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有名・特徴的な所(暫定)
東方ネタは下記参照
東方に関係ありそうな事柄(暫定)
★数多くの衛星・探査機を宇宙へ送り出した内之浦のMロケット発射台。写真はロケット組み立て棟で
内部に打ち上げ用のランチャーが格納されている。
(衛星打ち上げロケットをランチャーを使って斜め打ち上げを行う手法は世界でも珍しい)
★あかつきの不屈の旅路☆
「あかつき」は2010年12月7日に金星に到着予定だったが、金星周回軌道投入時に故障が発生し、必要な減速が得られず
金星を通過してしまい
金星周回軌道投入に失敗した。故障箇所はあかつきからのデータ分析と地上での実験の結果、
エンジンや燃料を送る配管など推進系である燃料タンクと酸化剤タンクの間の配管にあるCV-Fと呼ばれる逆止弁のシールの密閉が悪く、
燃料(ヒドラジン)と酸化剤(四酸化二窒素)のガスが混ざり、化学反応を起こした結果、生成物の硝酸ナトリウムが逆止弁に固着して閉塞。
燃料が規定量に押し出されなくなった為、燃料の供給異常が起きてエンジンの異常燃焼が発生しエンジンノズルが破損。軌道投入に失敗したという
推定が
2011年6月30日に発表された。
金星軌道投入失敗は悲劇であったが、幸いにも「あかつき」は現在の所観測機器にダメージはなく、燃料も再投入に必要な量が残っている。
2011年6月24~27日に搭載観測機器の一つである超高安定発振器(USO)を使い、
太陽観測衛星「ひので」と太陽の共同観測を実施。健在をアピールした。
現在、軌道上での試験を経て金星への再投入で使える手段を検討した上で、軌道修正を行い2015年11月に金星周回軌道への再投入を計画している。
決して諦めることなく、
未だに謎に包まれた金星の気象現象のメカニズム解明に挑んで欲しい。
その他にも
野心的な計画や構想が控えており、惑星・小惑星など人類未到の地があふれる太陽系探査に
挑む
JAXA/
ISASはある意味、日本で唯一冒険・探検を手がける国の研究機関とも言える。
特に宇宙科学研究本部(ISAS)と宇宙開発事業団(NASDA)を統合して出来た組織である
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の
英文名称はJapan Aerospace Exploration Agencyとなっており、組織名に“Exploration”【探検・探査】を掲げた
宇宙研究開発組織は世界的にも希である。組織名通りに諸外国に負ける事無く果敢に探査に挑んでもらいたい。
※世界最高性能の固体燃料ロケットであった
M-Ⅴ(ミューファイブ)ロケットの廃止で、大型科学衛星・惑星探査機を
打ち上げられる能力を持つロケットは国内には現在
H-ⅡAロケットしかない為、今後は大型の科学衛星・
惑星探査機打ち上げは
H-ⅡAロケットや海外のロケットに移行・委託する可能性がある。
M-Ⅴロケットの後継として
イプシロンロケット計画があるが、性能よりコスト低減を重視した設計で
M-Ⅴロケットと
比べ能力ダウンとなっている為、大型科学衛星・惑星探査機の打ち上げが可能かどうかは微妙である。
現在のところ、地球低軌道に1200㎏、太陽同期軌道(極軌道)に450㎏の打ち上げ能力となる予定である。
儚月抄では航海の神の住吉三神の力を使った「妖怪ロケット」で月へ向かったが、
我が日本の
ISASのロケットも幻想郷の「妖怪ロケット」と同様に、外の世界の力を借りる事なく
独力で宇宙への道を切り拓いていった。
ISASは先進国の宇宙機関としては予算も組織も遙かに小さいが、統合前から独創的な研究開発で
成果を上げており、他国の研究機関から一目置かれる存在である。
最近では金星探査機
「あかつき」と共に打ち上げられた小型ソーラー電力セイル実証機
「IKAROS」で
世界初の軌道上でのソーラーセイルの展開に成功し世界を驚かせた。その後、惑星間空間での太陽光子による
史上最大の加速を達成。長きに渡って理論とSFの世界だけで描かれていた宇宙帆船の技術が遂に現実の物となった。
地球帰還を目指し航行中の
「はやぶさ」も2010年6月13日の日本時間夜23時に地球大気圏に突入し消滅したが、
大気圏突入寸前にカプセルを分離、オーストラリアのウーメラ砂漠へ小惑星イトカワのサンプルが入っていると
思われるカプセルを投下した。カプセルは予定落下地点に誤差1㎞以内にパラシュートで着地し、精密誘導技術でも
驚嘆する技術を見せつけ、月よりも遠い天体への離着陸とサンプル採取と地球との往復は人類史上初の快挙として世界を驚かせた。
「はやぶさ」の帰還は日本の宇宙開発の偉業という枠を超え、人類の太陽系探査の新たな境地を切り拓いた。
米国や欧州なども
「はやぶさ」の成果に刺激され、新たに小惑星探査やサンプルリターンミッションを検討し始めたと言われる。
ISASが行う独創的な宇宙開発は今や世界中が驚き注目するレベルである。今後のミッションにも目が離せないだろう。
★
「はやぶさ」の
ラストショット
カプセルを分離し、地球大気圏突入寸前(運用終了40分前)に撮影した地球。画像下部が途切れているのは送信中に
地球の陰に入ってしまい太陽電池が使えなくなり(搭載している蓄電池は全て死んでいる)探査機の電源が断たれた為である。
残された最後の力を振り絞って撮影した地球の写真は
「はやぶさ」の苦難の旅を知る多くの人々に感動を与えた。
★「おつかいできた」
JAXAはカプセル回収以来、慎重に分析を進めた結果、2010年11月17日に
「はやぶさ」のカプセルからイトカワ由来の
微粒子がある事を
発表。正式に月以遠の天体に離着陸し試料を持ち帰った世界初の探査機となった。
ISASは現在
JAXAの一部門となったが、理学・宇宙工学を研究する部門としての立場は変わっていない。
特に世界的に見てミッションの費用対効果が並外れて高いと言われている。
最近の例だと小惑星探査機
「はやぶさ」の予算はおよそ200億円と言われ、探査機を使った工学実験と共に
小惑星探査とサンプルリターンを実施しているが、他国で同レベルのミッションを遂行しようとすれば、
最低でも二倍以上、ヘタをすると十倍の費用が掛かるのではないかとまで言われている。
ちなみに金額が近い他の物と比較すると、例えば映画だと「アルマゲドン」の制作費はおよそ200億円と
「はやぶさ」とほぼ同額。「タイタニック」はおよそ240億円となり、ハリウッド映画の大作より
「はやぶさ」の方が安いのだ。
2011年現在、米国は「はやぶさ」の成果に刺激され、類似の小惑星サンプルリターンミッション
「オシリス・レックス」計画を
推進中だが、その予算は「はやぶさ」のおよそ三倍の額である600億円を超えると試算されている。
~はやぶさの魂は継承されて、はやぶさ2へ~
2010年7月14日に開かれた
宇宙開発委員会に
JAXAは正式に
「はやぶさ2」は開発研究段階へ移行できる設計段階に到達したと
報告。つまり、構想から具体的計画に移せるという事だ。宇宙開発委員会で更に審査を受け
計画実施の承認が降りれば正式に政府に予算申請が出来る。しかし現在のところ政府が予算を承認するかどうかは
未知数である。打ち上げは目標天体の軌道の関係上2014年打ち上げを目標にしており、2011年4月から開発をスタートさせても
開発機関は3年程度しか無く、(宇宙機の開発はたいてい5~10年掛かる)予算的にも日程的にも大変厳しい状況である。
「はやぶさ2」の費用は一説では推定で270億円と言われている。打ち上げ機が
H-ⅡAロケットになった事と探査機の改良と
追加機能で価格が上昇した為だと言われている。(それでも他国よりはずっと安いと思われる)
先日7月16日の宇宙開発委員会 推進部会にて、はやぶさ2プロジェクトの事前評価が行われ、正式に具体的な探査機の
概要が明らかになった。
宇宙開発委員会の評価を元に文部科学省は2010年8月30日に
平成23年度予算概算要求としてはやぶさ後継機に29億8700万円
を計上した。
「はやぶさ2」は開発から運用終了まで約10年で総額で推定270億円ぐらいだと言われており、
計画初年度予算で約30億円交付されれば確実に探査機開発に着手できる金額と言われる。
文部科学省は世論の後押しもあり予算獲得に前向きだが政府の財政状況が厳しい折、実際の予算獲得には紆余曲折が予想され、
計画実現へなお予断を許さない状況であったが、2010年08月27日に開かれた内閣の
宇宙開発戦略本部会合に
おいて当面の宇宙政策の推進についての案が出され、その中の政策の一つに最先端科学・技術力の強化を挙げて
おり、具体例として、はやぶさ2が予定しているミッションを挙げて推進すると明言した。
政策案とはいえ政治の側が明確に推進を公に明言したのは初めての事であり、予算獲得の大きな力となった。
今回の件は一つの宇宙科学ミッションの構想が宇宙開発委員会での審議・検討を通して計画推進が決まるまでに
費やした日数としては史上最短と思われる。今や日本の宇宙開発史上かつて無いほど世論の支持を集めたはやぶさは、
日本国内だけでなく国際的にも多大な影響を与えた。米国は従来から進めていた月を中心とした探査計画から
火星や小惑星探査へ宇宙開発の軸足を移し、
「はやぶさ」と類似の探査計画の検討を始めた。
欧州も日本と組む事も視野に入れたサンプルリターンを伴う小惑星探査の検討を始め、ロシアも小惑星起源と
言われる火星の衛星フォボスからのサンプルリターンを目指す
「フォボス・グルント」計画を進めている。
小惑星探査とサンプルリターンという
「はやぶさ」が挙げた成果は大きな波となって世界の宇宙開発の潮流を
変えると同時に、意志決定が遅いと言われる日本の宇宙開発政策の流れすら変えた。
※特に人類史上初の小惑星からのサンプルリターンを狙った小惑星探査機
「はやぶさ」ミッション以降、
海外から共同研究・開発のオファーが殺到。その数あるオファーの中から
ヨーロッパの研究チームと組んで、
「はやぶさMk2/マルコ・ポーロ」ミッション計画が立ち上がっている。マルコ・ポーロの名で気が付くが、
約700年前に書かれた
「東方見聞録」の作者の名前で、当時のヨーロッパの人々に遙か遠い東方世界への興味を
大いに持たせ、後の大航海時代に繋がるきっかけを作った。
ヨーロッパの研究者たちは共同研究開発のパートナーとなった我が日本と太陽系で未知の領域である
小惑星探査に、海の果てにある伝説の東方の理想郷を意識しているのかもしれない。
※日本は他国と比べて効率のよい宇宙開発を行っていると言えば聞こえは良いが、それは裏を返せば、
予算が及ばない分を技術者・科学者が相当の無理をして格差を埋め合わせているという事でもある。
機体や部品のテストを省略したり、衛星・探査機ではロバスト性(トラブルに対する強健・頑丈さ)
が乏しい多機能詰め込み設計にしたりなど、他国では考えられない設計や運用方法に現れてしまう。
うまくいけば問題ないが、ひとたびトラブルが起きると取り返しが付かない事態に陥る可能性が高くなる。
しかし、予算が無い中で最大限の成果を上げようとするには多少無理をしても画期的な新技術を野心的に
取り入れて小型の衛星・探査機の能力を出せる極限まで引き上げるしかなく、長寿命・低燃費の
イオンエンジンや世界初のソーラーセイルなどの新技術を生み出す環境にもなっている側面がある。
JAXA名誉教授・技術参与の的川泰宣氏の
著書に依れば、「お金がありすぎるとそのお金は他人に仕事を
委譲する為に使われる。その際にはピンチに陥った時に絶妙のアイディアが湧出する程システムに通暁した
プロジェクトマネージャーを獲得する事はできないであろう」「どうしても他人に依頼しなければならない
場面だけお金の掛かる作業に入る。これが昔からの技術的態度である。節約、軽量化の懸命な努力の中で、
必死の冗長性の確保。これこそが「適当な貧乏」がもたらしてくれた知恵」「研究者とメーカーが対等な立場で
共にミッションの全てに携わった事で土壇場で創意工夫に溢れた「神業」と一見偶然のように見える「マジック」
を生み出す源泉となった」と評している。
※日本の宇宙開発は全般的に低予算という傾向があるが、他国と比べ予算が少なく、上でも書いたとおり
「貧乏故に」全てギリギリで全てをこなさなければならないという事の裏返しでもある。
世界とは一体どれぐらいの格差があるのかというと、ちなみに米国の
NASAは
JAXAのおよそ十倍。
ヨーロッパの
esaは三倍の予算規模と言われている。
それ以外に軍事費からも予算が流れる場合もあるので、実態はそれ以上の格差があるという。
しかしそれでもかつてよりはマシな方で、我が国の宇宙開発は
JAXAとして組織統合する前は、
宇宙科学研究本部(ISAS)と宇宙開発事業団(NASDA)の二つの組織で宇宙開発を行っており、当然予算も
それぞれ別立てである。この当時、宇宙科学研究本部(ISAS)は宇宙開発事業団(NASDA)の予算のおよそ
十分の一の予算規模で運営していた。もちろん、当時の宇宙開発事業団(NASDA)は現在の
JAXAよりも予算は少ない。
あまりにも貧しい予算事情に伴う研究開発環境の厳しさは察して知るべきだろう。
かつて
ISASの
内之浦宇宙空間観測所を
NASAの高官が視察に訪れた際に、建物は雨漏りしている状態で内部の機器類も
設立当初から使われているような物ばかりで、あまりにも老朽化した設備で運用しているのを見て、
「まるでマリリン・モンローがボロを着ているようだ」と(高いレベルの中の人と釣り合わないぐらい酷い設備を例えて)
驚いたという話があるという。
(組織統合した今でも宇宙科学分野に掛ける予算はさほど変わっていない。廃止された
M-Ⅴロケットの代替として、
H-ⅡAロケットが使えるようになった程度の改善で、別に実行出来るミッションが増えた訳ではない。)
厳しい予算事情の中、今日まで築き上げた海外からの高い評価は、我が国の技術者と科学者の底力の証である。
低予算でありながら、他国に引けを取らない成果を上げ続ける
JAXA/
ISASの研究開発スタイルに影響を受け、
米国の
NASAも
JAXA/
ISASに近い低予算で頻繁にミッションを実行して成果を上げるという
ディスカバリー計画を
立ち上げている。
(
NASAは
ディスカバリー計画を低予算ミッションと位置づけているが、予算規模が遙かに小さい
JAXA/
ISASから見ると、
とても高額なミッションであり、
NASAのようにとても頻繁に実施できるモノではない事に注意したい。)
※近年の海外の惑星探査で最も高額なミッションになったと言われる
NASAと
esaの共同ミッションの
土星探査機
「カッシーニ・ホイヘンス」は、およそ4千億円。ちなみに
JAXAの予算は2千億円程度。
共同とはいえ土星探査ミッションの費用だけで日本の宇宙開発予算の二倍を掛けているのである。
改めて他国の宇宙開発に掛ける情熱と途方も無いスケール差と彼我の越えられない壁を思い知らされる。
逆に
JAXA/
ISASのミッションは彼らから見たら信じがたい程の低予算に見えるはずである。
もう一つおまけで東方繋がりネタを一つ。
JAXA/
ISASが打ち上げた太陽観測衛星
「ひので」を共同で運用している
国立天文台が北米・欧州・日本が国際協力プロジェクトとして参画している大型電波望遠鏡計画
ALMA計画で日本が南米チリに設置する16基のアンテナ群を「十六夜(いざよい)」と命名した。
内之浦は日本の科学衛星の打ち上げ拠点。
1969年に旧・宇宙開発事業団(NASDA)の打ち上げ施設として開所し、実用衛星を中心とした打ち上げを担う。
旧・宇宙開発事業団(NASDA)のロケット開発は発足当時、純国産・独自開発ではあるが、高層大気観測や
地球低軌道に数10㎏程度の小型衛星打ち上げ能力しかないISASのロケットでは、需要・実用性のある大型・
静止軌道衛星を打ち上げる事が出来なかった。そこで一刻も早く独自に大型衛星を打ち上げる能力を持つという
目標故に、固体ロケット主体で何もかも自力開発だったISASとは対照的に、液体燃料ロケット主体の米国の
技術援助を受けて開発がスタートした。手始めに米国提供の
ソーデルタロケットをベースに、徐々に国産化率を
増やし、平行して大型化と独自技術の開発と導入を進め、1994年に
H-Ⅱロケットで、
悲願の純国産化を果たすと同時に、当時は米国のスペースシャトルでしか実用化されていなかった液体酸素・
液体水素を燃料とする二段燃焼サイクルの
メインエンジンの実用化も達成した。
現在、国の基幹ロケットとされている
H-ⅡAロケットは、純国産だが高コストという欠点のあった
H-Ⅱロケット
の設計を見直し、性能を向上させた上で燃料タンクなど海外の安い部品導入によって低コスト化を図った。
H-ⅡAロケットは一見、開発当初から一貫して目指してきた純国産化推進路線から退行したように見えるが、
純国産化できる技術がなければ、重要な戦略物資・技術であるロケット部品の海外調達は輸出国から足元を
見られておぼつかなかったであろう。肝となる技術はブラックボックスだった米国からの技術供与・ライセンス
生産からスタートし、自主開発・純国産の
H-Ⅱロケットに至るまで長年苦労して培ってきた技術力は
決して無駄にはなっていないのだ。
ちなみに、
H-ⅡAロケットの大型発展型である
H-ⅡBロケットは、
H-ⅡAロケットで使われている部品や設計を
なるべく流用する事によって、部品・開発コストの低減を図っているが、既存の部品が使えない
新規設計部分などは国産部品の採用が増えると言われている。
低コスト化と高性能を両立し、世界の衛星打ち上げ市場に参入できるきっかけとなった
H-ⅡAロケット
は、発展性を秘めたロケットで、さらなる大型化を目指した
H-ⅡBロケットへ進化した。
H-ⅡBロケットは、
国際宇宙ステーション(ISS)への物資輸送や複数の大型衛星同時打ち上げで活躍が見込まれており、
その初号機は2009年09月11日午前02時01分46秒に打ち上げられ、無事
HTVを軌道に乗せて打ち上げは成功した。
国内最大級のロケットの打ち上げ成功は、日本の宇宙開発の将来展望が大きく開ける第一歩となった。
H-ⅡBロケット初号機のペイロードである
HTVも2009年9月18日午前10時49分(日本時間)に
国際宇宙ステーション(ISS)の
ドッキングに成功。米国を始めとしたISS参加国から精密なドッキング技術なども含め高い評価を得た。
最近の事例では、金星探査機
「あかつき」打ち上げで
H-ⅡAロケットしては初めて惑星間空間へ探査機を打ち上げる
ミッションとなったが、この時同時にサブペイロードとして地球低軌道を周回する創価大学開発の
Negai☆"と
早稲田大学が開発した
WASEDA-SAT2と鹿児島大学が開発した大気水蒸気観測衛星
KSATの超小型衛星三基と、
金星探査機
「あかつき」を筆頭に金星へ向かう小型ソーラー電力セイル実証機
「IKAROS」と大学宇宙工学
コンソーシアムが開発した実験機
UNITEC-1の三基の宇宙機が搭載されていた。
地球周回軌道上で最初に超小型衛星三機を放出。続いて二段目LE-5Bエンジンの再点火能力をフルに生かし、
地球重力圏脱出に必要な
第二宇宙速度まで加速して、金星へ向かう軌道へ飛行し残りの三基を分離。
世界的にも珍しい地球周回軌道衛星と地球重力圏を脱出する探査機の同時打ち上げを実施し成功させた。
軌道投入性能も金星へ向かう
「あかつき」が、分離後に予定していた探査機単独で行う軌道修正をせずに済み、
打ち上げ当日の夜には
観測機器のチェックを行えたほど正確な軌道投入だった。
「あかつき」打ち上げで
H-ⅡAロケットは衛星打ち上げのみならず、惑星探査にも対応し十分性能を発揮できる
万能で高性能なロケットである事を証明した。
「あかつき」の成功に続き、2010年9月11日午後20時17分に準天頂衛星
「みちびき」の打ち上げに成功。
静止軌道や惑星間空間や極軌道ではなく
準天頂軌道への打ち上げは初めての事である。
※注意すべきは
H-ⅡBロケットで改良・強化されたのは1段目のみで、2段目は
HTV用フェアリング以外は、
コスト低減の為ベースとなっている
H-ⅡAロケットの2段目を流用しただけで手つかずである事だ。
見方を変えれば
H-ⅡBロケットは改良の余地が十分あるといえる。ロケットは上段になるほどその性能が
衛星・探査機の軌道投入精度など打ち上げ能力に大きく影響する為、2段目の性能向上を手がければ
H-ⅡBロケットと日本の将来の宇宙開発に更なる飛躍をもたらす可能性がある。
2段目の改良に関しては正式な発表という訳ではなさそうだが、2009年04月18日の
筑波宇宙センターの一般公開時に、
H-ⅡBロケットをベースにして、上段に有人宇宙船モジュールを取り付けた有人宇宙開発向けの改良型バージョンの構想を示した
パネルを展示していた。
しかし、
論文としては2008年に発表されており、将来構想は遙か以前より練られていたものと思われる。
ちなみに
HTVも船内気圧を一気圧に保った与圧区画を持った上に有人宇宙船並みの安全設計が施されており、
将来の有人宇宙船への発展性を考慮した設計となっている。
現在、2010年08月11日の宇宙開発委員会にて、HTVベースの大気圏再突入カプセル搭載型の宇宙船すなわち
回収機能付加型HTV-R
構想の検討状況を報告した。明確に将来の有人宇宙船化を意識した構想もあり、今後の宇宙開発委員会の判断に注目したい。
※日本の宇宙ステーション補給機は
HTVと呼ばれていたが、2010年8月27日~9月30日の間一般公募にて愛称を募集。
2010年11月11日に
「こうのとり」と発表された。
主力ロケットである、
H-ⅡAロケットも、現在ロケット建造と打ち上げ輸送サービス事業を展開している
三菱重工が、
第2段目に搭載されている電池の寿命を大幅に長くする事で稼働時間を長くし、現在二回だけの軌道上での
2段目エンジン点火を適時に複数回行う事で衛星軌道投入効率を最大限引き上げる改良を行う事を検討している。
(2段目エンジンLE-5Bの軌道上再々点火は
H-ⅡAロケット試験機2号機にて試験を行っている)
※副衛星「おきな」は2009年02月12日に月面に落下してミッションを完了。なお
「かぐや」の観測の成果は、
米国の権威ある科学誌「Science」の2009年02月13日発行の特別編集号にて4編の論文が掲載され、
撮影画像は表紙をも飾った。これは小惑星探査機
「はやぶさ」、太陽観測衛星
「ひので」以来の快挙である。
「外の世界」の
「かぐや」はニートどころか、よく働き人類の知見を広げている。
そして、2009年6月11日に
「かぐや」のミッションが終了し、約17ヶ月間運用して得た観測データは
2009年11月02日に
「かぐや(SELENE)データアーカイブ」として公開した。
儚月抄関連・儚月抄では中国の月探査機
「嫦娥」を危険視していたが、同時期に探査を行っている
月探査機である
JAXAの
「かぐや」は
「嫦娥」以上に高性能・直球なネーミングにも
関わらず、何故か物語中では
「かぐや」の存在には触れていない。
もう一つ東方に絡む事柄としては、2009年01月23日に温室効果ガス観測技術衛星GOSAT
「いぶき」を打ち上げた。
従来の機能フル装備の地球観測衛星と違って、部品点数を少なくした簡素な設計としながらも、
しかし大事な部品は二段構えで構成して冗長性を上げ故障に強い
「死なない衛星」造りを心がけたという。
(
JAXAは
「かぐや」「いぶき」と、素なのか意識して狙っているのか、一般公募にもかかわらず、
何故か東方キャラと被るネーミングが続いている。東方を意識するならば
「かぐや」は
何事もなく"里帰り"を果たし、
「いぶき」はその名の通り、鬼の如き強さで5年間の任務を
全うしてもらいたいものである。)
種子島は日本の宇宙開発の中心
候補キャラ
最終更新:2011年07月02日 03:19