オーグリア

オーグリア(英:Augrea)は、『ここだけファンタジー世界』に登場する架空の女神。農業の創始者とされており、同時に農村の守護神でもある。このため、農業従事者や農村住民に深く信仰されている。多くの農民はオーグリアと同時に、自身が育てる作物に対応する下級神を崇める。これらの下級神は多くオーグリアの子とされる。



神話


誕生

天空神話の語るところによると、オーグリアは父なる天空と母なる大地の間に生まれたとされる。生まれたばかりのオーグリアには豊かな髪が生えており(一説には別の場所の体毛とも)、オーグリアが司る大地は植物が繁栄する事が確約されていた。
オーグリアが本来どの地域を守護することになっていたかは諸説あるが、最終的には後述するように農地全ての守護神となった。各地の「オーグリア本来の守護地」という主張にはいずれも根拠はなく、住民が一層の加護を得ようと勝手に名乗ったものであるという見方が強い[ 1 ]

神々の大戦

光の神々と闇の神々の関係がいよいよ険悪になり、後に神々の大戦と呼ばれる戦いが始まると、両者の領域の中間にあった大地はその余波で幾度となく破壊された。大地の神々はある者は光に与し、またある者は闇に与したが、オーグリアはいずれにも属さず、草原の神から土地の一部を奪い取ると、そこを中立地帯として他の神を排斥した。

農業の発明

オーグリアの暴挙に草原の神は怒り、草原で生まれる恵みをオーグリアに提供するのを拒んだため、オーグリアは糧を得られず困り、草原の神の見よう見まねで大地に生えた草を育て始めた。
オーグリアは自身の土地に篭ったため、じきに排泄物が溜まった。するとオーグリアは、排泄物が溜まると草の成長が良くなることを発見した。また、土地の中の限りある資源を活用するため、有益な植物のみを見繕い、それらのみを育てることを考案した。
これがここだけファンタジー世界における農業の始まりであり、以降オーグリアは農業を司る女神とされている。


性格


元来内向的な傾向のある大地の神々の中においても、特に閉鎖的であるとされる。特に、外界からの悪しき干渉が自身の領域に及ぶ際には、激しく抵抗する。一方で、各種の作物の神など、自身の庇護下にある相手には過保護とも言えるほどの強い愛情を注ぐ。
このような性格付けは、人間が村落という共同体を守りながら農業を行ってゆくさまを象徴したものであり、また、農業の発展によって農作物が原種とは隔絶された環境において品種改良され次第に野生での生存能力を失ってゆくさまを、過保護な親の元で自立能力が育たぬまま成長する子供になぞらえたものと考えられる[要出典]


信仰


ごく一部の例外[ 2 ]を除けば、程度の差こそあれ農業従事者は必ずオーグリアを信仰しているとみてよい。特に、都市部から離れた山村等、外部への救援要請が困難な地域ほど、強く信仰される傾向がある。
オーグリアを信仰する地域には必ず1つ以上の社があり、少ない場合でも季節の要所で、多い場合には毎日の作業前と作業後に、オーグリアに祈りを捧げる。オーグリアは、このようにして捧げられた魔力を農作物の成長や外敵からの防護のために用いるものと考えられている。
また、春の種蒔き前や秋の収穫後に祭りを執り行い、オーグリアを中心とした神々を称える地域も広範囲に渡る。

以上のように、オーグリア信仰は広い地域において生活の軸となっているにも関わらず、オーグリア本人の精神性は必ずしも社会における模範とされていないことは、特筆すべき点と言える。これは、前述の通り内向的なオーグリアを社会の構成員が模倣してしまうと、社会が立ち行かなくなってしまうためである。反面、外敵を封じ、身内を助ける姿は、村社会そのもののあり方としては模範であるという考え方が浸透している。

一部の地域では、わが子(農作物)を外界から守り抜くオーグリアを象徴し、特別に選ばれた子供を社から一切外に出さずに巫(かんなぎ)として育てる風習がある。それらの地域を含む大部分の地域では人権の観念が十分に発達しておらず、このことが子供の人権問題として持ち上がることはない。

聖印

農業そのものを表す一本の柱を、播種・生育・収穫[ 3 ]のサイクルを表す3本の矢印が正三角形状に並んで取り囲むデザインになっている。
オーグリアの聖印は農業のサイクルだけではなく、農耕によって得られた食品が排泄物となり、それが神話が語るように再び農耕に回されるという生産・消費・排泄のサイクルも示すものと考えられており、排泄物を利用する施設などでもこの聖印は散見される。
この聖印を刻んだマジックアイテムとして、『オーグリアの尿瓶』と呼ばれる、そのままでは飲用に適さない尿などの水分を浄化する1~2リットル程度の容量の尿瓶状の品が手に入るが、必ずしもオーグリアの加護によるものではなく、大抵は純粋に魔術的に製造された品である。

信仰の形態

“農地の主”

農家らによる、最も一般的なオーグリア信仰。オーグリアの、農地の守護神としての側面を主に信仰する。
農地の真なる所有者はオーグリアであるとし、収穫祭を行って収穫物の一部をオーグリアに捧げる。
神聖武器は鍬と鎌。

“共同体の結び目”

農村の指導者階級に信仰されることが多い形態。オーグリアの身内思考の側面を信仰する。
1本の棒と3本の縄で聖印を作成し、同様にして作った鞭を神聖武器として用い、掟を破ったものへの刑罰に用いる。

西方諸国以外の文化での信仰

倭国

世界に食料を供給すると言われる神々の厨房、天小厨(あまのおぐりや)として信仰される。
この厨房で働く神々は職人気質で、決して他の者を厨房に入れさせようとしないが、その腕は神々の中でも特に秀でているという。
西方におけるオーグリアとその下級神を1つの厨房の料理人として理解したものと見做されている[誰に?]


他の神々との関係


友好神・下位神


敵対神

  • 草原の神


脚注


  1. ^ 大魔女バーバラ『民俗篇
  2. ^ 南方国家では、ガラス張りの温室と内燃機関による廃熱を利用して人工的に植物の育成を管理する温室栽培の研究も行われていた。
  3. ^ 三圃式農業の冬穀・夏穀・休耕を示すとされる事もあるが、三圃式農業の発明は神話時代よりも後であるため誤り。

関連項目


タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2011年04月13日 22:55