちょうどいい」

山羊、何も言わないが瞠目して獅子を睨んでいる。
それを見て笑う獅子。

獅「知らなかったのか? お前も俺同様いい競争相手に恵まれてるようだな」
山「……(あえて表向きは平然として椅子に座りなおす)」
獅「さっきステージ裏を見たら犬が檻に入っていた。訓練された蛇も」
山「ペットか」
獅「まさか。まな板で指名された客が拒んだら代わりにけしかけるつもりなんだろう。自分で舞台に立つよりそういうのを見るのが好きな類もいるしな」

目下、鋭く輝く乙女の眼光と重量感ある牡牛の眼光とが交錯する。
両者が場に大量のチップを出し、ディーラーがカードをめくるのと同時に歓声がわいた。
牡牛のチップがごっそり乙女の側へおしやられていく。追求の手を緩めない乙女。

獅「しかしギャンブラーという輩は、どうして一匹狼な地位にこだわるのかね。
  俺には理解できん。(組織に比べて)脆弱だ。あの手の輩は」
山「同感だ」
獅「このイベントにしてもそうだ。いくら公平さをうたっても所詮川田の奴が何か言えば
  黒いカラスも白になる。そして奴は下界から見えないVIP席でそれを眺めるわけだ。
  企画にまな板を挟む趣旨からして、見世物になっているのは俺たちのほうだ」

突然二人の目下で乙女の具合が悪くなり、顔が青ざめてくる。
卓にうずくまりそうになる乙女を挑発する牛。相手を睨みつけ、その場に留まる乙女。
獅子と山羊の飲む近場で射手が水瓶に向かって何かを喚いている。

山「急に具合が悪くなったな。あの攻めている方」
獅「ああ。助けに行くか?」
山「いや」
獅「だな。川田が何かやったな」
山「リベートは打ってあるのか」
獅「俺か? 組織から金は行ってる。”俺は正当な方法でしか負けないよ”。
  いや正当な方法でも負けないが。その様子だと、貴様も最低限の手続きは打ったようだな」

乙女のチップが、徐々に牛の方へと削り取られていく。
ある時点で賭けの続行を躊躇する乙女。しかし結局はまたチップを出し、ジリ貧に陥っていく。

獅「残り四枚のチップが三枚になり、それを取り戻すために二枚になる。それも失えばもう一枚出す。そして残り一枚で勝負するしかなくなる」
山「……」
獅「ああ、詰みだ」

牛の前で全てのチップを奪われ、卓に崩れ落ちる乙女。
遠くで飛び出そうとする射手を水瓶が止めている。
ぐったりした乙女が抵抗しながらチンピラの手に取り押さえられ、
妖しくライトアップされたステージの上へ無理やり引きずり出される。湧き起こる歓声。
乙女はなかなか服を脱ごうとせず、チンピラの手にかかりそうになってやっと、
うずくまってタキシードシャツのボタンを外す。
獅子と山羊は傲然とそれを見下ろしている。屈辱に震える乙女の肩。
乙女には蠍のように観客を魅了する動きもとれず、哀れ彼はステージの上で裸になる。

「皆様ご起立下さい。ただいまからまな板ショーの攻め役を決めるじゃんけんを行います」