390 名前: 佐野×日向(日向×次籐??)  投稿日: 02/02/28 04:22 ID:3SBehMcU
    (WY編15巻「ワシの背中を使うタイ」を見て出来上がりました・・・)

    WYウルグアイ戦、突然手を繋いでフィールドを走る次籐と日向を見て佐野は絶句した。
    (な、なんだよ、あの二人!試合中に何してるんだよ!)

    嫉妬に燃える佐野ビジョンでは仲よくランデヴー☆に見えたかもしれないが、なんてことはない、
    空中では発射できない欠点のある雷獣シュートを次籐の背中で打てと言われ躊躇する日向を
    なんとしても自殺点の借りを返したい次籐がゴール前まで引っ張っていっただけのことなのである。

    ゴール前、ジャンプした次籐の背に向かい、日向がシュート体勢に入る!
    (まさか!そんなことしたら次籐さんが血まみれになるじゃないか!!)
    皆の予測に反して、日向は次籐の背中を利用し、さらに高くジャンプ!みごと降臨雷獣シュートを決めた。
    唖然とする次籐に振り向き、親指を立ててウインクする日向。
    次籐の険しい表情が、安心したような笑顔に変わるのを見て佐野はなんともいえない気持ちになった。
    (…あんな顔、俺には見せたことが無いくせに…)


    ウルグアイ戦を勝利し、宿舎に戻った全日本ユース。皆勝利の味に酔いしれ、ワイワイと楽しく談笑していた。
    ただその中で佐野だけが煮え切らない気持ちを抱えてイライラしていた。
    いつも一緒に食事を取っているのに、今日はウルグアイ戦の話が盛り上がっているのか、
    次籐は日向とそのまま喋りながら同じ席についてしまった。
    (どうしてアイツと一緒なんだよ…)
    もはや先輩のことも「アイツ」呼ばわりの佐野であった。


391 名前: 佐野×日向(日向×次籐??) 投稿日: 02/02/28 04:27 ID:3SBehMcU
    「おい佐野!ココ空いてるぜ!」
    すかさず次籐の隣をキープしようとした時、タイミング悪く新田に声を掛けられた。
    「何ぼーっと突っ立ってんだよ!座れってば!」
    強引に椅子に座らされ、トレイの味噌汁が飛び散る。
    「おっと、ゴメン。でもオマエがボーっとしてるから悪いんだぜっ!
    それよか今日の試合のオレ、どうだった?シュートはさすがに決めれなかったけどよ!
    火野のシュート、あんなの反則だよな!オレあんときブロックして……」

    興奮気味に話し掛けてくる新田の言葉も耳に入らない。じっと2つ向こうのテーブルを見つめる。
    日向たちと同席しているタケシが何か言うたびに笑い声が起こる。
    次籐の笑顔が目に映るたびに胸がチクリと痛む。

    そんな佐野の視線に気付いた反町がくすりと笑う。
    佐野は慌てて視線を逸らすが、どうしても目の端で次籐の様子をうかがってしまう。

    「オマエ、ボーっとしてないで俺の話を聞けよなぁ~!」
    「ああ…ゴメン」
    「ちゃんとメシ食えよなー、そんなんだからチビのまんまなんだぜ。」
    「チビにチビって言われたかねーよ。」

    食事を終えた次籐たちが席を立つ。そのまま食堂を後にするようだ。
    「佐野、食わないんだったらオレが食ってやる。よこせ。」
    とりあえず新田の頭をぶん殴って、すくっと立ち上がり次籐たちの後を追う。



392 名前: 佐野×日向(日向×次籐??) 投稿日: 02/02/28 04:28 ID:3SBehMcU
    「ちゃんと見張っとかないと取られちゃうよ♪」
    すれ違いざま、反町が冗談めかしに声を掛けてくる。
    佐野はカッと赤くなり、反町を睨み付けた。
    「そんなんじゃないです…!」
    くるっと踵を返して食堂を後にする佐野。

    「あんまりからかってやるなよ。」
    その様子を見ていた井沢が反町の肩に手を掛け、佐野の後姿に目をやる。

    「かわいいよな。すげー次籐のことが好きなんだ、アイツ。」
    「もっと日向さんも気をまわしてやればいいのにな~。別に次籐のこと狙ってるってわけでもないんだし。」
    「日向×次籐か…それはさすがに無いよな(汗)
    …つーか気を回すなんて芸当、日向に出来るわけないっしょ。」
    「いえてる。」


393 名前: 佐野×日向(日向×次籐??) 投稿日: 02/02/28 04:30 ID:3SBehMcU
    次籐の行方を見失った佐野は仕方がなしに部屋に戻っていた。
    (…遅い!…一体何してんだよ……)
    すぐに戻ってきて欲しいのに、なかなか次籐は戻って来ない。
    「あー、疲れたタイ」
    腰をトントンと叩きながら、次籐が部屋に戻ってきたのはそれから3時間も後のことであった。

    「何してたんですか(怒)」
    「ん?日向と(今日の雷獣シュートの)合体技の練習タイ」
    (合体!!!?)
    「日向のヤツがなかなか離してくれんで(ジャンプしすぎて)腰が痛いタイ」
    (次籐さんが受??!!!)
    「そのあと、(皆と)一緒に風呂に入ったタイ」
    (お風呂プレイ???!!!!!!)
    佐野の脳裏に石鹸の泡まみれで組んづほぐれつ
    ☆凹凸しちゃったり□△×しちゃってる次籐と日向の様子が浮かぶ。
    (ゆっ許すまじ!!日向小次郎!!!!)

    「お、間違えて日向のパンツを持ってきたタイ」
    佐野の目がギラリと光り、次籐の手から青いトランクスを引ったくった。
    「これ…オレが届けてきます…」
    「ん?じゃあ頼むタイ。」


394 名前: 佐野×日向(日向×次籐??) 投稿日: 02/02/28 04:33 ID:3SBehMcU
    トントン……ノックの音が廊下に響く。

    「日向さん…佐野です…」
    「おう、開いてるぞ。なんだ?」
    「次籐さんからコレ…預かってきました…」
    「お、ありがとよ。」
    日向ののん気な顔を見ていると、佐野の中に新たなる思いが巻き起こる。
    この人をめちゃくちゃにしてやりたい、そんな衝動が――――
    (次籐さんをよくも…!!!)

    「ん?どうした?」
    うつむいたまま立ち去ろうとはしない佐野を不信に思う日向。
    様子を伺おうと佐野に近づいたその瞬間、ジャンプしてきた佐野に飛びつかれベットに倒れこんだ!




395 名前: 佐野×日向(日向×次籐??) 投稿日: 02/02/28 04:34 ID:3SBehMcU
    「な?!!なにしやがるっ?!」
    佐野はすかさず日向のTシャツの中に潜り込む。
    「うわっっ!ばかやろぅ!Tシャツが伸びるじゃねーか!!やめ……うぅっっ!」
    ゴソゴソとTシャツの中でアレコレする佐野に日向は太刀打ちできないようだ。
    「感じてるんですか?」
    Tシャツの襟首からぴょこっと顔を出した佐野は意地悪そうな微笑をたたえ、日向を見る。
    恥ずかしさのあまり日向の褐色の肌が赤く染まる。
    1つのTシャツを2人で着ている状態なので密着度は物凄い。佐野にも日向の体温の高まりが伝わる。

    「よくも次籐さんを○×△したり、%&#したりしてくれましたね…もう許しませんから…覚悟しておいてください……!!」
     そんなことするかっっ!!誤解だっ!! そう言葉にする前に強引に口を塞がれた。
    佐野の舌が口内を這いまわり、日向の力が抜ける。
    (う・・・こいつなかなか…いや…そんなこと考えてる場合じゃねェ…いや…しかし…これは……)
    佐野は器用に足で日向のジャージとパンツを脱がせにかかる。
    さすがにヤバイと思ったのか日向は暴れまわるが、体を上下させようが左右に振ろうが、ピッタリと張り付いた佐野は離れない。
    (くそっ!!あんまり強引にひっぺがえすとシャツが破けちまうじゃねーか!!!)
    躊躇する日向に佐野は抜け目なく股間への刺激を加える。

    「さっきしたばかりなのに元気ですね、日向さん。」
    佐野の童顔が日向に前に突きつけられる。ニヤリと笑う佐野、だが、長いマツゲの奥の目は笑っていない。


396 名前: 佐野×日向(日向×次籐??) 投稿日: 02/02/28 04:36 ID:3SBehMcU
    「次籐さんとはどんなことしたんですか?」
    「ココをこうしたり」
    「うあっ!」
    「ココをこんなんしちゃったり」
    「ぐおっっ!!」
    「ココをこうやってああやって△○×したりしたんですか??!!!次籐さんと!!!!」

    佐野の巧みなテク―――かわいい顔と激しい攻めのギャップに日向は翻弄される。
    しかしながらあまりにも佐野が次籐次籐と言うので、否応無しに自分と次籐の濡れ場を想像してしまう。
    (き、気持ちわりィ……)
    元気いっぱいだった日向自身がヘナヘナと萎え落ちる。
    「攻められるのは苦手なんですか?…でも容赦しませんよ…」
    Tシャツの中に入ったまま、佐野は日向を後ろ向きにして腰をつかむ。
    「うわっ?!!テメェ!やめろ!イテテテッッッ!!」
    「容赦しないって言ったでしょう……観念しなよ!日向さん…!!」
    うなじにキスされた日向が一瞬力を抜いた隙に佐野は腰を突き上げた。
    「ウギァァアアアア!!!」
    部屋中に響き渡る叫び声。しかしながら佐野が絶頂を迎える頃にはそれは嬌声へと変化していた。


397 名前: 佐野×日向(日向×次籐??) 投稿日: 02/02/28 04:43 ID:3SBehMcU
    コホン……静かな部屋に咳払いが一つ響き渡る。

    ハッとして振り向くと、そこには日向と同室の反町の姿。
    「君ら、俺の存在忘れてない?」
    (そういやこいつ部屋のシャワー使ってたんだっけ……ってか見てないで止めろっ!!)
    日向は寝転んだままギラリと反町を睨みつける。
    「俺も参加したほうが良かったですか、日向さん?
     結構楽しんでたように見えましたけどね♪…っとそれより佐野…」
    佐野は自分の名を呼ばれてビクッとする。
    「嫉妬してこんなことするより、直接本人にいったほうがいいんじゃない?」
    「……」
    「今ごろ誰かに犯られちゃってるかもよ♪」
    慌てて服を着て部屋から飛び出す佐野。その後姿を見て反町はフゥとため息を漏らす。
    そしていまだ自分を睨み付けている日向に向かって振り返る。

    「そうそう、日向さん、いつから次籐とデキてたんですか?(ニヤリ」



398 名前: 佐野×日向(日向×次籐??) 投稿日: 02/02/28 05:22 ID:3SBehMcU
    「随分遅かったタイ」
    「待っててくれたんですか?」
    「明日も早いし早く寝るタイ。」
    なんだかたまらない…涙が出そうになる。
    「ちょっと出てきます…」
    「ワシはもう寝るタイ。おやすみ。」
    涙を見られないように顔を伏せて外に飛び出す。
    どこに行こう…そう考えているとグゥーっと腹が鳴った。
    そういや夕飯ほとんど食べていなかったっけ――――涙を拭きながら食堂に向かう。

    ???
    食堂には握り飯をほおばる新田とハチマキを締めて白ご飯と格闘中の松山の姿。
    「おい!おまえも腹減ったのか?!」
    新田…ゴハン粒飛ばすなよ・…
    「ちょうどいい、よし!食え!」
    握り飯と味噌汁を差し出す松山。勧められるがままにお椀に口をつける。
    ちょっと涙の味がする…しょっぱいや…けどあったかい…
    「美味いか??」
    「松山さん、ちょっと塩かけすぎですよ!」
    「うるせェ、おまえに聞いてねェ!」

    腹がいっぱいになって落ち着くと、つくづくバカなことしたなあと思えてくる。
    明日日向さんに謝ろう…


399 名前: 佐野×日向(日向×次籐??) 投稿日: 02/02/28 05:40 ID:3SBehMcU
    ―――――次の日
    「おい、佐野。」

    いきなり日向に声をかけられてビクッとなる佐野。
    「…あの…その…次籐とは上手くいったのか?」
    意外にも優しい口調に驚いて佐野は日向を見上げる。
    「昨日のことは気にしてねェ…と言えばうそになるが、まぁ忘れてやってもいい…ただし……」
    「Tシャツの弁償はしろよ!!!」
    襟首がダルダルになって着れやしねェ、とぼやく日向を唖然として見つめる佐野。

    「わかったな!!」

    佐野はクスっと笑って答えた。
    「はい!すみませんでした!」


    ――――――日向の元に「猛虎」とプリントされたTシャツが届いたのはWY終了後のことである (終)

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最終更新:2009年05月02日 11:16