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カジノ・ロワイヤル 天秤・双子・水瓶・乙女・射手 774チップ 2007/09/27(木)21:21

82の続きです。ちょっと流してます。



一日が終わって、最後に泣く天秤を部屋に送り返しながら
双子は不思議そうに天秤の様子を見守っていた。
天秤は双子と水瓶に付き添われながら、涙をこらえるだけで何も言おうとしない。

水「迷子になって怖かったんじゃないか。連絡手段もなかったんだろうし」
双「えー? そりゃそうだが、仮にもこの歳でその程度で泣くかね」
水「(苦笑しながら)……」
双(──まあ、あんなショーに出された後じゃわからんか。一人になったら襲われるとでも
  思ったのかもしれないな)
 「水瓶。俺他の奴に声かけて部屋に帰るわ。こいつ頼んでもいい?」
水「いいよ。送っていこう」


水瓶と天秤が乙女の部屋に着くと、しばらくして乙女と射手が戻ってきた。
宿敵の弟のはずなのに、天秤の無事な顔を見たときの乙女の安堵の息はとても重かった。
どこへ行ってたんだよーと射手が騒ぐ。きっと二人とも必死に探してくれたのだろう。

天「すみませんでした。いつまでもここにいちゃいけないと思って、隠れ場所を探してたんです」
射「そんな余計な心配しなくていいのに! 乙女がダメなら俺の部屋にくればいいじゃん」
天「でも……」
乙「……とにかくしばらくはあいつ(→牛)を動かせないだろう。余計な気を遣わなくていいから、
  あまり一人で無茶はするな」

天秤が肩を落としていると、乙女がそっと天秤の肩を叩いた。天秤が乙女を見上げる。

乙「もういいから」

天秤が無事に戻ったのを確認して射手と水瓶が自分の部屋に戻っていく。
天秤は自分の見たものを周囲の誰にも明かさなかった。
とても疲れていたらしく、彼は兄の横に寄り添ったかと思うとまた深い眠りへ落ちていった。


双子は自室に帰る前に夜のレストランに顔を出しながら、まだ首をかしげている。
有力プレイヤーでありながらたくさんの社交先を持つ彼は引く手あまただ。
双子本人もこうしたハイ・ソサエティ達との会話が嫌いでない。
彼の大好きな噂はえてしてこういった層から流れ込んでくる。

双(何だろう、すごい違和感がある。あのガキは見た目よりずっと気丈だし、頭も回るたちだ。
  何があった。もしかして何か隠してるんじゃないか?)

牛と天秤がステージから失踪した事件のあと、観客たちの間では一気に不穏な噂が湧き出ている。
この船には警察に見せられないような貨物が大量に乗っている。
この船では船員以外にかなりの不審人物──早く言えばその筋の男たちが乗り込んでいる。
船内警察のような組織はあるが、名ばかりで、実際にはトラブルがいくつか水面下でもみ消されている。
双子は笑顔で乗客と談笑しながらそういった情報を聞きつけ、頭に書き込んでゆく。