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ステージの上は淫靡な色合いのライトがきつくて、眼下の人々の視線がほどよい緊張感に繋がる。
水瓶はいざステージの上に立ってこの先の方針に困った。溜め息をつくが周囲は彼の脱衣に期待満々だ。

水(本当はここで全部の電源を落として逃げる予定だったんだけど……まあ仕方ないか。
  人体の研究だと思って割り切れば結構早く済むかな)

見ると、遠くに射手と獅子が来ている。射手や蠍のように上手くショーを見せる自信がなかったので
とりあえず手先からハトを出してみた。観客からおおっと歓声が上がり、
愛らしい生きた白いハトが水瓶の手にあわせて飛んでゆく。

射(ガメすげええええええ!! ……え、あと普通に脱ぐの。ハトの意味は?)
獅(あいつはスーツの中に一体何を仕込んでるんだ……いや、それよりアレを探さねば)

全裸になった後のじゃんけんはほとんど八百長のようなものだった。
水瓶ははじめ誰が来ようと関係ないと思っていたが、じゃんけんを勝ち抜いた観客が
獅子にぺこりと頭を下げて権利を譲ったときには開いた口が塞がらなかった。
獅子はやたら嬉々としてステージへと上ってくる。まるでこれだけのために賭博場に来たかのようだ。

水「よくやるなあ。呆れた」
獅「あのままで済むと思ったか。さあそこへなおれ」

獅子が嫌がる水瓶の身体を床に押し倒し、脚と脚の間に割って入って耳元で囁く。

獅「あれから屈辱で一晩眠れなかった」
水「……案外気の小さいことだ」
獅「余計なことを言うなよ。乱暴になってしまう。あくまでも本来は俺のほうが上だと
  いうことを今からわからせてやろう」

獅子の獣のような微笑に、水瓶の心は際限なく冷えてゆく。獅子が挑めば挑むほど
そうなる相性だった。水瓶は床の上で頭をふり、前髪をさっとはねあげた。

水「好きにするがいい。僕は君には屈しない」


獅子の身体が水瓶から離れる。
彼は急に歩いて水瓶の視界からいなくなった。腹を据えていた水瓶が何事かと思って周りを見ると、
獅子は水瓶の脱いだジャケットを拾い上げて乱暴に上下へ振っていた。

水「(青ざめて)……!!」
獅「なんだこのジャケットは。防弾チョッキより重いぞ? それにこのガシャガシャした音」
水「な、何をしてる」
獅「あの薬を探してるに決まってるだろう! あの薬のお陰で俺はえらい恥をかかされたんだ。
  ん? このポケットか? なんだこの内ポケットの多さは。全部出した方が早いか」
水「や、やめろ乱暴に振り乱すな! うわっ壊れる! 振るな! 触るなーっ!!」
獅「ん~? (猛烈に嫌味な笑いで)お前もしかして自分の身体よりこのジャケットの中身の
  グッズの方が大事なのか? そうか! よし燃やしてやろう!!
  (早速ライターを取り出して火を近づける)ほーれ。ほぉ~~~れ」
水「ああっ、あ、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーー!!!」
射・双・山(獅子の奴ものすごく楽しそうだ……。)
獅「……お、これだこれだ。こいつには酷い目にあった。
  いいか、このジャケットを炭にされたくないならきちんと薬を飲めよ。
  その上で、たっぷりかわいがってやる」

そして賭博場に水瓶の「にゃー」という甘酸っぱい鳴き声が響く……。