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709 名前: 新田×佐野×新田 1  投稿日: 02/03/30 13:42 ID:MAFybLD8
    需要は無くても供給はある。というわけで、二人のゆりなお話です。

    「一年間のレンタル移籍とはいえ、柏へようこそっ!」
    「かんぱーい!」
    ここは柏市にある新田のマンション。新田をはじめとする5、6人のレイソルの
    選手が集まっている。主賓である佐野は身体を縮めるように正座して、ちびちび
    とビールを飲んでいる。
    「ほら、固くならずにもっと飲めって!!」
    佐野がグラスを空にするたび、新たにビールが注がれる。新田もかなり飲み、騒いで
    いたが、ふと、隣で飲んでいる佐野の様子がおかしいことに気づく。
    佐野は膝の上でこぶしを握りしめている。その上に、ぱたぱたっと涙が落ちた。
    「わりい、先輩たち。こいつ酔って気分悪いみたいなんで、そろそろお開き」
    まだ騒ぎ足りない様子の選手たちを何とか玄関から追い出して、佐野のもとへ戻る。
    佐野は声を殺して泣いていた。隠れてよく見えない前髪の下の目からは、後から
    後から涙があふれていた。
    「おい、いったいどうしたんだよ、お前……泣き上戸なのか?」
    「……そうみたい。自分でも知らなかったけど。こんなに飲んだの初めてだから」
    「とにかく、何か悲しいことがあるなら、愚痴っちまいなよ。聞いてやるから」
    「……う……さん……に」
    「何だって?もっとはっきり言わなきゃ聞こえない」
    「次藤さんに会えない。一年も。それにもしかしたら、このまま正式に移籍って
    ことにならないとも限らない」
    ぱたぱたっ、と再び佐野の膝に涙が落ちた。



710 名前: 新田×佐野×新田 2 投稿日: 02/03/30 13:43 ID:MAFybLD8
    「会えないったって……そりゃしょーがねーじゃん。プロの選手なら移籍はあたりまえ。
    それに、お前は一年立てばアビスパに帰れるんだから」
    「一年も……一年も離れていられない!次藤さんに好きな人が出来ちゃうかも知れない。
    それを見張ってもいられない」
    「おいおい、見張るって……ほんとに、見張ってたのか」
    「見張ってた。次藤さんがほかの人を好きにならないように。オフの日は必ず映画や
    ドライブや遊園地や散歩や、それから……絶対、連れ出してたんだ、他の人とデート
    する暇が出来ないように。合コンの時だって、次藤さんと女の子が二人きりにならない
    ように気をつけてた。二人きりになったら、話にわりこんでいった。でも、今日からは
    それも出来ない」
    「ちょっとお前それ……」
    ストーカーっぽいじゃん、という言葉を、新田は飲み込む。
    「大丈夫だよ、俺が言うのも何だけど、次藤さんそんなにはモテないって」
    「そんなことない!次藤さん、大人だし、優しいし、絶対もてる。次藤さんは……」



711 名前: 新田×佐野×新田 3 投稿日: 02/03/30 13:44 ID:MAFybLD8
    新田は佐野の顎を掴んだ。自分の方へ顔を向けさせる。涙で少し腫れた、大きな瞳が
    見えた。
    「今から『次藤さん』っていうの禁止な」
    まず、濡れた睫毛の先に口づける。それから唇へ。佐野は少し体をかたくしたが、逆ら
    わなかった。うなじにキスしながら、シャツのボタンに手をかける。シャツを脱がせて
    しまうと、華奢な体が露わになる。その時、佐野が動いた。自分の方から新田の唇に唇を
    合わせて、それから新田の耳に口づける。慣れない刺激に、新田はびくっと体を震わせた。
    佐野も、新田のシャツのボタンを一つずつ外していった。
    リビングの床の上で、いつしか二人は裸になっていた。互いの体に、二人はキスの雨を
    降らせる。佐野はつぶやくように言う。
    「新田……新田って綺麗だね……身体も、顔も……」
    「馬鹿……お前だってそうだよ……こんな細い腕……人形みてえ」



712 名前: 新田×佐野×新田 4 投稿日: 02/03/30 13:45 ID:MAFybLD8
    やがて、新田は、佐野の張りつめた部分に手を伸ばし、先端にそっと口づけた。
    佐野は、今までにないほど大きく震える。そのまま新田は佐野のその部分を口に含んだ。
    もう充分に感じやすくなっていたそこは、他愛のない愛撫であっけなく精を放った。
    もう一度新田は佐野を見る。先ほどまでの涙が嘘のように、頬を赤らめ、伏せがちな瞳は
    新田の初めて見る妖艶さをはなっていた。
    「新田……俺も、新田にしてあげる……」
    佐野はもう一度うなじから胸の突起、脇腹へと舌を滑らせ、充分固くなった新田のそれに
    まず手で刺激をくわえる。そして、先程の新田と同じように、舌を使い、唇を使い、新田を
    追いつめてゆく。
    「……くっ……!」
    新田は、佐野の口の中で果てた。佐野の喉がごくりと動く。リビングのあかるい照明の
    下で、二人の少年のような身体が白く照り映えていた。

715 名前: 新田×佐野×新田 5  投稿日: 02/03/30 13:50 ID:MAFybLD8
    「どうだ、少しは落ち着いたか?」
    新田は佐野に尋ねる。
    「一年間、次藤さんのこと、信じて待てるか?」
    「うん……さっきはちょっとアルコールが回って興奮してたみたい。馬鹿だな、俺。
    はっきし言ってストーカーだよな。次藤さんは、『一年間、待ってる』っていって
    くれてたのに」
    「何だ、お前ら、両想いなんじゃねえの?」
    「そうかな」
    佐野はぱっと顔を赤らめた。
    「あーあ、何だか俺、馬鹿みてえ」
    「そんなことないよ、新田、ありがと。俺の迷いを吹き飛ばしてくれて」
    佐野は新田の頬に軽くキスをした。新田は赤面を隠すように床から起きあがる。
    「あー、酔いがすっかりさめちまった。もう一回飲むか」
    「あ、俺も俺も」
    「お前はダメ!」
    夜は静かにふけていった。