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カジノ・ロワイヤル 天秤と牡牛と乙女(中間成績) 774チップ 2007/09/29(土)12:10

続きです。ターン終了していませんがとりあえず中間成績。
実は牡牛の性格がうまく掴みきれていなかったりします。



船内にいる乗客のために主催者側では常に一つのチャンネルを用意している。
小さなローカル局が船内にあるのだろう。賭博場のプレイヤーの様子は逐一中継され、
録画の危険性を考慮してかストリップからまな板ショーまでの一連のショーはカットされて
現場で見るよりも清潔なカジノのイメージを視聴者に提供していた。

現在のプレイヤーの順位は

 1位、山羊 元手分に射手から奪ったチップと射手の撃破ボーナスを追加
 2位、牡羊 元手分に獅子・蠍から奪ったチップと獅子・蠍の撃破ボーナスを追加
 3位、双子 元手分に他プレイヤーから奪ったチップと牡牛の撃破ボーナスの半分を追加
 4位、水瓶 元手分に双子・蠍から奪ったチップと蠍の撃破ボーナスの一部を追加
 5位、蟹  元手分に魚・蠍から奪ったチップと蠍の撃破ボーナスの一部を追加

 破産者──乙女・天秤・牡牛・射手・魚・獅子・蠍の七名。


テレビから漏れ出る中継の音を、天秤がリモコンで小さくする。
部屋の主が起きないように気を遣っていた。ベッドでは乙女が深い眠りに落ちている。
夜半に山羊に介抱されたのがきいたのか、ようやく幻覚から幾分か解放されたようだ。

天「他のチャンネルもいろいろ見られるみたいだけど、どうする? 兄さん」

壁際では、牛が半身を起こしてテレビを見ている。ショーで犬に噛まれた傷は残っているが
生来頑健なこともあり、座ってくつろぐ程度のことはできるようになった。
もう少し休めば外も歩けるようになるだろう。それまでは一緒にいようと思い
天秤はリモコンを片手に兄の横で座っている。

牛「もう少しこのままつけておいてくれ。天が何か見たければそちらでもいいが」
天「僕は別にこれでいいよ。合間に入るCMも結構面白いし。……残ってる人も随分減っちゃったね」
牛「ああ。あと一人減ったら映画でも見よう」

兄弟二人だけでくつろぐのは何年ぶりだろうか。膝下に布団をかけ、テレビを見ながら
色々な話をする。牛は観客の姿がテレビに映るたびにそこかしこを指差しては
あれが○○自動車工業の会長、あれが△△新聞に影響力のある○○○○卿だなどと
一人一人弟に話して聞かせるのだった。

牛「父さんと母さんにはここに来ることは話したのか」
天「ううん。父さんとは忙しくて話す時間がなかったし、母さんは僕が友達と地中海で
  ヨットに乗ってると思ってる」
牛「……天。俺のことでは天にもつらい思いをさせたと思うけど、…………あのな、とても
  言いにくいことなんだが、今画面に映ってる連中と会うときは……」
天「わかってるよ。僕がショーに出たことを言われるかもしれないってことでしょ」
牛「(困惑して)……」
天「(微笑んで)大丈夫だよ。言わせやしない。だって言ったらその人だって危ないもの。
  この船に乗ってたってわかったらまずいのはお互い様なんだから。
  僕だってもう子どもじゃないんだよ。敵と味方の名前ぐらいはしっかり覚えておく」
牛「……天」
天「僕、嫌な人にニコニコしてるのは正直言って兄さんより上手いと思うよ。
  それに兄さんが僕のために今あの人たちの名前を教えてくれてるんだってわかるから。
  ……あ、兄さんまた泣きそうになってる。大丈夫だって」

牛と天秤はテレビを見ながらそっと身を寄せ合う。牛が自分の肩を抱き寄せ、
頭を撫でてくれるのが天秤には嬉しかった。

天「にーにの手、懐かしいな。僕もちょっと眠くなってきちゃったよ」