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---- ・[[リレー小説1]] ・[[リレー小説2]] ・[[リレー小説4]] ・[[リレー小説5]] ・[[リレー小説6]] ・[[リレー小説関連コメントページ]] ----  26話現在の現在位置票 1.神社        霊夢 2.プリズムリバー家  ○○&プリズムリバー3姉妹 3.魔法の森      DY&あお 4.霧の湖       ⑨&チルノ 5.アリスの家     CAST.er&アリス 6.幻想郷のはしっこ  狐ノ連 篠秋 大妖精 BBRC&文 7.魔界        ロリス*3 神綺 8.人里        WATA&パルシィ 八雲紫            魔理沙             外来人in無縁塚&なおきん 9.彼岸        ぞうちんちん&映姫&小町 ?          魔理沙&きーご レミリア  ?          鈴仙とウサ鍋 *第27話 第一次アリス大戦勃発 第27話担当[[(・3・)]] #region(close) ここは人間の里、その名のとおり幻想郷の人間が集まる里である 一般人などを中心に形成されている集落であり 中は平和な町並みそのものである。 今日も何事も無く日が暮れようとしていた… そんな里の路地裏でなぜか幼女に押し倒されそうな弱々しい男が1人 そう、言わずと知れた無縁塚だ。 (お、落ち着けけけけけっ…まだ慌てるような時間じゃじゃまるるるるっ!) すでに全然落ち着いてないがそれも無理はない。 押し倒そうとしている幼女は見た目は可愛らしいのになぜか 下半身の一部が大いにエレクトリカルパレードしているからだ。 「アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス  アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス  アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス  アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス  アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリスタンキモチイイ…」 すでに目が逝ってる幼女なおきんは無縁塚の一部にロックオンしており このままでは大事なものを散らしてしまうのも時間の問題だった。 「お…落ち着きましょうよ、俺はアリスじゃないですよ  ついでに言うならアリスは俺の嫁でして…。」 この男、この状況で余計な一言を付け加えるあたり余裕がありそうである それともただのバカなのだろうか? ピクッ 「…」「…」 **「アリスハオレノヨメエェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!] 「ギャアァ━犯される━━(゚Д゚|||)━━!! 助けてアリスー!!」 そんな都合よくアリスが助けに来るわけはないが 思わず叫ばずにはいられなかった。 しかしそんな心の底からの魂の叫びが奇跡を呼んだ! ??「待てーい!」 キラキラリーン☆ (えっ、ひょっとして誰かが助けに来てくれた!?  アリスに助けて貰いたかったけどこの際妥協しておこう!) そんな自分勝手な考えを浮かべたが、それは次の瞬間砕け散った。          ∧ ∧         (・∀ ・) < アリスと聞いて飛んできました!          ノ(  )ヽ          <ω>          DY アリスの元に向かっていたはずの 新たなる変態の登場であった…。 場所:【人間の里/1日目・夕方】 名前:無縁塚、なおきん、DY 備考:あおさんの情報はでたらめだった #endregion *第28話 脱兎 第28話担当[[BBRC]] #region(close) 幻想卿に存在する竹林 迷いの竹林とも呼ばれている場所 そこではいつも通りと思われる展開が繰り広げられていた 竹林内に脱走したてゐを優曇華が探している光景である 「まったく、てゐは何処にいるのかしら?  またお師匠様に叱られるじゃないの」 てゐが逃げられないように竹林の波長をいじっている あとは逃げ続けるてゐを探すだけだった 「てゐったらまた逃げ出して……ブツブツ」 とか優曇華が一人愚痴をこぼしていたら影を見つける 「いた!」 優曇華がその影に向かって走り出す 影も追いかけられていることに気づいたのだろう 影は逃げ始めた が、影はすぐ竹にぶつかり倒れ込んでしまう 追いついた優曇華が見たのは仰向けに倒れている妖怪兎だった やっと捕まえた…そう思っていた優曇華だったが 近づいてみたらその安堵は違っていたことに気づく 「てゐじゃない…?」 とりあえず倒れているのを見捨てるのも気が引けるので てゐ捜索は諦め、この妖怪兎を連れて帰ることにした 余談ではあるが妖怪兎の寝言を聞いて優曇華はすこぶる不機嫌になっていた 何故ならその寝言はこうだったからである 「鈴仙とウサ鍋……」 場所:【竹林/1日目・昼】 名前:ウサ鍋 優曇華 備考:幻想入り+ウサ耳ですよー #endregion *第29話 紅魔のお寿司屋さん 第29話担当[[⑨]] #region(close) 幻想郷に海鮮寿司は存在しない。 まぁ厳密には存在するのだが海のない幻想郷で海鮮寿司を見るのは非常に稀だろう。 それこそ八雲紫に頼み海産物を貰えるよう頼まない限り。 ◆◆◆ 「美味しいわね」  紅魔館では寿司パーティが行われていた。  主であるレミリアが外出中なのもお構いなしである。  門番の美鈴、本来図書館に籠ってるパチュリー、幽閉されているはずのフラン、仕事で忙しいはずの咲夜、そして妖精メイド。  紅魔館に住む者の大多数が寿司――まぁ寿司といってもチラシ寿司をだが堪能していた。 「外世界には興味的な食べ物があるみたいですね」 「咲夜ーおかわりー」 「はい、妹様。どうぞ。」  パチュリーの感想に美鈴が返し。フランは無邪気にチラシ寿司を食べる。咲夜はフランの笑顔を見ながら微笑みを浮かべる。  みんなしてレミリアの存在を忘れているんじゃないだろうかというレベルである。  もっとも紅魔館で寿司パーティが始まる原因となる存在が現れたのがレミリアが外出した直後だったので仕方ないのだろうが。  紅魔館に現れた外来人は咲夜が立つ厨房に突如として現れた。  現れた拍子に咲夜が付くっていた料理を全て床にぶちまけてしまったのだ。  咲夜はそれを見て突如として現れた侵入者にナイフを投げたのだがまぁそれは別の話。  その現れた外来人は物陰に隠れながら自分が料理を作るから!!ということで説得を試みたのだった。  咲夜もぶちまけた分の料理全てを作ってくれるならということでそれを認め(まずかったら排除するとか脅したらしい)他の仕事に戻った。  そして外来人が作った料理がチラシ寿司だったわけだがこれが咲夜におおうけし大量に作ることとなったのだ。  もちろん大量のチラシ寿司が短時間で作れるはずはないのでその大部分は咲夜が止めた時の中で作ることとなったのだが。  それが紅魔の面々にも大好評でこうして一大パーティが始まったのだ。 「しかし”あるえすし”とは珍しい名前……」  パチュリーが寿司を口に運びながらその外来人の名を呼ぶ。  そう、幻想入りしたVIP雀士はRSC、酔っ払い配信のある時である。 「いえいえ、そんな珍しい名前ではないですよ。」 「酒臭い……」   口調はしっかりとしているがかなり酒臭い。  酒をガンガン飲んでいる最中にここに連れてこられチラシ寿司を作っている間も飲み続けていたので当然だが。  どう考えてもありえない量を飲んでいるしそれだけ飲んでいればどうしようもないほどに酔っぱらいそうなものであるがそんな様子は見られなかった。  結論から言うとRSCが持つ能力の所為である。彼がが持つ能力は”酒気を操る程度の能力”  自身が酔っぱらうのも素でいるのも思いのまま、ついでにあまり離れ過ぎていないなら自身の周囲にいる人間を酔わせたりすることもできる。  まぁそんな能力は今どうでもいいとして紅魔の寿司パーティの熱気は最高潮に達していた。  パーティということで当然酒もふるまわれるし酔っ払って芸を始めるメイド妖精もいる。  RSCも調子に乗って裏で能力をつかい酔わせるのに一役買っていたり。 「ちょっと動いてみて」 「はい?」  パチュリーはその芸を笑いながら見るRSCに言う。  意味が分からないような顔をしたRSCだったが素直に軽く動く。 「こんどは止まってみて」  RSCは動きを止める。  パチュリーはそのRSCをジッと見つめる。  なにか流れのようなものを見つけるようにして。 「あるえすしー!こっちにきてー」 「いまいきますよー」  フランがRSCを呼ぶ。  RSCはパチュリーに頭を下げフランの方へと向かった。  あとに残ったのはパチュリーだけ。 「あるえすしが動くとそこの結界がゆがむ……」  パチュリーはフランのもとへゆくRSCの周りの流れを確かめるようにしながら呟く。 「なにかまた異変が起きようとしているのかしら、でもまだいいわよね」  そうしてパチュリーもまた、チラシ寿司に下鼓を打った。 ◆◆◆ 「中でなにか大騒ぎしてるけど本当に入っていいのかな……?」  男は呟いた。  場所は紅魔館の門の前。現在は出入り自由であると掲げてあるが一歩その中に踏み込む勇気が出ないのであった。 「求聞史記だと紅魔館は幻想郷の住人には友好的ってあったけど俺は外来人だし……」  男の名前はまだら、彼もまたVIP雀士である。  紫を愛する人物。 「どうしようかなぁ……」  まだらは決断できないでいた。 場所:【紅魔館/1日目・夕方】 名前:まだら RSC 咲夜さん 美鈴 フラン パチュリー 備考:RSCがいる周辺は幻想郷の結界がゆがむようです。他のVIP雀士の周囲でも結界が歪むかは不明です。 ※酒気を操る程度の能力 ――自分や周囲にいる人を自由に酔っぱらいにしたり素に戻したりすることができる。それ以上でもそれ以下でもない。  #endregion *第30話 魔理沙のイカサマ 第30話担当[[外来人in無縁塚]] #region(close) 光は影がある故に、それを認識し分け隔てることができるのかもしれない。 人里の賑やかな通りを一歩も二歩も入った、日があまり差さない路地裏にて、 その奇妙な邂逅は行われていた。 男が2人、見た目が少女である「何か」が1人。 男の方はまるで古代ギリシャの彫像のように逞しく無駄無く筋肉がついた、ある種の美しさや神々しさやすら漂わせる者が1人と、それと対を為すようにあまり恵まれてない貧相な雰囲気の者が1人。 前者のギリシャ神話の英雄のように惜しげもなく日のもとに晒された肌には、つい先ほどまで走りまわっていたのか、あちこちに泥や葉っぱのようなものが付着していた。 「……アリスと聞いてはるばるこっちまで走ってきたんだが、どうやら俺は嵌められたらしいな」 久しぶりにきれちまいそうだぜ、と纏う殺気を増幅させつつ苦笑いするDY。 その視線を真っ向から受け止めるのは少女らしい「何か」。 それなりに整った顔立ちにセンスのいい服装。深窓の令嬢は言い過ぎかもしれないが、一見した限りでは雀荘に出入りするような人種には見えない。 ……しかし同時に、その表情はDYを前に一歩も引かない「狂気」を孕んでいた。 「アリスハオレノヨメアリスハオレノヨメ……」 DYとなおきん。その筋では名の通った2人の横には、スケールの違いに早くも押され気味の無縁塚。 しかしまた彼も甘んじて負けを受け入れるつもりは無い。 3日3晩何も口にしていない体では殴り合いをしても負けるだろうし、雰囲気がなんとなくVIP雀士っぽい2名では麻雀でも勝てるかどうか分からない。 だが彼は重要な情報を手中に収めていた。 「……弱肉強食はこの世の真理だと思うんだ」 唐突に、そうなおきんに話しかけるDY。 「…………」 「あんたとの決着はほどなくつけるとして、まず箸にも棒にも掛からない弱者にご退場願うべきだと思うんだ」 「……おk」 ぐるり、と2人は首を巡らせ無縁塚の方に焦点を合わせる。 そらきたぞ、と無縁塚は全身を緊張させながら慎重に2人へと話しかける。 「……1番の障害は霧雨魔理沙、だと思うんですが」 滅殺すべし、と伸ばされた2本の腕が止まった。 すかさず話を進める無縁塚。 「そう、魔理沙がどうにかならない限り、アリスの婿に明日は無い。弾幕ごっこは出来ませんが、俺たちには麻雀があります。……魔理沙のドラ爆の秘密を教えますから、どうかこの場は勘弁願えませんかね?」 無論、2人とも無縁塚とは違いそれなりに高い戦闘力を保持してはいたのだが、色々と気になる言葉を耳にし、消すのは聞いた後でも大丈夫だろうという結論に至り腕を引っ込めた。 それを話を続けていいという許可だととらえた無縁塚は、舗装されていない地面に図を書き出した。 「魔理沙のサマ――積み込みは単純明快、しかし難易度の高いものです。下山の右から2枚目、3枚目に数牌……まあここでは2筒としましょう……を2枚、6、7枚目に3筒を2枚、10、11枚目に4筒を2枚……あとは適当に残りの牌を集めるとします。で、これと同じ事を上山でもやります。つまり4枚セットを3セット、積み込むんですね。後は確認してもらえればお分かりいただけると思いますが、親のときにこれをやって5か9を出せば文句無くドラ4が手に入ってきます。暗カンすればドラ8、リーチを駆ければ裏ドラ、カン裏が乗りますからドラ16と、即席役満が出来上がるわけですよ」 無縁塚は最初から気がついていたわけではなかった。東1局でこの役満直撃をかっくらいハコって終了というなんとも情け無い終わり方をしたのだが、そのときはただただ唖然とするだけだった。 ふと閃いた理由は9割方命の危険に晒されたからであろう。人間の生存本能は尊い。 「これさえ阻止してしまえば、なるほど確かに強そうな魔理沙ではありますがなんとか下すことができるはずです。後は好きなように条件を吹っかけて勝てばアリスとのウフフな展開は目の前に!」 顔を見合わせる2人の横で、無縁塚はこっそり冷や汗を拭う。 どうやら即処刑は無さそうな感じだが、不用意な一言でまた窮地に陥る、ということも充分あり得る。 そして彼もまた、アリスを諦めるつもりは毛頭無い。 ――この路地裏の小康状態は、ただただ嵐の前の静けさに過ぎなかった。 場所:【人間の里/1日目・夕方】 名前:無縁塚、なおきん、DY 備考:無縁塚は他2名がなおきん、DYであることに気がついておらず、VIP雀士らしいということしか分かっていません。 #endregion *第31話 ある放課後の出来事 第31話担当[[⑨]] #region(close)  vipに置いてマスコットだとか地味に一番怖い人だとか、そんな風に言われる人物をご存じだろうか?  wiki管理人にして、避難所の雇われ管理人の金木犀を。  いきなりだが彼ははっきりと言ってこの現実を受け止められないでいた。  幻想麻雀で遊んでいたらなんか妖怪の山らしき所にいきなり移動したのだから。  なぜ妖怪の山らしき場所と断定できたのか――天狗がいたからである。  それは射命丸文ではなかったがまぎれもなく烏天狗だった。  他にも白狼天狗などもいたがそこに椛の姿はなかった。  金木犀は天狗達に気が付かれないようその場を離れる。  天狗達と比べ、圧倒的に身体能力その他もろもろに置いて劣る彼は幸運にも見つかることなくその場を離れることができた。  幸運にも――? いや、彼がその場を離れることができなたのは必然のことであった。  幻想郷に入り何らかの能力が発現するものもおおくいる。その例にも漏れず金木犀にも能力が発現していたのだ。  本人はその能力の発現に気が付いていなかったが彼に発現した能力それは――  ”気を察知する程度の能力”  まぁ簡単にいえば相手の位置を探りその相手が友好的か敵対的かが本能で察知できる程度の能力である。  その能力で彼は本能的に”やばい”と感じた。だからその場から逃げだしたのだ。  気を察知することで相手に見つかりにくい場所を選び慎重にその場を離れる。 「レミ―――が――放課――――――って――――よ―――」 「文――――見た――――し―――が――」 「吸血鬼を――――なんて――――とんでも――――もんだ―――」 「また・・・・・・ 一波乱ありそうだな」  そんな彼の背中に聞こえてくるのは天狗達の声。  金木犀にはその声を聞き続ける余裕は無かったが最後の―― 「一波乱ありそうだな」、という言葉だけはしっかりと耳に残った。  ちなみにこの時椛はと言うと……みのりこと一緒に焼き芋を食べていた。  千里先まで見通す程度の能力を持つ椛がいれば金木犀はいかに気を察知しようと見つかっていただろう。  彼は山の神様には感謝をしなければならないのかもしれない。  また、それとほぼ同時に入れ替わるようにして1人の雀士が妖怪の山へ訪れていた。  名はいーあるさん。鬼畜と評判の人である([[本人ページ参照>いーあるさん]])。  彼女は金木犀とは逆の方向へと向かっていた。  即ち天狗がいる場所の方へ、だが彼女は全くその事実に気が付いていない。  彼女は――天狗達のところへと少しずつ近づいて行く。  金木犀がその場から危険を察知し離れていったことを知らずに――― 場所:【妖怪の山/1日目・昼】 名前:いーあるさん 金木犀 備考:いーあるさんは”女”です #endregion *第32話 夢にまで見た地獄烏 第32話担当[[Nowe]] #region(close) 「暑い…。」 男は口に出さずに入られなかった。 いくら真夏であろうと長袖の上ある程度の厚着をするのが男のポリシーであっても口に出さずにはいられない。 それほどここは暑いのだ。 そもそもここは何処なんだ…。 周りを見渡せばあたり岩肌が丸見えの溶岩地帯のような場所、正直男にはさっぱりだった。 こんな場所には来る予定はなかったし、そもそもつい先刻ここで目覚める直前までは仕事を、整備のために機械の下に潜っていたはずなのだ。 だというのに、何かが割れるような音と潰れるような嫌な音を2つ聞いた後に気づいたらこんな場所にいたのだ。 「はぁ…。」 なんでか作業着のままだしなぁ。 男は自分の服装を思いため息をつく。 薄緑色の上下に同色のネット付キャップ、足には白色の安全靴、見るからにどこかの工場の作業員である。 こんな格好で外出していたら誰でも恥ずかしいのではなかろうか。 「あー、暑い…。つか、この暑さは死ねる気がする…。」 今の気温はどれくらいなのか、男は目が覚めてから止まることを知らない汗に危機感を覚え始めていた。 気のせいか、目も霞んで来た…。俺の水分が発汗でマッハ…。 男は汗を出しつくすと次には目が乾き目が霞んでくることを経験していた。 男の現状はまさにそれで、この次に来るのは脱水症状で倒れることだということも知っていた。 うぼぁー。人もいなそうだし、倒れたらそのままお陀仏かなぁ…。 「人間がこんな所でなにをしているのかしら?」 男が人生初の死の淵を垣間見ようとした時声がした。 が、声はすれども姿は見えず。 脱水症状って幻聴も聞こえるのか…。 「何処を見ているの?こっちよ、こっち。」 再度聞こえた声はどうやら上方からの呼び声で、男がそちらに目を向けると。 「あ。」 「紅白巫女や黒白魔法使いとか違ってただの人間のようだけれど、どうやってここまで来たのかしら?」 黒い羽を羽ばたかせ、左足には奇妙な靴を左手には奇妙な棒をつけた少女が浮いていた。 男は少女の問いかけに答えない、いや答えられない。 なぜならば 夢か現か、男の目に映るのはあるはずのない光景で。 現か夢か、酷い暑さの中で出会った地獄烏は思っていたよりもっとずっと可愛らしくて、 その感動でその男、Noweは声など出せなかったのだ。 場所:【灼熱地獄跡/1日目・正午】 名前:Nowe お空 備考:特になし #endregion *第33話 本日の朝食メニュー「スコーンと紅茶と旅行への誘い」 第33話担当[[紅蜂No.13]] #region(close) 俺は夢を見ていた。 自分の家の布団の中で。 あったかい布団の中にくるまれて。 幸せなまどろみを堪能していた。 そういえば今日は休み、だっけ?・・・まあ、あったかいからいいか・・・ そんな考えも浮かんでは、すぐに消えて。めぐる考えは二度と思い出せない。 そんな幸せなお布団の中に俺はいた。 できることなら、このまま夢を見ていれたらいいのに。 「・・・おーい。起きてー」 んぁ・・・まだもう少しここにいたい・・・ 「起きないね・・・そろそろ起きないといろいろ困るんだけど」 もうちょっと・・・寝かせて・・・ 「しかたないねー・・・じゃあここは私が一つ」 ああ、うるさいなぁ・・・だから、もう少し寝かs 「超!必殺!!メルランチョップでおっきろーい!!!」 え?チョップ?ちょっとm ゴスッ。 「・・・メルランさん、もうちょっとまともな起こし方は無いんですか・・・」 プリズムリバー家に連れて行かれた○○は頭をなでながらつぶやいた。 頭の上には大きなたんこぶ。綺麗なお山が出来上がっていた。 「だって~揺すってもちっとも起きないもん」 「だからって問答無用でチョップはまずいでしょ。メルランはいつもこうなんだから・・・」 頬を膨らませているメルランを軽く説教するルナサ。プリズムリバー家ではよくある光景である。 もっとも、一昨日から異世界の来客者が一人増えており、ちょっと変わってはいるが。 「まあまあ、せっかくの朝ごはんが冷めちゃうじゃない。とりあえず食べさせちゃいましょうぜ姉さん」 「せっかくルナサ姉さんが昨日から家族になった新人さんに腕を振るってあげたってのにねぇ」 「・・・あとで覚えてなさいよ、メルラン」 三姉妹が騒いでいる目の前には、異世界から来たお客様への朝食が並んでいた。 騒霊である彼女たちには基本的に食事というものは必要でないため、料理などは普段しない。 しかし、客人がくるときには三姉妹が分担して料理を行い、客人をもてなすようにしているため、 基本的な調理技術は会得している。もちろん味付けに関しても某亡霊のお墨付きである。 「もし妖夢が突然死んじゃっても安心だわ~」との評価も残しているがそれはまた別のお話。 ちなみに本日の朝食はルナサ特製のスコーンと紅茶である。 そんな騒霊の手料理を食べながら○○はルナサに尋ねた。 「とりあえずこれからどうすればいいんでしょうか」 昨日霊夢から聞いた話では、一ヶ月くらい待てばどうにかなると言っていたが正直○○は不安であった。 いきなり異世界に飛ばされて、騒霊と出会って、高いところに連れて行かれて、失神して。 現実世界じゃありえない展開に○○の頭の中はついていけず、それがすべて不安として現れていた。 それに一番○○が不安だったのが、霊夢の暢気な笑顔があんまり頼りにできそうに無い感じであったからである。 もっとも、霊夢自体、現実世界のバイト巫女と比べたら頼りにできるのではあったが、今の○○には余裕は無い。 自分は現実世界に戻れるのか、それともこのまま戻れないのか。それにすぐ戻れるのか、それとも――― そんな○○の気持ちを察したルナサは口を開いた。 「そうね・・・来たばっかりで気持ちの整理もついていないだろうし、少し心を落ち着けたほうがいいね」 手に取っていた紅茶を置き、不安であった○○の心をほぐそうとした。 時間は余るほどあったし、心を落ち着かせるには十分。 それならゆっくり不安を取り除いたほうが今後一緒に行動しても問題ないだろう。 そうルナサは考えたからである。そうと決まれば、あとは・・・ 「それに、今は私たちも特に仕事も何もないし、家でゆっくりしていけb」 「はいはーい!ていあーん!一緒にお出かけしましょう!!」 ルナサが話しているところを乱入するメルラン。 「姉さん・・・空気読んでる?」 「読めなければ今乱入しないわよ」 リリカの注意も聞いていないようだ。 「せっかく幻想郷にきたんだし、いろいろ回って思い出を作るのもいいんじゃない?」 「それもそうだけどさぁ・・・ちょっと今は空気読もうよ・・・」 「そんな考えじゃハッピーになれないわよリリカ。もっと柔軟な発想でね―――」 妹二人の口喧嘩にため息をつくルナサ。これもいつものプリズムリバー家の光景でもある。 もっとも、今は――― 「せっかくだし、メルランさんの提案に乗ってもいいかな?」 ―――大して変わらないのね。 ルナサは少し微笑みながら○○を見つめた 俺は現実を見ていた 知らない家の中で あったかい家族の中にふくまれて。 幸せな団欒を堪能していた。 そういえばここは幻想郷、だっけ?・・・まあ、どこでもいいか・・・ そんな考えも浮かんでは、すぐに消えて。めぐる考えは二度と思い出せない。 そんな幸せな家族の中に俺はいた。 できることなら、本当の現実であったらいいのに。 場所:【プリズムリバー家/3日目・朝】 名前:○○(おつつー)&プリズムリバー3姉妹 備考:これからどこに行こうか考え中。とりあえず今を楽しむことにした。    まだ名前については触れていませんが、名前とかその辺はこのあと書く人に任せた。 #endregion *第34話 勘が良い程度の伝説 第34話担当[[⑨]] #region(close)  唐突に言うとあおは迷っていた。  そりゃ当然である、幻想入りしたばかりの人間が魔法の森に入ったら確実に迷う。  適当にDYに道を教えたのがまさか人里への最短距離だったなんて彼女は知らない。  ただDYがウザかったのでDYと一緒に迷うよりは1人で迷う方がましだという判断。  ちなみにVIPの奴が他に来ているかの確証は彼女は持っていなかった。  ただ彼女の本能がDY以外にもVIP雀士が幻想入りしていると告げたのだ。  だから彼女はその本能を信じた。  麻雀に置いて勘はかなり重要で時にはそれが勝負を分ける。  その勘に彼女は絶対の自信を持っているのだから――今回もその勘を信じた。  自分やDY、いきなり現れいきなり消えたきーご以外のVIP雀士もここには来ていると。 ◆◆◆ 「さて、DYは追っ払ったがこれはどういうことだろう……」  そんな迷い魔法の森脱出を夢見る彼女の前に広がるのはおかしな光景。  木々の間を光が駆け抜け霧雨魔理沙と思しき少女が破壊の力をまき散らす。  しかしそれに対する対象は――存在しない。    だが会話の声だけはしっかりと聞こえる。 「待ってくれ、待ってくれよそこの可愛い魔法少女! 僕は人を探していただけなんだ!」 「……下半身を露出して人探し? どう考えても犯罪者だな」 「え、ていうか、僕の姿が見えるの?」 「見えるんじゃない、感じるんだ。あんたからは犯罪者の匂いがぷんぷんと感じるな。そして犯罪者は、弾幕を以て殲滅されるべきなのぜ?」 「だから誤解であってさ! 決して下心があったわけでなく、それはとても気持ちよかったんだ!」  ステルス空気で紳士でちんぽっぽ。  そんな奴はあおの記憶で思いつく奴は一人しかいない。  紳士でちんぽっぽな奴はVIPにいくらでもいるがそれにステルス空気が付くのは1人だけである。 「きーごか……いきなり消えたかと思えば紳士していたのか……」  あおはきーごの能力に関する知識を全く持っていない。  ただ先ほどはきーごがまだ能力に気が付いた直後であり使い方に慣れていなかったということできーごの存在に気が付いたのだ。  きーごの存在に気が付いたのもあおの勘が大部分を占める。  「なんとなくそこに誰かがいるような気がした」あおからするとそれだけである。  それだけなのだがその時にわずかな時間ではあるがきーごのステルス迷彩が不安定となりあおの目にはきーごの姿が映し出されたのだ。  しかしそれからまだ時間はあまりたっていない。だがきーごはとんでもない速度で能力に慣れ、使いこなしていた。  それこそ自らのステルス能力を応用し色んな法則を捻じ曲げるほどができるほどに。 「さっきから回避しているあしい理論は意味不明だがどう考えても現状の戦闘力は私をはるかに上回るらしいな……」  彼女は毒づく。はっきり言ってただの空気だと思っていた相手がこんな凶悪な能力を有していたのだから。  ステルスの能力をここまで応用できるのであればそこらの妖怪に負けることはないだろう。  だがあおはただ勘が優れていて麻雀が強い程度の一般人。妖怪に襲われれば一たまりもないだろう。  しかしあおはまだ危険な妖怪とは出会っていない。これは単に彼女の運の良さが原因なのだ。  配牌一向聴などを頻発するほど運が良い。  勘が良く当たり、幸運に恵まれている。これが今のあおの強みだった。  ところでなぜ幻想入りしたばかりのはずのきーごにそのような魔法関連の知識があるのか疑問に思わないだろうか?  その答えは単純明快、きーごはもともと魔法使いだったからだ。  きーごにはもともと素養があった。だからこそ彼は20歳という若さで魔法が使えるようになった。  他の魔法使いのように30歳や40歳になるまで童貞で待つ必要はなかった。  20歳まで童貞でいれば良かったのだ。  魔理沙の弾幕がさらに厚く、濃くなる。  きーごも必死にそれをさばいているようだが(見えないのでどうさばいているのかは見えない)それが限界に近付いているのは明らかだった。  いかに体術が優れていよともそれを交わす余白がなければ交わすことはできないのだ。  その交わす弾幕の余白、それは傍目からも明らかに無くなっていた。  そしてその余白が完全に消えてなくなり―――  そこでその戦いは唐突に終結した。  霧雨魔理沙と思しき少女があおとは違う方向で倒れている少女の元へ駆け寄ったから。 (レミリア・スカーレットか……?)  彼女の知識にその少女の特徴に該当するのは1人だけ紅魔のカリスマ、レミリア・スカーレットだけである。  レミリアがなぜこの場所に倒れているのかは彼女には分からない。  今だ幻想入りしたばかりの彼女にははっきりと言って魔法の森に関する知識もない。  今ここにあるのは気絶したレミリア、ステルスをといた紳士きーご普通の魔法使い霧雨魔理沙  そして――VIPに置いて伝説と呼ばれ今この状況からどう動くか判断しようとするあおだけであった。 場所:【魔法森/1日目・夕方】 名前:あお レミリア 霧雨魔理沙 きーご 備考:あおになんらかの能力があるかは不明です。現状ではただ勘が良く当たり運がいいだけの一般女性です。 #endregion *第35話 茶屋という名の情報屋 第35話担当[[狐ノ連]] #region(close) ――カランカラン・・・ 「やぁ、いらっしゃい」 ドアの開く音を耳に、私はそちらへと視線を向けた どうやら珍しい、人間のお客のようだ 「初めて見る人だね、注文は何にするかな?」 「ええ、じゃあアイスコーヒーを一つ」 「アイスコーヒーね、少々お待ちを」 私の姿を見ても驚かない人間・・・ そう思った私は少し、この人間に興味を持ったのかもしれない 「はい、アイスコーヒーだよ」 「あぁ、ありがとうございます」 ゴクリッ、と彼は一口アイスコーヒーを口にした後、私は彼に質問をしてみた 「私の姿を見ても驚かないようだけれど、"そう言う事"に関わっている人間なのかな?」 彼は一瞬、質問の意味を理解するかのように間をおき、答えた 「えぇ、まぁそう言う事にしておきましょう」 曖昧な返答、しかし危険性はなさそうだ 雰囲気からそう感じ取った私は、次の質問を投げ掛ける 「ここにはどういったご用で?まさか貴方の様な人間が化け狐の茶屋に涼みにだけ来るような事はないでしょう?」 まぁ一部例外と言うモノは存在するんですけれどね 「話しが早くて助かります、少し情報を頂きたくて訪ねてきました」 「情報、ですか」 「えぇ、詳しくは言えませんが、これを」 そう言って彼が差し出してきたのは一つの新聞 まぁ目を通さなくても分かるのだが、そこには文々。新聞と書かれている 「それで、その欲しい情報とは?」 「はい、その新聞記者を捜しているんです、今どこにいるか分かりますでしょうか?」 「成る程・・・」 ――ガタガタッ・・・ 窓の鳴る音、 あぁ、これなら―― 「なら、少しここでお待ちになれば良いと思いますよ」 「・・・そうですか」 「えぇ、貴方の尋ね人はすぐ――」 ――カランカラン・・・ 私の台詞を遮るかのように、また一人の人間が茶屋に訪れた その人間を万遍なく見た後、私は彼にこう告げた 「行きなさい、貴方の尋ね人はきっと外にいますから」 「外に・・・ですか」 「えぇ、きっといます」 私の言葉を信じたのだろうか、彼は残ったアイスコーヒーを一気に飲み干すと礼を残して店を後にした 名前でも聞いておけば良かっただろうか、 そうも思ったが、きっとそれは愚問だろう 何故なら必ず、彼はきっと此処に来る 理由もなく、 唐突に、 「・・・やぁ、すまないね、いらっしゃい」 私はそう思い、もう一人の人間に声を掛けた―― 場所:【幻想郷の端の方 狐ノ茶屋/1日目・昼】 名前:狐ノ連 BBRC 皇束篠秋 備考:マスターは何らかの能力を持っている?BBRCさんが一人で入ってきていますが、外には文が待機しています #endregion *第36話 寺子屋の異変 第36話担当[[つゆくさ]] #region(close) 「良かった……目が覚めたか」 それが、俺と先生が初めて会った時に貰った言葉だった。 知らぬ間にたどり着いた場所……、その名は幻想郷。 どうしてこんな場所に迷い込んだのかはわからない。 だけど、俺の怠惰な日常はとびっきり破天荒な日常へと変化したのは確かだった。 幻想郷の人間の里で寺子屋を開いている上白沢慧音――俺は先生と呼ぶことにしたが、に俺は助けられた。 どうやら俺はこの寺子屋の庭に倒れていたらしく、半日ほど目を覚まさなかったらしい。目が覚めてから、幻想郷のこと先生自身のことや風土や文化の大まかなことは教えてくれた。 先生という職業なだけに教えるのは手慣れていた。 「そうか、それでつゆくさ君はどういうわけで幻想郷に迷い込んだのか自分でもわからないということか」 「ええ、外にいた時の最後の記憶も曖昧で…」 「うん、ここ最近外来人が大勢迷い込んでいることに関係があるのかもしれないな。ただ、個性的な外来人が多いらしい…ぞ」 「はぁ、個性的…ですか……」 どうやら俺みたいな境遇の人が他にもいるらしいな。それに俺は話のわかる人に助けられてラッキーだったのかもしれないな。 しかし先生の顔は話をしている間中ずっと浮かばないように見える。 「あの、先生」 「ん、どうした?」 「いえ、浮かない顔をしてたんでどうしたのかなって。やっぱり迷惑でしたか……?」 「いや、実はな…。つゆくさ君が来る少し前からこの里で子供が消える事件が起こっているんだ。既に5人……行方不明になっている」 行方…不明…。 その言葉の意味の大きさは外来人の俺からしても理解できる。そしてここ幻想郷であれば、それ以上のことになっていてもおかしくはないということだ。 「教え子……だったんですね…」 「まぁ……な」 「先生ッ……探しに…探しに行きましょうよ!」 「探しにってキミ…あても何もないんだぞ」 「それでも、探しに行きましょうよ。今頃怖くて泣いてるかも知れないんですよ?」 そう、怖い妖怪に捕らえられてるかもしれない。どこかで迷子になってるのかもしれない。 「先生ッ、手分けして探せばきっと見つかりますよ」 「つゆくさ君……。そうだな、こんな部屋に閉じこもって私らしくなかったな。うん、ありがとう……」 そう強がる先生の目元には涙がうっすらと見えた。 「それじゃあ、私は少し出かけてくるからこの家は自由に使ってくれ。少し人探しをする上で心強い味方がいるんでな」 「あ、あの、俺もついて行っちゃあダメですか?」 里で大変なことが起こっているっていうのにじっとしてられるものか。 それにこの人は俺の恩人なんだ。恩人が困ってたら手を貸すのが義理ってもんだ。 「だけど、キミ、ケガは大丈夫なのか?」 「はい、先生の介護ですっかり良くなりましたから」 「わかった。それじゃあ直ぐに出発の準備をしてくれ…、といってもキミにそんな準備は必要ないか。でも無理だけはしないでくれ、約束だ」 「わかってますって、先生を泣かせるわけにはいきませんから。逃げ回ってれば死にはしませんよ」 そうして、俺と慧音先生の子供を探す旅が始まった。 まだ見ぬ他の外来人、外来人達と子供たちの失踪には関係があるのか、まだまだ俺にはわからないことばかりだった。 場所:【人間の里・慧音の寺子屋/?日目・朝】 名前:慧音&つゆくさ #endregion *第37話 DT乙と言わざるを得ない 第37話担当[[⑨]] #region(close) 目が覚めたらそこは花畑だった。 そしてそこにいたのは風見幽香。俺はその現実が信じられなかった。 幽香は俺とすぐに仲良くなった。 なにか俺と幽香には惹かれ合う所があったのだろう。 同じ趣味を持ち、同じ花を愛で、同じ季節を愛した。 俺と幽香は一緒に暮らした。 一体そんな月日がどれだけ続いただろう? そんなに時間はたっていない気もするし逆に長い期間過ごした気もする。 でも俺と幽香は同じ時間を生きた。 人間と妖怪という許されぬことだとは知っていたが―― それでも俺達はその道を進むことを選んだ。 同じ道を歩んでどのくらい時間がたっただろう。 ある夜のことだった。 俺が寝ていると幽香は俺の布団へといつもとは違う様子で潜り込んで―― ◆◆◆ そんなことがあればよかったとどれだけ思っただろう。 俺は今とんでもない所にいた。 ここはとにかく暑い。 俺はさっきまで生放送をBBRCさん達と一緒にしていたはずだ。 某変態紳士のせいで4位の罰ゲームで変な妄想を暴露するという公開処刑を喰らっていたわけだが―― 本当にここは一体どこなのだろうか? 汗はダラダラと流れだし続け俺から体力を奪い取っていく。 このままでは脱水症状で倒れる前にまちがいなく熱中症で倒れるだろう。 だから俺は今きている服をネクタイを残し全て脱ぎ捨てた。 少しは暑さが緩和されたような気もする。 やはり紳士スタイルは最高だ。 さて、紳士スタイルで多少緩和されたとはいえこの暑さは異常だ。 この暑さからのがれるために俺は場所を移動する。 移動する俺のの前にやがて一つの変化が起きた。 俺の視線の先に烏のような羽をもった少女と男が現れたのだ。 鳥の羽をもった少女はとても可愛らしくそれに相対している男はこのクソ熱い中も作業服を脱いでいなかった。 すでに暑さに耐えられず紳士スタイルになった俺を見慣れえば良いのに。 少女と男が今何をしているのかは分からない、俺は今からあの二人に接触するべきなのだろうか、それとも―― 場所:【灼熱地獄跡/1日目・正午】 名前:Nowe お空 長き童貞 備考:特になし #endregion [[続き>リレー小説4]]
---- ・[[リレー小説1]] ・[[リレー小説2]] ・[[リレー小説4]] ・[[リレー小説5]] ・[[リレー小説6]] ・[[リレー小説7]] ・[[リレー小説関連コメントページ]] ----  26話現在の現在位置票 1.神社        霊夢 2.プリズムリバー家  ○○&プリズムリバー3姉妹 3.魔法の森      DY&あお 4.霧の湖       ⑨&チルノ 5.アリスの家     CAST.er&アリス 6.幻想郷のはしっこ  狐ノ連 篠秋 大妖精 BBRC&文 7.魔界        ロリス*3 神綺 8.人里        WATA&パルシィ 八雲紫            魔理沙             外来人in無縁塚&なおきん 9.彼岸        ぞうちんちん&映姫&小町 ?          魔理沙&きーご レミリア  ?          鈴仙とウサ鍋 *第27話 第一次アリス大戦勃発 第27話担当[[(・3・)]] #region(close) ここは人間の里、その名のとおり幻想郷の人間が集まる里である 一般人などを中心に形成されている集落であり 中は平和な町並みそのものである。 今日も何事も無く日が暮れようとしていた… そんな里の路地裏でなぜか幼女に押し倒されそうな弱々しい男が1人 そう、言わずと知れた無縁塚だ。 (お、落ち着けけけけけっ…まだ慌てるような時間じゃじゃまるるるるっ!) すでに全然落ち着いてないがそれも無理はない。 押し倒そうとしている幼女は見た目は可愛らしいのになぜか 下半身の一部が大いにエレクトリカルパレードしているからだ。 「アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス  アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス  アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス  アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス  アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリス アリスタンキモチイイ…」 すでに目が逝ってる幼女なおきんは無縁塚の一部にロックオンしており このままでは大事なものを散らしてしまうのも時間の問題だった。 「お…落ち着きましょうよ、俺はアリスじゃないですよ  ついでに言うならアリスは俺の嫁でして…。」 この男、この状況で余計な一言を付け加えるあたり余裕がありそうである それともただのバカなのだろうか? ピクッ 「…」「…」 **「アリスハオレノヨメエェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!] 「ギャアァ━犯される━━(゚Д゚|||)━━!! 助けてアリスー!!」 そんな都合よくアリスが助けに来るわけはないが 思わず叫ばずにはいられなかった。 しかしそんな心の底からの魂の叫びが奇跡を呼んだ! ??「待てーい!」 キラキラリーン☆ (えっ、ひょっとして誰かが助けに来てくれた!?  アリスに助けて貰いたかったけどこの際妥協しておこう!) そんな自分勝手な考えを浮かべたが、それは次の瞬間砕け散った。          ∧ ∧         (・∀ ・) < アリスと聞いて飛んできました!          ノ(  )ヽ          <ω>          DY アリスの元に向かっていたはずの 新たなる変態の登場であった…。 場所:【人間の里/1日目・夕方】 名前:無縁塚、なおきん、DY 備考:あおさんの情報はでたらめだった #endregion *第28話 脱兎 第28話担当[[BBRC]] #region(close) 幻想卿に存在する竹林 迷いの竹林とも呼ばれている場所 そこではいつも通りと思われる展開が繰り広げられていた 竹林内に脱走したてゐを優曇華が探している光景である 「まったく、てゐは何処にいるのかしら?  またお師匠様に叱られるじゃないの」 てゐが逃げられないように竹林の波長をいじっている あとは逃げ続けるてゐを探すだけだった 「てゐったらまた逃げ出して……ブツブツ」 とか優曇華が一人愚痴をこぼしていたら影を見つける 「いた!」 優曇華がその影に向かって走り出す 影も追いかけられていることに気づいたのだろう 影は逃げ始めた が、影はすぐ竹にぶつかり倒れ込んでしまう 追いついた優曇華が見たのは仰向けに倒れている妖怪兎だった やっと捕まえた…そう思っていた優曇華だったが 近づいてみたらその安堵は違っていたことに気づく 「てゐじゃない…?」 とりあえず倒れているのを見捨てるのも気が引けるので てゐ捜索は諦め、この妖怪兎を連れて帰ることにした 余談ではあるが妖怪兎の寝言を聞いて優曇華はすこぶる不機嫌になっていた 何故ならその寝言はこうだったからである 「鈴仙とウサ鍋……」 場所:【竹林/1日目・昼】 名前:ウサ鍋 優曇華 備考:幻想入り+ウサ耳ですよー #endregion *第29話 紅魔のお寿司屋さん 第29話担当[[⑨]] #region(close) 幻想郷に海鮮寿司は存在しない。 まぁ厳密には存在するのだが海のない幻想郷で海鮮寿司を見るのは非常に稀だろう。 それこそ八雲紫に頼み海産物を貰えるよう頼まない限り。 ◆◆◆ 「美味しいわね」  紅魔館では寿司パーティが行われていた。  主であるレミリアが外出中なのもお構いなしである。  門番の美鈴、本来図書館に籠ってるパチュリー、幽閉されているはずのフラン、仕事で忙しいはずの咲夜、そして妖精メイド。  紅魔館に住む者の大多数が寿司――まぁ寿司といってもチラシ寿司をだが堪能していた。 「外世界には興味的な食べ物があるみたいですね」 「咲夜ーおかわりー」 「はい、妹様。どうぞ。」  パチュリーの感想に美鈴が返し。フランは無邪気にチラシ寿司を食べる。咲夜はフランの笑顔を見ながら微笑みを浮かべる。  みんなしてレミリアの存在を忘れているんじゃないだろうかというレベルである。  もっとも紅魔館で寿司パーティが始まる原因となる存在が現れたのがレミリアが外出した直後だったので仕方ないのだろうが。  紅魔館に現れた外来人は咲夜が立つ厨房に突如として現れた。  現れた拍子に咲夜が付くっていた料理を全て床にぶちまけてしまったのだ。  咲夜はそれを見て突如として現れた侵入者にナイフを投げたのだがまぁそれは別の話。  その現れた外来人は物陰に隠れながら自分が料理を作るから!!ということで説得を試みたのだった。  咲夜もぶちまけた分の料理全てを作ってくれるならということでそれを認め(まずかったら排除するとか脅したらしい)他の仕事に戻った。  そして外来人が作った料理がチラシ寿司だったわけだがこれが咲夜におおうけし大量に作ることとなったのだ。  もちろん大量のチラシ寿司が短時間で作れるはずはないのでその大部分は咲夜が止めた時の中で作ることとなったのだが。  それが紅魔の面々にも大好評でこうして一大パーティが始まったのだ。 「しかし”あるえすし”とは珍しい名前……」  パチュリーが寿司を口に運びながらその外来人の名を呼ぶ。  そう、幻想入りしたVIP雀士はRSC、酔っ払い配信のある時である。 「いえいえ、そんな珍しい名前ではないですよ。」 「酒臭い……」   口調はしっかりとしているがかなり酒臭い。  酒をガンガン飲んでいる最中にここに連れてこられチラシ寿司を作っている間も飲み続けていたので当然だが。  どう考えてもありえない量を飲んでいるしそれだけ飲んでいればどうしようもないほどに酔っぱらいそうなものであるがそんな様子は見られなかった。  結論から言うとRSCが持つ能力の所為である。彼がが持つ能力は”酒気を操る程度の能力”  自身が酔っぱらうのも素でいるのも思いのまま、ついでにあまり離れ過ぎていないなら自身の周囲にいる人間を酔わせたりすることもできる。  まぁそんな能力は今どうでもいいとして紅魔の寿司パーティの熱気は最高潮に達していた。  パーティということで当然酒もふるまわれるし酔っ払って芸を始めるメイド妖精もいる。  RSCも調子に乗って裏で能力をつかい酔わせるのに一役買っていたり。 「ちょっと動いてみて」 「はい?」  パチュリーはその芸を笑いながら見るRSCに言う。  意味が分からないような顔をしたRSCだったが素直に軽く動く。 「こんどは止まってみて」  RSCは動きを止める。  パチュリーはそのRSCをジッと見つめる。  なにか流れのようなものを見つけるようにして。 「あるえすしー!こっちにきてー」 「いまいきますよー」  フランがRSCを呼ぶ。  RSCはパチュリーに頭を下げフランの方へと向かった。  あとに残ったのはパチュリーだけ。 「あるえすしが動くとそこの結界がゆがむ……」  パチュリーはフランのもとへゆくRSCの周りの流れを確かめるようにしながら呟く。 「なにかまた異変が起きようとしているのかしら、でもまだいいわよね」  そうしてパチュリーもまた、チラシ寿司に下鼓を打った。 ◆◆◆ 「中でなにか大騒ぎしてるけど本当に入っていいのかな……?」  男は呟いた。  場所は紅魔館の門の前。現在は出入り自由であると掲げてあるが一歩その中に踏み込む勇気が出ないのであった。 「求聞史記だと紅魔館は幻想郷の住人には友好的ってあったけど俺は外来人だし……」  男の名前はまだら、彼もまたVIP雀士である。  紫を愛する人物。 「どうしようかなぁ……」  まだらは決断できないでいた。 場所:【紅魔館/1日目・夕方】 名前:まだら RSC 咲夜さん 美鈴 フラン パチュリー 備考:RSCがいる周辺は幻想郷の結界がゆがむようです。他のVIP雀士の周囲でも結界が歪むかは不明です。 ※酒気を操る程度の能力 ――自分や周囲にいる人を自由に酔っぱらいにしたり素に戻したりすることができる。それ以上でもそれ以下でもない。  #endregion *第30話 魔理沙のイカサマ 第30話担当[[外来人in無縁塚]] #region(close) 光は影がある故に、それを認識し分け隔てることができるのかもしれない。 人里の賑やかな通りを一歩も二歩も入った、日があまり差さない路地裏にて、 その奇妙な邂逅は行われていた。 男が2人、見た目が少女である「何か」が1人。 男の方はまるで古代ギリシャの彫像のように逞しく無駄無く筋肉がついた、ある種の美しさや神々しさやすら漂わせる者が1人と、それと対を為すようにあまり恵まれてない貧相な雰囲気の者が1人。 前者のギリシャ神話の英雄のように惜しげもなく日のもとに晒された肌には、つい先ほどまで走りまわっていたのか、あちこちに泥や葉っぱのようなものが付着していた。 「……アリスと聞いてはるばるこっちまで走ってきたんだが、どうやら俺は嵌められたらしいな」 久しぶりにきれちまいそうだぜ、と纏う殺気を増幅させつつ苦笑いするDY。 その視線を真っ向から受け止めるのは少女らしい「何か」。 それなりに整った顔立ちにセンスのいい服装。深窓の令嬢は言い過ぎかもしれないが、一見した限りでは雀荘に出入りするような人種には見えない。 ……しかし同時に、その表情はDYを前に一歩も引かない「狂気」を孕んでいた。 「アリスハオレノヨメアリスハオレノヨメ……」 DYとなおきん。その筋では名の通った2人の横には、スケールの違いに早くも押され気味の無縁塚。 しかしまた彼も甘んじて負けを受け入れるつもりは無い。 3日3晩何も口にしていない体では殴り合いをしても負けるだろうし、雰囲気がなんとなくVIP雀士っぽい2名では麻雀でも勝てるかどうか分からない。 だが彼は重要な情報を手中に収めていた。 「……弱肉強食はこの世の真理だと思うんだ」 唐突に、そうなおきんに話しかけるDY。 「…………」 「あんたとの決着はほどなくつけるとして、まず箸にも棒にも掛からない弱者にご退場願うべきだと思うんだ」 「……おk」 ぐるり、と2人は首を巡らせ無縁塚の方に焦点を合わせる。 そらきたぞ、と無縁塚は全身を緊張させながら慎重に2人へと話しかける。 「……1番の障害は霧雨魔理沙、だと思うんですが」 滅殺すべし、と伸ばされた2本の腕が止まった。 すかさず話を進める無縁塚。 「そう、魔理沙がどうにかならない限り、アリスの婿に明日は無い。弾幕ごっこは出来ませんが、俺たちには麻雀があります。……魔理沙のドラ爆の秘密を教えますから、どうかこの場は勘弁願えませんかね?」 無論、2人とも無縁塚とは違いそれなりに高い戦闘力を保持してはいたのだが、色々と気になる言葉を耳にし、消すのは聞いた後でも大丈夫だろうという結論に至り腕を引っ込めた。 それを話を続けていいという許可だととらえた無縁塚は、舗装されていない地面に図を書き出した。 「魔理沙のサマ――積み込みは単純明快、しかし難易度の高いものです。下山の右から2枚目、3枚目に数牌……まあここでは2筒としましょう……を2枚、6、7枚目に3筒を2枚、10、11枚目に4筒を2枚……あとは適当に残りの牌を集めるとします。で、これと同じ事を上山でもやります。つまり4枚セットを3セット、積み込むんですね。後は確認してもらえればお分かりいただけると思いますが、親のときにこれをやって5か9を出せば文句無くドラ4が手に入ってきます。暗カンすればドラ8、リーチを駆ければ裏ドラ、カン裏が乗りますからドラ16と、即席役満が出来上がるわけですよ」 無縁塚は最初から気がついていたわけではなかった。東1局でこの役満直撃をかっくらいハコって終了というなんとも情け無い終わり方をしたのだが、そのときはただただ唖然とするだけだった。 ふと閃いた理由は9割方命の危険に晒されたからであろう。人間の生存本能は尊い。 「これさえ阻止してしまえば、なるほど確かに強そうな魔理沙ではありますがなんとか下すことができるはずです。後は好きなように条件を吹っかけて勝てばアリスとのウフフな展開は目の前に!」 顔を見合わせる2人の横で、無縁塚はこっそり冷や汗を拭う。 どうやら即処刑は無さそうな感じだが、不用意な一言でまた窮地に陥る、ということも充分あり得る。 そして彼もまた、アリスを諦めるつもりは毛頭無い。 ――この路地裏の小康状態は、ただただ嵐の前の静けさに過ぎなかった。 場所:【人間の里/1日目・夕方】 名前:無縁塚、なおきん、DY 備考:無縁塚は他2名がなおきん、DYであることに気がついておらず、VIP雀士らしいということしか分かっていません。 #endregion *第31話 ある放課後の出来事 第31話担当[[⑨]] #region(close)  vipに置いてマスコットだとか地味に一番怖い人だとか、そんな風に言われる人物をご存じだろうか?  wiki管理人にして、避難所の雇われ管理人の金木犀を。  いきなりだが彼ははっきりと言ってこの現実を受け止められないでいた。  幻想麻雀で遊んでいたらなんか妖怪の山らしき所にいきなり移動したのだから。  なぜ妖怪の山らしき場所と断定できたのか――天狗がいたからである。  それは射命丸文ではなかったがまぎれもなく烏天狗だった。  他にも白狼天狗などもいたがそこに椛の姿はなかった。  金木犀は天狗達に気が付かれないようその場を離れる。  天狗達と比べ、圧倒的に身体能力その他もろもろに置いて劣る彼は幸運にも見つかることなくその場を離れることができた。  幸運にも――? いや、彼がその場を離れることができなたのは必然のことであった。  幻想郷に入り何らかの能力が発現するものもおおくいる。その例にも漏れず金木犀にも能力が発現していたのだ。  本人はその能力の発現に気が付いていなかったが彼に発現した能力それは――  ”気を察知する程度の能力”  まぁ簡単にいえば相手の位置を探りその相手が友好的か敵対的かが本能で察知できる程度の能力である。  その能力で彼は本能的に”やばい”と感じた。だからその場から逃げだしたのだ。  気を察知することで相手に見つかりにくい場所を選び慎重にその場を離れる。 「レミ―――が――放課――――――って――――よ―――」 「文――――見た――――し―――が――」 「吸血鬼を――――なんて――――とんでも――――もんだ―――」 「また・・・・・・ 一波乱ありそうだな」  そんな彼の背中に聞こえてくるのは天狗達の声。  金木犀にはその声を聞き続ける余裕は無かったが最後の―― 「一波乱ありそうだな」、という言葉だけはしっかりと耳に残った。  ちなみにこの時椛はと言うと……みのりこと一緒に焼き芋を食べていた。  千里先まで見通す程度の能力を持つ椛がいれば金木犀はいかに気を察知しようと見つかっていただろう。  彼は山の神様には感謝をしなければならないのかもしれない。  また、それとほぼ同時に入れ替わるようにして1人の雀士が妖怪の山へ訪れていた。  名はいーあるさん。鬼畜と評判の人である([[本人ページ参照>いーあるさん]])。  彼女は金木犀とは逆の方向へと向かっていた。  即ち天狗がいる場所の方へ、だが彼女は全くその事実に気が付いていない。  彼女は――天狗達のところへと少しずつ近づいて行く。  金木犀がその場から危険を察知し離れていったことを知らずに――― 場所:【妖怪の山/1日目・昼】 名前:いーあるさん 金木犀 備考:いーあるさんは”女”です #endregion *第32話 夢にまで見た地獄烏 第32話担当[[Nowe]] #region(close) 「暑い…。」 男は口に出さずに入られなかった。 いくら真夏であろうと長袖の上ある程度の厚着をするのが男のポリシーであっても口に出さずにはいられない。 それほどここは暑いのだ。 そもそもここは何処なんだ…。 周りを見渡せばあたり岩肌が丸見えの溶岩地帯のような場所、正直男にはさっぱりだった。 こんな場所には来る予定はなかったし、そもそもつい先刻ここで目覚める直前までは仕事を、整備のために機械の下に潜っていたはずなのだ。 だというのに、何かが割れるような音と潰れるような嫌な音を2つ聞いた後に気づいたらこんな場所にいたのだ。 「はぁ…。」 なんでか作業着のままだしなぁ。 男は自分の服装を思いため息をつく。 薄緑色の上下に同色のネット付キャップ、足には白色の安全靴、見るからにどこかの工場の作業員である。 こんな格好で外出していたら誰でも恥ずかしいのではなかろうか。 「あー、暑い…。つか、この暑さは死ねる気がする…。」 今の気温はどれくらいなのか、男は目が覚めてから止まることを知らない汗に危機感を覚え始めていた。 気のせいか、目も霞んで来た…。俺の水分が発汗でマッハ…。 男は汗を出しつくすと次には目が乾き目が霞んでくることを経験していた。 男の現状はまさにそれで、この次に来るのは脱水症状で倒れることだということも知っていた。 うぼぁー。人もいなそうだし、倒れたらそのままお陀仏かなぁ…。 「人間がこんな所でなにをしているのかしら?」 男が人生初の死の淵を垣間見ようとした時声がした。 が、声はすれども姿は見えず。 脱水症状って幻聴も聞こえるのか…。 「何処を見ているの?こっちよ、こっち。」 再度聞こえた声はどうやら上方からの呼び声で、男がそちらに目を向けると。 「あ。」 「紅白巫女や黒白魔法使いとか違ってただの人間のようだけれど、どうやってここまで来たのかしら?」 黒い羽を羽ばたかせ、左足には奇妙な靴を左手には奇妙な棒をつけた少女が浮いていた。 男は少女の問いかけに答えない、いや答えられない。 なぜならば 夢か現か、男の目に映るのはあるはずのない光景で。 現か夢か、酷い暑さの中で出会った地獄烏は思っていたよりもっとずっと可愛らしくて、 その感動でその男、Noweは声など出せなかったのだ。 場所:【灼熱地獄跡/1日目・正午】 名前:Nowe お空 備考:特になし #endregion *第33話 本日の朝食メニュー「スコーンと紅茶と旅行への誘い」 第33話担当[[紅蜂No.13]] #region(close) 俺は夢を見ていた。 自分の家の布団の中で。 あったかい布団の中にくるまれて。 幸せなまどろみを堪能していた。 そういえば今日は休み、だっけ?・・・まあ、あったかいからいいか・・・ そんな考えも浮かんでは、すぐに消えて。めぐる考えは二度と思い出せない。 そんな幸せなお布団の中に俺はいた。 できることなら、このまま夢を見ていれたらいいのに。 「・・・おーい。起きてー」 んぁ・・・まだもう少しここにいたい・・・ 「起きないね・・・そろそろ起きないといろいろ困るんだけど」 もうちょっと・・・寝かせて・・・ 「しかたないねー・・・じゃあここは私が一つ」 ああ、うるさいなぁ・・・だから、もう少し寝かs 「超!必殺!!メルランチョップでおっきろーい!!!」 え?チョップ?ちょっとm ゴスッ。 「・・・メルランさん、もうちょっとまともな起こし方は無いんですか・・・」 プリズムリバー家に連れて行かれた○○は頭をなでながらつぶやいた。 頭の上には大きなたんこぶ。綺麗なお山が出来上がっていた。 「だって~揺すってもちっとも起きないもん」 「だからって問答無用でチョップはまずいでしょ。メルランはいつもこうなんだから・・・」 頬を膨らませているメルランを軽く説教するルナサ。プリズムリバー家ではよくある光景である。 もっとも、一昨日から異世界の来客者が一人増えており、ちょっと変わってはいるが。 「まあまあ、せっかくの朝ごはんが冷めちゃうじゃない。とりあえず食べさせちゃいましょうぜ姉さん」 「せっかくルナサ姉さんが昨日から家族になった新人さんに腕を振るってあげたってのにねぇ」 「・・・あとで覚えてなさいよ、メルラン」 三姉妹が騒いでいる目の前には、異世界から来たお客様への朝食が並んでいた。 騒霊である彼女たちには基本的に食事というものは必要でないため、料理などは普段しない。 しかし、客人がくるときには三姉妹が分担して料理を行い、客人をもてなすようにしているため、 基本的な調理技術は会得している。もちろん味付けに関しても某亡霊のお墨付きである。 「もし妖夢が突然死んじゃっても安心だわ~」との評価も残しているがそれはまた別のお話。 ちなみに本日の朝食はルナサ特製のスコーンと紅茶である。 そんな騒霊の手料理を食べながら○○はルナサに尋ねた。 「とりあえずこれからどうすればいいんでしょうか」 昨日霊夢から聞いた話では、一ヶ月くらい待てばどうにかなると言っていたが正直○○は不安であった。 いきなり異世界に飛ばされて、騒霊と出会って、高いところに連れて行かれて、失神して。 現実世界じゃありえない展開に○○の頭の中はついていけず、それがすべて不安として現れていた。 それに一番○○が不安だったのが、霊夢の暢気な笑顔があんまり頼りにできそうに無い感じであったからである。 もっとも、霊夢自体、現実世界のバイト巫女と比べたら頼りにできるのではあったが、今の○○には余裕は無い。 自分は現実世界に戻れるのか、それともこのまま戻れないのか。それにすぐ戻れるのか、それとも――― そんな○○の気持ちを察したルナサは口を開いた。 「そうね・・・来たばっかりで気持ちの整理もついていないだろうし、少し心を落ち着けたほうがいいね」 手に取っていた紅茶を置き、不安であった○○の心をほぐそうとした。 時間は余るほどあったし、心を落ち着かせるには十分。 それならゆっくり不安を取り除いたほうが今後一緒に行動しても問題ないだろう。 そうルナサは考えたからである。そうと決まれば、あとは・・・ 「それに、今は私たちも特に仕事も何もないし、家でゆっくりしていけb」 「はいはーい!ていあーん!一緒にお出かけしましょう!!」 ルナサが話しているところを乱入するメルラン。 「姉さん・・・空気読んでる?」 「読めなければ今乱入しないわよ」 リリカの注意も聞いていないようだ。 「せっかく幻想郷にきたんだし、いろいろ回って思い出を作るのもいいんじゃない?」 「それもそうだけどさぁ・・・ちょっと今は空気読もうよ・・・」 「そんな考えじゃハッピーになれないわよリリカ。もっと柔軟な発想でね―――」 妹二人の口喧嘩にため息をつくルナサ。これもいつものプリズムリバー家の光景でもある。 もっとも、今は――― 「せっかくだし、メルランさんの提案に乗ってもいいかな?」 ―――大して変わらないのね。 ルナサは少し微笑みながら○○を見つめた 俺は現実を見ていた 知らない家の中で あったかい家族の中にふくまれて。 幸せな団欒を堪能していた。 そういえばここは幻想郷、だっけ?・・・まあ、どこでもいいか・・・ そんな考えも浮かんでは、すぐに消えて。めぐる考えは二度と思い出せない。 そんな幸せな家族の中に俺はいた。 できることなら、本当の現実であったらいいのに。 場所:【プリズムリバー家/3日目・朝】 名前:○○(おつつー)&プリズムリバー3姉妹 備考:これからどこに行こうか考え中。とりあえず今を楽しむことにした。    まだ名前については触れていませんが、名前とかその辺はこのあと書く人に任せた。 #endregion *第34話 勘が良い程度の伝説 第34話担当[[⑨]] #region(close)  唐突に言うとあおは迷っていた。  そりゃ当然である、幻想入りしたばかりの人間が魔法の森に入ったら確実に迷う。  適当にDYに道を教えたのがまさか人里への最短距離だったなんて彼女は知らない。  ただDYがウザかったのでDYと一緒に迷うよりは1人で迷う方がましだという判断。  ちなみにVIPの奴が他に来ているかの確証は彼女は持っていなかった。  ただ彼女の本能がDY以外にもVIP雀士が幻想入りしていると告げたのだ。  だから彼女はその本能を信じた。  麻雀に置いて勘はかなり重要で時にはそれが勝負を分ける。  その勘に彼女は絶対の自信を持っているのだから――今回もその勘を信じた。  自分やDY、いきなり現れいきなり消えたきーご以外のVIP雀士もここには来ていると。 ◆◆◆ 「さて、DYは追っ払ったがこれはどういうことだろう……」  そんな迷い魔法の森脱出を夢見る彼女の前に広がるのはおかしな光景。  木々の間を光が駆け抜け霧雨魔理沙と思しき少女が破壊の力をまき散らす。  しかしそれに対する対象は――存在しない。    だが会話の声だけはしっかりと聞こえる。 「待ってくれ、待ってくれよそこの可愛い魔法少女! 僕は人を探していただけなんだ!」 「……下半身を露出して人探し? どう考えても犯罪者だな」 「え、ていうか、僕の姿が見えるの?」 「見えるんじゃない、感じるんだ。あんたからは犯罪者の匂いがぷんぷんと感じるな。そして犯罪者は、弾幕を以て殲滅されるべきなのぜ?」 「だから誤解であってさ! 決して下心があったわけでなく、それはとても気持ちよかったんだ!」  ステルス空気で紳士でちんぽっぽ。  そんな奴はあおの記憶で思いつく奴は一人しかいない。  紳士でちんぽっぽな奴はVIPにいくらでもいるがそれにステルス空気が付くのは1人だけである。 「きーごか……いきなり消えたかと思えば紳士していたのか……」  あおはきーごの能力に関する知識を全く持っていない。  ただ先ほどはきーごがまだ能力に気が付いた直後であり使い方に慣れていなかったということできーごの存在に気が付いたのだ。  きーごの存在に気が付いたのもあおの勘が大部分を占める。  「なんとなくそこに誰かがいるような気がした」あおからするとそれだけである。  それだけなのだがその時にわずかな時間ではあるがきーごのステルス迷彩が不安定となりあおの目にはきーごの姿が映し出されたのだ。  しかしそれからまだ時間はあまりたっていない。だがきーごはとんでもない速度で能力に慣れ、使いこなしていた。  それこそ自らのステルス能力を応用し色んな法則を捻じ曲げるほどができるほどに。 「さっきから回避しているあしい理論は意味不明だがどう考えても現状の戦闘力は私をはるかに上回るらしいな……」  彼女は毒づく。はっきり言ってただの空気だと思っていた相手がこんな凶悪な能力を有していたのだから。  ステルスの能力をここまで応用できるのであればそこらの妖怪に負けることはないだろう。  だがあおはただ勘が優れていて麻雀が強い程度の一般人。妖怪に襲われれば一たまりもないだろう。  しかしあおはまだ危険な妖怪とは出会っていない。これは単に彼女の運の良さが原因なのだ。  配牌一向聴などを頻発するほど運が良い。  勘が良く当たり、幸運に恵まれている。これが今のあおの強みだった。  ところでなぜ幻想入りしたばかりのはずのきーごにそのような魔法関連の知識があるのか疑問に思わないだろうか?  その答えは単純明快、きーごはもともと魔法使いだったからだ。  きーごにはもともと素養があった。だからこそ彼は20歳という若さで魔法が使えるようになった。  他の魔法使いのように30歳や40歳になるまで童貞で待つ必要はなかった。  20歳まで童貞でいれば良かったのだ。  魔理沙の弾幕がさらに厚く、濃くなる。  きーごも必死にそれをさばいているようだが(見えないのでどうさばいているのかは見えない)それが限界に近付いているのは明らかだった。  いかに体術が優れていよともそれを交わす余白がなければ交わすことはできないのだ。  その交わす弾幕の余白、それは傍目からも明らかに無くなっていた。  そしてその余白が完全に消えてなくなり―――  そこでその戦いは唐突に終結した。  霧雨魔理沙と思しき少女があおとは違う方向で倒れている少女の元へ駆け寄ったから。 (レミリア・スカーレットか……?)  彼女の知識にその少女の特徴に該当するのは1人だけ紅魔のカリスマ、レミリア・スカーレットだけである。  レミリアがなぜこの場所に倒れているのかは彼女には分からない。  今だ幻想入りしたばかりの彼女にははっきりと言って魔法の森に関する知識もない。  今ここにあるのは気絶したレミリア、ステルスをといた紳士きーご普通の魔法使い霧雨魔理沙  そして――VIPに置いて伝説と呼ばれ今この状況からどう動くか判断しようとするあおだけであった。 場所:【魔法森/1日目・夕方】 名前:あお レミリア 霧雨魔理沙 きーご 備考:あおになんらかの能力があるかは不明です。現状ではただ勘が良く当たり運がいいだけの一般女性です。 #endregion *第35話 茶屋という名の情報屋 第35話担当[[狐ノ連]] #region(close) ――カランカラン・・・ 「やぁ、いらっしゃい」 ドアの開く音を耳に、私はそちらへと視線を向けた どうやら珍しい、人間のお客のようだ 「初めて見る人だね、注文は何にするかな?」 「ええ、じゃあアイスコーヒーを一つ」 「アイスコーヒーね、少々お待ちを」 私の姿を見ても驚かない人間・・・ そう思った私は少し、この人間に興味を持ったのかもしれない 「はい、アイスコーヒーだよ」 「あぁ、ありがとうございます」 ゴクリッ、と彼は一口アイスコーヒーを口にした後、私は彼に質問をしてみた 「私の姿を見ても驚かないようだけれど、"そう言う事"に関わっている人間なのかな?」 彼は一瞬、質問の意味を理解するかのように間をおき、答えた 「えぇ、まぁそう言う事にしておきましょう」 曖昧な返答、しかし危険性はなさそうだ 雰囲気からそう感じ取った私は、次の質問を投げ掛ける 「ここにはどういったご用で?まさか貴方の様な人間が化け狐の茶屋に涼みにだけ来るような事はないでしょう?」 まぁ一部例外と言うモノは存在するんですけれどね 「話しが早くて助かります、少し情報を頂きたくて訪ねてきました」 「情報、ですか」 「えぇ、詳しくは言えませんが、これを」 そう言って彼が差し出してきたのは一つの新聞 まぁ目を通さなくても分かるのだが、そこには文々。新聞と書かれている 「それで、その欲しい情報とは?」 「はい、その新聞記者を捜しているんです、今どこにいるか分かりますでしょうか?」 「成る程・・・」 ――ガタガタッ・・・ 窓の鳴る音、 あぁ、これなら―― 「なら、少しここでお待ちになれば良いと思いますよ」 「・・・そうですか」 「えぇ、貴方の尋ね人はすぐ――」 ――カランカラン・・・ 私の台詞を遮るかのように、また一人の人間が茶屋に訪れた その人間を万遍なく見た後、私は彼にこう告げた 「行きなさい、貴方の尋ね人はきっと外にいますから」 「外に・・・ですか」 「えぇ、きっといます」 私の言葉を信じたのだろうか、彼は残ったアイスコーヒーを一気に飲み干すと礼を残して店を後にした 名前でも聞いておけば良かっただろうか、 そうも思ったが、きっとそれは愚問だろう 何故なら必ず、彼はきっと此処に来る 理由もなく、 唐突に、 「・・・やぁ、すまないね、いらっしゃい」 私はそう思い、もう一人の人間に声を掛けた―― 場所:【幻想郷の端の方 狐ノ茶屋/1日目・昼】 名前:狐ノ連 BBRC 皇束篠秋 備考:マスターは何らかの能力を持っている?BBRCさんが一人で入ってきていますが、外には文が待機しています #endregion *第36話 寺子屋の異変 第36話担当[[つゆくさ]] #region(close) 「良かった……目が覚めたか」 それが、俺と先生が初めて会った時に貰った言葉だった。 知らぬ間にたどり着いた場所……、その名は幻想郷。 どうしてこんな場所に迷い込んだのかはわからない。 だけど、俺の怠惰な日常はとびっきり破天荒な日常へと変化したのは確かだった。 幻想郷の人間の里で寺子屋を開いている上白沢慧音――俺は先生と呼ぶことにしたが、に俺は助けられた。 どうやら俺はこの寺子屋の庭に倒れていたらしく、半日ほど目を覚まさなかったらしい。目が覚めてから、幻想郷のこと先生自身のことや風土や文化の大まかなことは教えてくれた。 先生という職業なだけに教えるのは手慣れていた。 「そうか、それでつゆくさ君はどういうわけで幻想郷に迷い込んだのか自分でもわからないということか」 「ええ、外にいた時の最後の記憶も曖昧で…」 「うん、ここ最近外来人が大勢迷い込んでいることに関係があるのかもしれないな。ただ、個性的な外来人が多いらしい…ぞ」 「はぁ、個性的…ですか……」 どうやら俺みたいな境遇の人が他にもいるらしいな。それに俺は話のわかる人に助けられてラッキーだったのかもしれないな。 しかし先生の顔は話をしている間中ずっと浮かばないように見える。 「あの、先生」 「ん、どうした?」 「いえ、浮かない顔をしてたんでどうしたのかなって。やっぱり迷惑でしたか……?」 「いや、実はな…。つゆくさ君が来る少し前からこの里で子供が消える事件が起こっているんだ。既に5人……行方不明になっている」 行方…不明…。 その言葉の意味の大きさは外来人の俺からしても理解できる。そしてここ幻想郷であれば、それ以上のことになっていてもおかしくはないということだ。 「教え子……だったんですね…」 「まぁ……な」 「先生ッ……探しに…探しに行きましょうよ!」 「探しにってキミ…あても何もないんだぞ」 「それでも、探しに行きましょうよ。今頃怖くて泣いてるかも知れないんですよ?」 そう、怖い妖怪に捕らえられてるかもしれない。どこかで迷子になってるのかもしれない。 「先生ッ、手分けして探せばきっと見つかりますよ」 「つゆくさ君……。そうだな、こんな部屋に閉じこもって私らしくなかったな。うん、ありがとう……」 そう強がる先生の目元には涙がうっすらと見えた。 「それじゃあ、私は少し出かけてくるからこの家は自由に使ってくれ。少し人探しをする上で心強い味方がいるんでな」 「あ、あの、俺もついて行っちゃあダメですか?」 里で大変なことが起こっているっていうのにじっとしてられるものか。 それにこの人は俺の恩人なんだ。恩人が困ってたら手を貸すのが義理ってもんだ。 「だけど、キミ、ケガは大丈夫なのか?」 「はい、先生の介護ですっかり良くなりましたから」 「わかった。それじゃあ直ぐに出発の準備をしてくれ…、といってもキミにそんな準備は必要ないか。でも無理だけはしないでくれ、約束だ」 「わかってますって、先生を泣かせるわけにはいきませんから。逃げ回ってれば死にはしませんよ」 そうして、俺と慧音先生の子供を探す旅が始まった。 まだ見ぬ他の外来人、外来人達と子供たちの失踪には関係があるのか、まだまだ俺にはわからないことばかりだった。 場所:【人間の里・慧音の寺子屋/?日目・朝】 名前:慧音&つゆくさ #endregion *第37話 DT乙と言わざるを得ない 第37話担当[[⑨]] #region(close) 目が覚めたらそこは花畑だった。 そしてそこにいたのは風見幽香。俺はその現実が信じられなかった。 幽香は俺とすぐに仲良くなった。 なにか俺と幽香には惹かれ合う所があったのだろう。 同じ趣味を持ち、同じ花を愛で、同じ季節を愛した。 俺と幽香は一緒に暮らした。 一体そんな月日がどれだけ続いただろう? そんなに時間はたっていない気もするし逆に長い期間過ごした気もする。 でも俺と幽香は同じ時間を生きた。 人間と妖怪という許されぬことだとは知っていたが―― それでも俺達はその道を進むことを選んだ。 同じ道を歩んでどのくらい時間がたっただろう。 ある夜のことだった。 俺が寝ていると幽香は俺の布団へといつもとは違う様子で潜り込んで―― ◆◆◆ そんなことがあればよかったとどれだけ思っただろう。 俺は今とんでもない所にいた。 ここはとにかく暑い。 俺はさっきまで生放送をBBRCさん達と一緒にしていたはずだ。 某変態紳士のせいで4位の罰ゲームで変な妄想を暴露するという公開処刑を喰らっていたわけだが―― 本当にここは一体どこなのだろうか? 汗はダラダラと流れだし続け俺から体力を奪い取っていく。 このままでは脱水症状で倒れる前にまちがいなく熱中症で倒れるだろう。 だから俺は今きている服をネクタイを残し全て脱ぎ捨てた。 少しは暑さが緩和されたような気もする。 やはり紳士スタイルは最高だ。 さて、紳士スタイルで多少緩和されたとはいえこの暑さは異常だ。 この暑さからのがれるために俺は場所を移動する。 移動する俺のの前にやがて一つの変化が起きた。 俺の視線の先に烏のような羽をもった少女と男が現れたのだ。 鳥の羽をもった少女はとても可愛らしくそれに相対している男はこのクソ熱い中も作業服を脱いでいなかった。 すでに暑さに耐えられず紳士スタイルになった俺を見慣れえば良いのに。 少女と男が今何をしているのかは分からない、俺は今からあの二人に接触するべきなのだろうか、それとも―― 場所:【灼熱地獄跡/1日目・正午】 名前:Nowe お空 長き童貞 備考:特になし #endregion [[続き>リレー小説4]]

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