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カジノ・ロワイヤル 魚と羊(+蠍・獅子) 1/2 774チップ 2007/09/24(月)20:13

72の続きです。蠍が残酷です。魚がエロいです。



「プレイヤー魚氏は破産です。
 相手プレイヤーを撃破した蠍氏には追加で撃破ボーナスが加算されます」

場内にアナウンスが流れて初めて羊ははっとなった。
勝負の途中でがばとポーカー卓のほうを見ると、蟹と戦っていたはずの魚の卓に
いつのまにか蠍が座っている。
羊は羊で目の前の勝負に気を張っていたおかげで魚のほうに目をやる余裕がなかった。
歓声の中、思わず魚の卓を見つめてこめかみに汗が垂れる。

羊「マジかよ……!!」
獅「どうした。誰か懇意にしてるプレイヤーでも負けたのか」

悠然とのけぞって笑みを浮かべている獅子に歯を剥く。
蟹がやられたというアナウンスはなかった。魚が一度でも蟹相手に優勢に立てたかどうか、
それすらわからない。魚は遠くから羊に涙ぐんだ表情を向けている。

魚「羊、ごめん。俺負けちゃった。ど、どうしよう」
羊「どうしようって……」

おびえている魚に対し、かける言葉がない。
魚は自分を取り押さえにきた黒尽くめの男たちに対し「俺は……」と何か言いかけたが、
すぐに羊のほうを見て言葉を噛み殺した。
(本当は羊ではなく同じ卓の獅子に素性がばれるのを恐れたのだが、羊にはそう見えた)
魚は周囲の歓声に流されていく。音楽が流れ、まわりの視線が一身にあつまって自分に何かを強要すると
魚は逆らう声もあげられずに見えない手にかかるようにして、みずから衣服を脱ぎ落としていった。
本来見てもおもしろくない男の体が、犠牲者を重ねていくにつれ
どこか幻想的になまめかしく変わっていく。羊は混乱して動物のように迷走しかけた。
後ろに鎮座する獅子の迫力が、どうにか彼をその場に留め置いている。
為す術が無いまま観客たちが立ち上がり、じゃんけんのコールが始まる。

じゃん、けん、ぽん!
じゃん、けん、ぽん!

観客の視線が勝者へ集まる。魚と羊の顔はこわばり、やがて一息遅れて勝者──蠍の手元へと向けられる。
なんたる偶然。
だが会場の期待に反して、自らの手元を見つめる蠍の表情は恐ろしく冷ややかだった。
前からと後ろからどちらがお好みですかという問いに彼はそっけなく答えた。

蠍「要らん。辞退する」

「それでは、こちらで用意した男性スタッフによるショーがよろしいですか」

蠍「ああ、それでいいよ。勝手にしてくれ」

まるでそれまでしゃぶり尽くした魚の骨を野犬にくれてやるようなそぶりで。
蠍はショーも見ずに魚に背を向ける。奪ったチップをまとめると観客の視線をものともせずに歩き出し、
そのまま何者かを追いかけて賭博場を出て行ってしまった。
羊と魚は身震いする。蠍の背に一瞬感じた冷酷さに。だが思考を続けている暇もなく、
裸でステージに座る魚のもとには訓練された見知らぬ男たちが複数がかりでやってくるのだった。