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最終更新日時2011-10-10

■目次

無生物主語構文とは

定義1.主語が無生物の文。

この定義の課題

 この定義だけだと、そのまま日本語訳しても自然なものが多数含まれてしまう。
 自然に訳せてしまう例)The sun rises in the east.太陽は東から昇る。

日本語では無生物主語の他動詞文は不自然であるとか、座りが悪いということがよく言われるが、
実際には、タイプの数だけからみれば、無生物主語の可能な他動詞文は案外多い
引用元: 『アルテス リベラレス(岩手大学人文社会科学部紀要)』第72号 2003年6月pp43-54「視点と日本語の無生物主語」斎藤伸治

日本語で無生物主語が可能な文

▽補助動詞「~てくれる」を含む:(例)この本は有益な情報を提供してくれる。
▽自然現象他動詞文 :(例) 津波が海浜の部落を襲った。
▽道具他動詞文 :(例)白い布が机を覆っている
▽優位関係他動詞文 :(例)今回の提案はいくつかの問題を含んでいる。
▽場所他動詞文 :(例)川が町の中心を流れている。



定義2.主語:無生物、動詞:使役動詞、目的語:人

文法用語としての「無生物主語構文」は、無生物の主語をとっている構文全体というよりも、日本語にそのまま直訳すると不自然な表現となる(1)のような例に対してのみ用いるのが普通である。そしてその場合、西村(1998)も指摘するように、無生物主語構文の多くが(1)にみるようにmakeのような分析的使役動詞か、もしくは単なる行為だけでなく、その結果をもその意味範囲に含む語彙的使役動詞を述語とする文であると言える。 (1)This medicine will make you feel better.この薬を飲めばよくなります。
引用元: 『アルテス リベラレス(岩手大学人文社会学部紀要)』第68号 2001年6月 pp.83-93「無生物主語構文について」斎藤 伸治


定義2の補足

SV 人 from B

SV 人 to do

cause, enable, allow
cause, enable, allow A to do

SV 人 of B

remind, deprive
remind, deprive A of B

SV 人 B

cost, save, find
cost, save, find A B

SV 人 to B

主語:無生物、動詞:伝達系

tell「~を告げる」、say「~と言う」、inform「~を知らせる」 show「~を示す」、demonstrate「~を証明する」
伝達系の動詞とセットになった場合は、無生物主語に「~によると;~から;~によって」などを付け加えて副詞的に訳すとうまくいくことが多い



未整理

▽原因他動詞文 :(例)過度の野心が彼の寿命を縮めた
原因に相当する部分を副詞的に表現しなければならない場合の方が圧倒的に多い。
Hard work killed her father.
(直訳)過労が彼女の父親を殺した
(副詞的な訳)過労で彼女の父親は死んだ
参考元: 『アルテス リベラレス(岩手大学人文社会科学部紀要)』第72号 2003年6月pp43-54「視点と日本語の無生物主語」斎藤伸治





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