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第0話  無題

第0話担当放課後のJOKER
+...

幻想郷。それは忘れ去られたものが集う世界。
そこは結界により外部と遮断されており、独自の文明が築かれている。
その世界のある晩、刀を持った一人の男が迷い込んだ。
男は望んで入り込んだわけではなかったが、そこは妄想なのでご都合主義である。
その男は圧倒的な戦闘力を持ち、ハルケギニアでもミッドチルダといった別世界でも敵う者はいなかった。
人々は彼を恐れ、こう呼んだ。「放課後のJOKER」と。



―――――――――これは、一人の男と一匹の狐の恋物語―――――――――


俺「ここは……どこだ?」
JOKERは暗い森の中にいた。
今までいた世界と異なる世界に入り込んだというのは何となく分かっていた。
しかし、このような世界は渡り歩いたという記憶がない。
とりあえずこの森を抜けてからだな、とJOKERは考えた。
飛べば簡単に抜けられるのだろうが、飛ぶことが当たり前でない世界だったとしたら騒ぎになりかねない。
これ以上、拒絶されたくない。この世界ではおだやかに暮らしたい。
それゆえ、飛ぶことを我慢し、歩いて抜けることにした。



JOKERが歩いていると、突然ガサガサと上方から音がした。
?「こんな時間に人間が一人で出歩くなんて……死にたいのかしら?」
その声と共に、一人の少女が降りてきた。
その姿を見てJOKERは確信した。この少女は人間ではない、即ちこの世界は人外がいる、と。
そして、目の前の少女はとても友好的な態度とはいえない、ということも。
俺「えっと……実は気付いたらここにいて困ってんだ。どう行けば外に出られるかな?」
揉め事はゴメンだ。できるだけ刺激しないように、笑顔で話しかける。
しかし返ってきた言葉は期待にそぐわないものだった。
?「あら、外来人?それなら何の遠慮もなく血をいただけるわね。
  このレミリア・スカーレットの一部となれることを光栄に思いなさい」
なるほど吸血鬼か、とJOKERは思った。
数多の世界を渡り歩いた吸血鬼を見たのも、JOKERにとっては初めてではない。
俺「えーっと……逃がしてって言っても駄目だよね?」
レ「駄目よ」
取り付く島もない。仕方ないか、とJOKERは溜め息をついた。
レミリアという目の前の吸血鬼は見たところかなりの強さである。
しかし、JOKERは全く恐れなかった。
俺「じゃあさ、取引をしようじゃないか」
レ「取引?」
俺「ああ、俺を見逃してくれれば代わりに……」
そしてJOKERは微笑を浮かべながら言った。

俺「お前のことは見逃してやるよ」

その言葉を聞いた瞬間、レミリアは激昂し、JOKERに飛び掛った。
人間風情が、吸血鬼である自分を見逃すと言った。
その驕り、死をもって償わせないと気がすまない、と。
一方JOKERは落ち着いて相手を分析した。
レミリアの戦闘力はかなりのものだ。並の人間なら一瞬でバラバラにされるだろう。
ただ、レミリアには唯一の誤算があった。

俺「悪いな……『並』じゃあないんだよ」

そう呟くとJOKERは脇に差した愛刀「贄殿遮那」に手をかけた。


レミリアは目を疑った。
刀の柄にかけたJOKERの手が何となく動くのは見えたが、その瞬間視界からJOKERの姿が消えたのだ。
慌てて立ち止まった時に初めて気がついた。自分の首に浅い切り傷がついていることに。

俺「だから言っただろ、見逃してやるって」

レミリアの背後から声がかかる。振り向くと、先ほどと変わらぬ様子のJOKERがいた。
そしてレミリアは何が起こったのかを理解した。



話は簡単である。
JOKERは襲い掛かってくるレミリアの目に止まらぬ速さで脇をすり抜けた。
そのすれ違いざまにJOKERの十八番、神速の抜刀術で首を一閃したというだけだ。
レミリアが真に驚愕したことは、その移動と抜刀の速度ではない。
JOKERがその気になれば、自分の首などわけなく落とせた。つまり、手加減されたのだ。
吸血鬼こそ最強だと信じて疑わなかった自分が、ただの人間に。

レ「そんな……そんな馬鹿なことあるはずがない!」

実力差を感じながらも、吸血鬼の意地でJOKERに襲い掛かろうとする、が。

俺「やめておけ、次は本当にその首跳ね飛ばすぞ」

再び柄に手をかけるJOKERを見ると、足がすくんで動かない。

レ(何なの……何なのよ、この人間は……!)

この五百年で初めて味わう、真の死への恐怖がレミリアを立ち止まらせた。
冗談ではなくこの男は、その気になれば自分など簡単に殺せるのだろう。
人間などただの食料でしかないはずなのに。この人間は、私の理解を超えている。



JOKERはしばらく睨み合いを続けていたが、レミリアから戦闘の意思が失われたことを確認すると柄にかけた手を離した。

俺(今更森を出る道なんか聞いても答えちゃくれない、か)

そう考えたJOKERはレミリアに背を向けて、再び出口を求めて歩き始めた。
その行為は力の差に打ちひしがれていたレミリアを更に驚かせた。
先ほどまで戦っていた、しかもほぼ無傷だと背を向けるなど戦いにおいては考えられないことだ。
このまま去っていくJOKERをただ見ていることなど、プライドの高いレミリアには耐えられなかった。

レ(背を向けている今なら……)

JOKERのところまで一秒もかからない。飛び掛るためにレミリアはぐっ、と足に力をこめた。
この腕でその無防備な背中を貫いてやるつもりだった。
力をこめたその瞬間、JOKERが突然立ち止まり柄に手をかけるのを見るまでは。

レ「……あんた、何者……」

かすれた声でレミリアは尋ねる。
JOKERは振り返り、微笑んだ。

俺「放課後のJOKER」

再び去っていくJOKER。
今度こそ、レミリアには戦おうという気は起こらなかった。



その頃、二人の頭上には一人の少女が空を飛んでいた。
?「あやややや…………これは大スクープですね」

これが後に幻想郷を大いに騒がせる男の物語の始まりだった。


第1話  無題

第一話担当鈴仙とウサ鍋
+...
「あー、腹減った・・・・・」

 俺は思わず呟いた、なぜかってそりゃ腹がすいていたからさ
 腹がすいては麻雀もできないだろ?

「お腹すいたならこちらに来なさい?」

 なんか呼ぶ声がする。
 明らかに母親の声ではないし一体誰の声なんだろうか?
 これは疑問に思わざるをえない。

「んー?あんた誰よ?って、おい!!引き込むな!!」
「いいから来る!!」

 俺の反論も聞かぬまま俺を呼ぶ声の主は俺を謎の空間に引き込んだ。
 わりと真面目に洒落にならない。
 いきなりこんな変なことに巻き込まれたんじゃたまったもんじゃない。
 今の無力な俺にできることは一つ。

「ちょwwwおまwwwwアーッ!!!」

 とりあえず叫んで無駄な抵抗をするくらいだ。
 申し遅れたが俺の名前はウサ鍋。名前もまったくしられていない。
 無名の幻想雀士だ。



第2話  無題

+...
 ―――それは花の異変も終わったころの向日葵畑の出来事だった

 プリズムリバー三姉妹がいつもの様に演奏に来ていたのだが、問題はそこではない
 その三人に見つめられて真中倒れている男性が問題なのである

 彼は外来人、名前は○○と言うのだが彼女らはまだ知らない。
 おそらく境界を操るあの妖怪の仕業でまた外から人が来たのだろう
「姉さんー、この人どうするー?」
 リリカがどうでも好さそうに聞く
 実際彼女にとってはどうでもいいのだろうが、さすがに倒れている人をそのままにしておくのは良心が痛む、と言ったところかも知れない
「寝かせておくのも不味いわよね」
「でも随分ハッピーな寝顔だし、もう少し寝かせててもいいんじゃないかしら?」
 とは姉二人の弁。

 とりあえず演奏を再開させようと動き出す三姉妹。
 すると、日陰になっていた○○の顔が日に急に照らされたため○○が瞼を眩しそうに動かす

「んあ・・・眩し・・・あれ?布団どこ?」
 目が覚めたようだが寝ボケているのか抜けた発言をする○○
「お、起きた起きた!」
「言わなくても分かってるから」
 ○○は自分を取り囲む三人の少女たちとひまわりの中で困惑した表情を浮かべる。
「あの、君たちだれ?ていうかこの向日葵畑は一体・・・」
「私達は騒霊、名前はメルランよ。
 こっちがルナサ姉さんで赤いのが妹のリリカ」
 メルランが簡単に説明する
 (騒霊?っていうか変な服だし日本語うまいし何だこれ夢か・・・?)
 ○○の頭では至極当然な疑問が浮かぶ。その中でも一番重要な事が考えるより先に口に出た。
「えと・・・何か分からないけど、ここ・・・どこ?」
「ん、ここは幻想郷の向日葵畑だよ!」
 とリリカがすぐに答える。が、そもそも幻想郷についての説明は全く無い。
 なのでもちろん○○の頭の中の疑問はいまだに消えない
「幻想郷?ってどこなのかな、少なくとも僕の知識にはないんだけど」
「そうね、それも含めて全部教えるから、いったん私達の家に来るのはどうかしら?」
「素敵じゃない、うちに来ればきっとハッピーになれるわよ」
「じゃあ今日の演奏は終わりかー、まぁしょうがないよね」
 ほぼ同意もなく、三姉妹は○○をポルターガイスト現象で運んでいく
「うわっ、わっ、何だこれ飛んでる!!生々しい夢かー!!?」

 ○○は情けないことに高所恐怖症だったのだが、それに気がついたのは既に家について気を失った○○を見た後だった


 ―――この日を境に、三姉妹と○○の、慌ただしい、だけど少し甘い生活が始まった


第3話  無題

第3話担当らくがん屋
+...
「よォし跳満テンパイktkr!」

 叫びながら、PCの前でガッツポーズをする男がいる。
 彼の名はDY。幻想麻雀界隈ではちょっと知られた男だ。性的な意味で。

「――ツモったあああぁぁぁぁぁ!! アリスかあいいよアリス――!!!」

 表示されたカットイン画像に向けて、DYはルパンダイブする。
 いつもなら画面越しにアリスとキッスする結果に終わるのだが、



 ドサッ

「ぐへっ! ……って、土? 草? ……つーか、森の中?」

 ルパンダイブしたDYは、自分の部屋とは似ても似つかぬ屋外にいた。全裸で。
 戸惑いながら周りを見回すと、あることに気がついた。

「ハッ、このキノコはメガ○リで見た記憶が! このうっそうとした森は、まさか魔法の森!?
 ――そうか、俺もついに幻想入りすることが出来たんだ!」

 感動のあまり涙と鼻水を流すDYだったが、より重要なことに思い至る。

「しかも、貧乏巫女の神社や紅魔館に永遠亭、いくらでもある幻想入りスポットの中から魔法の森がスタート地点だなんて!
 これはアリスと一刻も早く生ちゅっちゅしろっていう神主のお導きだ!
 やっぱり俺達は結ばれる運命だったんだよ! アリスぅ今逢いに行くよーーッ!!」

 DYは股間のキノコを振り乱しながら、森の奥へと駆け出していった…………

第4話  無題

第4話担当祐希
+...
「えっと、わかりやすく言うと僕らが過ごす世界とは別の世界、って認識で問題ないのかな?」
「全然違うけどもうそれで構わないわ」
 呆れたようにルナサは溜息をつきつつ、学習能力のない客人への説明を諦める。
「とりあえずっ!
 あんたを巫女の所に送らないと、ね」
 説明中は黙っていたリリカがここぞとばかりに会話に加わってくる
 やはりというかなんと言うか、黙っているのは苦手なようだな、と○○は思ったのだが言うと怒られそうな気がしたので黙っておく
 しかし黙ってるのが苦手なのはもう一人もそうなようで
「このままここにいても家族もあなたもハッピーにはなれないし、早く帰りましょう?」
 とメルランも割り込んでくる。
 どうやらここから帰る術はあるらしい。それも割と簡単に。
 三人は怖いやら鬼巫女やら殺されないかやらと話していたが聞こえない事にする
「じゃあ、どこへいけばいいのかな?」
 飛ぶのはまっぴらだ。
「いいわ、私が飛んで連れて行くから安心して」
 まっぴらだってば。
「それなら私もついていくわ~」
 おいおい
「じゃ、じゃああたしもついてくよ」
 置いて行かれたくないのかリリカは可愛いなぁ
 不意に体が浮く。奇妙な浮遊感にまた吐きそうになる
「あの、これがお得意のポルターガイスト?」
 脂汗をだらだら垂らしながら尋ねる
「そうよー。ほら、行きましょ?夜は巫女が寝てしまうわ」
 そう言われて外を見ると既に日は落ちかけていた。
 『外』では見られないほどきれいな夕焼けに心を奪われている○○を尻目にメルランが片手を高く上げた
 (すごい・・・ぅわっ、また飛んでる・・・ッ!?)
 と思ったらいつの間にかあがった高度。
 意識は反比例するかのように落ちて行った


 結論から言うと、○○が帰るのはもう少し後になる、との事だった
 巫女曰く
「どうも結界の調子がおかしいのよね、紫の仕業かしら
 まぁ一か月あれば直せるわ、その間はそこの幽霊にでも世話になっていてちょうだい
 あ、賽銭入れていってくれればもう少し早く直るかもしれないわね」
 だそうだ。
「それじゃあ私達の家でゆっくりしていてくれればいいわ」
 ルナサはさほど気にした様子もなく言う。
「そうね~、一人二人増えても困る家じゃないしね」
 とはメルラン。確かにさっき入った感じでは相当余裕がありそうだったが。
「まぁいいんじゃない?男手が・・・って言っても私達に腕力はいらないけどねー」
 と言って手をかざして神社の鈴をガラガラと鳴らす。
 なるほど確かに便利だし腕力も要らないだろう。
「えっと、じゃ、悪いけど今後1か月くらい、お世話になる・・・って事でいいのかな?」
 そう○○が遠慮がちに尋ねると、三人は○○へ手を差し伸べて三者三様の笑顔でこう言った


        「「「ようこそ、プリズムリバー家へ!」」」


 帰り道の飛行で彼がまた意識を失ったのは言うまでもない



第5話  D.Y.レジェンドは空気なのか?

第5話担当
+...
 レジェンド――そうVIPで呼ばれた女――あおは絶句していた。
 なぜかってそりゃ気が付いたら変な所にいて、なんかアリスゥゥゥ!!って叫びながら全裸で疾走する男が前から現れたならばだれだって絶句するでしょう。
 そしてそれと同時にあおは彼が誰なのか分かった気がした。

 あおの記憶の中にアリスゥゥゥ!!とか叫びながら走るような男の記憶は……

 なおきん、変態☆少女etc……いっぱいあった
 でも、その中でこういうことを一番やりそうな奴といえば――

「お前、DYか?」

 気が付けば彼女は全裸で疾走する男に声をかけていた。
 その声を聞きつけ男は方向を転換しキノコを振りながらあおへと向かってくる。
 やらかしたなぁ……と後悔しながら――

 あおは女の身では分かりえぬ痛みを与えるため
 疾走してくる男の股へと全力で足を振り上げた。


「――――――!!!!!!」

 悶絶しながら転げまわる全裸男。
 そんな全裸男を見下しながらあおは再び足を振り下ろす。
 男のキノコへと。

「タンマッ!ちょっとタンマッ!!」

 キノコに足が振り下ろされ、男のキノコが夢想封印される前に男は叫ぶ。
 キノコが夢想封印されてしまえば親の視線がパーフェクトフリーズ(説教)される必要もなくなり
 家族会議でラストジャッジメント(公開処刑)される可能性もなくなるのだが
 実際に夢想封印されるとアリスのために○○することもできなくなるので必至である。

「俺の名前知ってるみたいだけどお前誰だよ!俺はアリスのところへ行かなければならないんだ!!」

 必死で。
 必至でアリスのところへ行かないといけないと伝えながらキノコ男――DYは叫ぶ。
 そんなDYの姿を見てあおは呆れる。

「やっぱDYか……常々変態だとは思っていたが露出狂の癖まであったとは……」
「だからなんで俺の名前を知ってるんだよ!俺はお前の名前を知らないおかしいだろ!大体俺はアリスの元へ……」
「うるさい、そのキノコ、御柱で潰すぞ。潰されたくなかったら質問に答えろ」

 呆れ呟くあおにくってかかるDYを軽く流しながら再び足を振り上げ威嚇する。
 その威嚇は流石に怖かったのかDYは黙る。
 黙ったのを確認しあおは一つだけ単純な質問をした。


「ここはどこだ?」
「どこって幻想郷に決まってるだろ、ここの茸はメガマリで見た覚えがあるし俺はPCにダイブしたらいきなり飛ばされたわけだし
 幻想入りとしか考えられない、だからいい加減お前の名前教えろよ!」
「幻想入りなんてそんな非科学的なこと……いや、実際DYとはあったこともなかったが今こんな辺鄙な場所でこの瞬間であっている
 ならば幻想入りもありえる……のか……?」

 帰ってきたのはすごく非科学的な答え。
 そんな答えを素直に受け入れられるわけもなく一人黙考する。
 そりゃいきなり変な所に入れられてここが幻想郷ですなんて言われて納得できるはずがないだろう。 

「だから俺の質問に答え――なくていいや!俺はさっさとアリスの所に行かなくちゃならないんだ!アリスゥゥゥゥ!!!」

 黙考するあおに喰ってかかっていたが本来の目的を思い出しキノコを振りながら走って行くDYなのであった。
 お前はいったい何がしたいんだ。

「しかし……本当に幻想入りしてしまったのか……DYがいるということは他に幻想麻雀プレイヤーは来ているのだろうか……?
 少なくとも情報を得なくては始まらないな。本物の魔法の森についての知識なんて無いに等しいが誰かに合えばまた分かるはずだ」

 アリスゥゥゥゥゥゥと叫びながら走り去るDYを見ながらあおは呟いた。
 情報を得てこの多くの人が迷うという魔法の森を何とかして脱出する。
 求聞史記によればアリスやマリサと出会うことができるか、もしくはこーりん堂にたどり着けば魔法の森から抜け出すことができるらしい。
 そんなことを考えながらあおはその場を立ち去る。
 変態と一緒にいた場所から離れるようにして。

 そして……誰もいなくなった――




「ステルスステルスさんざん言われてるからってまったく気が付いてもらえないのは酷いと思うんだ」

 先ほどあおとDYがいた近くの場所には一人の男。
 さっきからずっとそこにいたらしいのだがはっきり言って俺のログには何もない。

「DYさんはいるみたいだけどあっちの女の人は誰だったのかな……DYさんを知ってるみたいだし幻想麻雀の関係者ではあるんだろうけど……とりあえず追ってみようかな」

 ”人知れずステルスしてしまう程度の能力”を持つ者――きーごもまたあおを追ってその場を後にした。

第6話

第6話担当皇束篠秋
+...
「好き……嫌い……好き……嫌い……」

 神社の境内に生えていたタンポポの花びらを一枚一枚ちぎって花占い。
 私は彼女のことを思いながら繰り返している。
 神社の巫女が恋愛していることは特に問題はないのだろうけど、私が好きなのは同性なのだ。

「きら……ふんッ!」

 嫌いのところで花びらが終わりそうだったので強引に茎を引っこ抜いた。これでノーカンだ。
 自分のやっていることが空しいとわかると、縁側で大の字に寝転がってみる。
 空は青くてとてもすんでいる。耳を澄ませば鳥の鳴き声が。

 ……リピート……手の甲……

「ん?」

 つーめを……キラッ☆

 何かが聞こえたので境内に出てみる。しかし誰もいない。
 気のせいか。そう思い神社の中へ向いた瞬間それはいた。
 なにやらすごい勢いでこちらへ飛んできている。いや落ちてきている。

「りゅーせいにまーたーっがって貴女にきゅうこうかああああああああああああああ!」

 ズドーン

 その飛行物体が神社に突撃した。2度目の神社倒壊である。
 呆然とする私に瓦礫の中から人影が現れた。
 どうやらそれは男性のようだった。

 なんというか非常に胡散臭い。彼のことを信用してはいけないと心の中で決めた。

「おお、貴女が霊夢さんですね」

 教えてもいないのにいきなり私の名前を呼ぶ。いったい何者だろうか。
 じろじろと私を見ながらうなづいた。

「やっぱりそうですな恋の病ですね」

 顔が赤くなるのを感じた。

「告白するのが怖いのでしょう? だから自分はやってきた。自分でよければ貴女の話し相手になりたい」

 男は深々とお辞儀をすると、思い出したように手をたたいた。

「申し遅れました。自分は篠秋と申します」

 胡散臭い男と私の馴れ初めはこんな感じで始まった。

第7話

第7話担当ぞうちんちん
+...
俺の名前はぞうちんちん。
昔、俺がまだ何も知らなくて人ごみの中で静かに座っていた時の話。
その頃は秋の暮れだった。妖精や妖怪が野原を徘徊し仲よさそうに喋ってる風景が何時も当たり前に感じ始めてきたあの頃。
俺は一人ぼっちだった。
食べる物も底を尽きた。お金も持っていない。夜になると羽が生えてる妖怪らしき物も徘徊している。
もう食事をしない日が何日続いたであろうか・・。

――ついに俺死ぬのか。

思い起こせば底知れぬ恐怖と共に俺は何かを求めていたのかもしれない。
今となってはこんな世界でお金の心配などをしていた事がとても滑稽だけど。





秋の暮れ。俺はいつものようにvipの仲間となんのとりとめのない話をしながら麻雀をやっていた。
当時の俺はバイトも学校も行かずに夜な夜なPCと睨めっこ。所謂ニートってやつ?
外が明るくなってきて雀の声が聞こえてくる。自分の体内時計が6時を指したと同時に俺は布団に潜りこんだ。

「毎日が休みってのもつまんねぇな・・。んじゃvipper共おやすみー。」

こんな日が毎日続くと思っていた。いや、もっと刺激が欲しかったのかもしれない。

俺は体に変な違和感を感じると同時に目が覚めた。
重い瞼を必死に擦りながらその違和感を確かめるために俺はふらついた足を必死にをばたつかせた。



・・・・。



一体なんなんだ。俺は夢遊病にでもかかってしまったのだろうか。
いや、確かに俺は昨日はちゃんと布団に潜ったはずだ。
しかしそこに見えるのはどこまでも続く緑の草原と青空だけだった。



――そうかこれはまだ夢の中なんだ。


「なんだ夢か・・・。」


俺は目の前の生々しいビジョンに不安を感じながらもそう言い聞かせてまた一眠りついた。

そう。幻想郷と俺の物語はここから始まった。

第8話  自分の欲望に忠実に殻をぶっ壊してみた

第8話担当
+...
「あたい、チルノ!あんたはだれ?」

 氷精と有頂天な馬鹿が出会ったのは必然だったのか。
 それとも偶然だったのか――
 それはこの幻想郷へ”彼ら”を招いた存在しか知ることはない。
 DYとアリスのいる魔法の森へ送った。これには何らかの意図があるのか否なのか――
 それを語るのはまだ速いのかもしれない――

「俺が⑨の人と呼ばれる存在なのは確定的に明らか
 だが俺がこの世界にいるはずはにぃ」
「この世界にいるはずがにぃってどういうことよ」

 ⑨がチルノへと話す。
 自分がこの世界にいるはずはないというその謎の自信とともに。
 まぁ実際彼がこの世界にいるはずがないのだが。

「俺はリアルより充実したネット生活を送るブロンティスト」

 謙虚な騎士を模倣する存在たるブロンティスト。
 ブロンティストは模倣することにより謙虚な騎士本来の力の一部を使えるようになる。
 そんな力が彼に備わっているのかどうかは分からないが。

「さっき⑨って名乗ったけどあんたはそのブロンティストって奴の1流なの?」
「⑨流でよい」

 謙虚だ!本当は3流ブロンティストのくせして謙虚に⑨流だと言った!
 流石⑨は格が違った。

「さっきから意味分からないわね!なんかわかることはないの?」

 チルノの頭がオーバーヒートでマッハ。
 ブロント語を初聴で解読できるはずはにぃ

「わかること……?俺のwwww喜びがwwww有www頂wwww天wwww!!」

 チルノを見ながら⑨の人は高らかに叫ぶのであった。

「幻想wwwww入wwwwりしてwwwwチルノとwwwww会えたのwwwwwはwwwwwwww
 確定的にwwww明らかwwwww俺のwww悲wwww願なwwwれwwwwりwww」

 有頂天モードに突入し草を生やしまくる⑨を見つめる⑨がそこにはいた。

第9話 惑いし森で

第9話担当DY
+...
「これでよかったのかレジェンド?」

 俺はさっと服を身にまとい、一息つく。
 レジェンドと呼ばれた女はそれに頷き返す。

 まさか、レジェンドが女だったとは思わなかったが、なるほど、レジェンドと呼ばれるだけあって只者ではなさそうだ。
 レジェンドは様々な方法で、幻想郷に迷い込んだVIPの人間を騙すべく動いていた。

「これできーごはまんまと騙されただろう。ふふっ、VIPの奴らを私の掌で弄ぶのは、なんとも言えぬ快感だな」

 もしや、レジェンドはSなのか?

「あおさんよ~まさかそれだけのために俺にあんなことさせたんじゃないだろうな」

 俺は言葉を投げ掛ける。
 先ほどまで、なんと俺は全裸だったのだ。
 しかも、俺DYはVIPでのいつものノリを、リアルの世界でも演じる羽目になった。
 まあ、幻想郷を『リアル』と呼べるのかは知ったことではないが。
 そもそも、俺はそのようなキャラではなかったのだ。
 目指すのはe●の火●夕とか、●と香辛料のなんとか商会の支店長みたいな人間なのだ。
 冷静沈着な頭の回るインテリクールメガネ。
 ただし、青白く小柄でひ弱なのではない。
 長身でスマートでかっこいい俺!
 アリスとお似合いのカップル!
 アリスかわいい!最強!
 アリスううううううううううううううううううううううかわいいよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
 そして、今の俺は完璧……のはずだったのだが、少し前にVIPで宣言した、あのことが少し残念に思われる。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ぼく「俺こーりんに似てね?」
変態「キモオタ死ねwwwww」
基地外「ブサメン乙wwwww」
ぼく「もうチョイ髪伸ばすわ」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 二次元の世界には、髪が完璧に目にかかっている者も少なくないが、リアルでそれをやると少々苦しい。
 俺は伊坂幸太郎の小説の漫画版の槿を思い出して、少し後悔した。
 元の世界に戻ったら髪切るか……そんなことを考えていると、しばらく黙っていたレジェンドが口を開いた。

「悪いか?人は快楽を求め、その為に生きるのではないのか?まさか、苦しむ為に生きているわけではあるまい。
 DYよ、お前もアリスの家の在り処と引き換えに、私の命令に従ったのだろう?そんな変態が今更何を言う」

 レジェンドことあおは、とんでもないドSだったようだ。
 俺はアリスの家の在り処と引き換えに、レジェンドに従った。
 ちなみに、変態と言われたが、それは違う。
 何かがおかしいのだ。
 行けども行けども、同じところをグルグル回ってアリスの家に辿り着けない。
 そんな感覚に囚われ、道に印を残してみた。
 するとどうだろう、俺の予感は当たっていたのだ。
 とはいえ、愛するアリスの元に行くことを諦めるわけにはいかない。
 俺に引き返すという選択肢はなかった。
 そこで、偶然出会ったレジェンドとの取引に応じたのだ。

 けれども、俺は頭の片隅に忍ばせる。
  レジェンド
 生ける伝説と呼ばれ、多くのVIPPERから尊敬と共に畏怖の念を抱かれるほどの者が、自らの快楽の為だけにこのようなことをするだろうか。
 あの不可思議な状態の魔法の森で、偶然出会うことがあるのだろうか。
                       ~~~~
 そして何故、レジェンドは俺が迷っていたことを知っていたのか。
 あおがVIPPERを騙すのには、何か裏があるのではないのか。


第10話  変態が全裸疾走していたら人形の館に招かれて俺のグンニグルが……?


第10話担当
+...
「アリスゥゥゥゥゥゥゥ!!」

 全裸疾走こわいれす^q^
 俺はCAST.er。変態☆少女ではないのは中の人の都合上の問題だ。気にしないでくれ。
 とりあえず全裸で疾走しているド変態から俺は逃げることした。
 いまいる現在位置も分からなければなにも分からないが一つ言えることがある。
 さっき全裸で走っていたには多分なおきんかDYだ。
 俺の記憶のデータベースには他にあんなことをする奴はいない。 

 まぁそんな変態から逃げている内になにか洋館に来てしまった。
 ここはどこなのか聞くのも良いかもしれない。

「すみませーん、誰かいませんかー」

 俺はノックをしながら声を張り上げる。
 こんな森の奥の洋館に誰もいるはずが―――



    ̄/ ___ / i o ___ ─‐ァ l  |  ̄/ /二/ ___ _,.ィ'´ /
   /\  /  ヽ、    ノ´   ノ /\  /     | /__ヽ,



「あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!
『俺は変態から逃げて洋館へたどり着いたと思ったら、アリスがいた』
 な…何を言っているのかわからねーと思うが、
 俺も何をされたのかわからなかった…
 頭がどうにかなりそうだった…催眠術だとか超スピードだとか、
 そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。
 もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…」

「なにをぶつぶつ言ってるの?見た覚えはあんまりないけど外来人?」

 あ、そうか幻想郷だと俺は外来人ということになるのか。
 てかここ本当に幻想郷?いや幻想郷だよな、無茶苦茶うれしいれす^q^

「あ……えーっと……」
「どうやら外来人みたいね、とりあえず入りなさいな」

 初対面の俺を……招いてくれる……だと……?

「でも酷いわね……こんな女の子にこんな格好をさせてくるなんて……」

 女の子……?いや俺は男……?
 俺はよく自分を見てみる。
 あれ?女……?why? 俺のグンニグルは?
 グンニグルはあったか……

 ……

 …………

 ふたなり幼女で中身はいい年した男とか……^q^
 どうしようもないれす^q^


第11話 幕間

第11話担当 月兎めるぽ
+...
幻想郷に多数の人間が幻想入りしてる今、魔界ではある不可思議な事が起こっていた
「ああああああああああああアリスちゃんんんんん!?」
「「「なあに?ママ」」」
なんと、魔界住まいのロリス(幼少期アリス、今まで居たアリスが幻想郷に渡った為に魔界に替え玉として神崎様が生み出したらしい)が増殖してしまったのだ!

「あ…ありのまま今おこった事を話すわね!私は今日もアリスちゃんと朝のらぶらぶちゅっちゅっしようと扉を開けたら三人にふえて尚且つ麻雀であそんでいた…な、何を言ってるのか分からないでしょうが私も分からない!」
「「「何を言ってるの?私は元々こんな感じよ?そんなことよりいつもみたいに遊びましょう?ママ?」」」
三人のアリスが一斉に喋る為にステレオ音声で脳に響く…これはこれで中々…じゃなくて!増えた原因をアリスに聞こうと思ったがいつも通りの仕草な為に聞けそうにも無い、変わった事と言えば…
「…この麻雀卓よねえ…ねえ、アリスちゃん…もし、よかったら…私とみんなでこれしないかしら?」
「「「いいの!?よかったー、ママと一度麻雀してみたかったの!」」」

これでよし、アリスの機嫌は損ねたくないし、もしうまい具合にこの麻雀で勝ってアリスが元に戻ればよし、元に戻らなくとも麻雀卓を調べれば何か分かるかも知れない…
「…さあ、始めるわよ!アリスちゃん!」


第12話 落ち・・・る・・・?

第12話担当BBRC
+...
どうしてこうなった!?
今のオレの状況になったら誰もが思うのではないだろうか?
とりあえず状況をもう一回確認する
オレ、BBRCは今、空から落ちている

さっぱりわけがわからんw
昨日、いつもどおり幻想麻雀やって寝てただけだ
それが気づいたらなんで空から落ちてるのオレ?w
とりあえずリアルにマッハを味わってるし、このままだと死ぬねw

そう考えた後の記憶がない
そんな中、意識がボヤーっとしてる中で聞いた言葉
「あやややや・・・吸血鬼と戦ってた人間といい、空から降ってきた人間といい
 今日は大スクープが多いですね」

その言葉をつぶやいてる女性の背中には・・・黒い羽が生えていた

第13話 誤解

第13話担当ask
+...
俺はアリスの胸の中にいた。
困惑気味のアリスだが、拒絶は示さない。

俺の見た目は幼女、ただしふたなり。
中身は当然いい年した男だが、アリスは気づかない。
いつもの容姿で抱きつけば、拒絶どころがボッコボコにされて森の狼さんにでも提供されているだろう。

だが今の俺は幼女。
この姿なら何も問題はなかった。

うえぇーん、うえぇーんとアリスの胸元で泣きじゃくる俺。
ありえない演技力だ。
なんという快挙、なんという夢、今まさにアリスの胸元は俺の手中にあるのだ。

だがちょっと待って欲しい、本当に俺が欲しかったのはこの感触なのか?
思っていたのと何かが違う、微かな違和感の発芽。

そして、俺の疑惑は核心へと迫る。
「すごく……PA…ぷgdjぎえrhj

幼女のものとは思えない、壮絶な悲鳴が洋館中へと響きわたった。

第14話 ステルス使いは惹かれ合う

第14話担当きーご
+...
自分の名前はきーご。
今レジェンドと呼ばれた女とDYの後をつけている。
俺のことを騙せただろうなんて言っているが俺にはこのステルス迷彩の能力がある。
なんでこんな能力を俺が持っているかって?
そんなの知るものか、いつの間にかこんな能力を持っていたのだから。

周りの動物が俺の存在に気が付いていないようだと気が付いたのはここに来てすぐだ。
鳥もなにも俺が近づいても逃げもしない。最初は不思議な体験だったが今では慣れた。
意識を集中することで自分の存在を相手に気取られなくすることができる。
これが完全であるかどうかは不明だが、少なくともDYとあおは俺を騙したといいながら俺の尾行に気が付いていないようなので
なかなかの性能ではあるようだ。

DYと女が組んでいるということには驚いた。
全裸で走るDYとそれをぼこぼこにする女。
こんな光景を見せられて組んでいると予見するのは無理な話だろう。
先ほど俺の存在が気取られたのはまだ俺がこの能力に慣れていないからに違いない。
もっと練習をすればこのステルス能力を上げることも可能なのかもしれない。

本当に自分が幻想郷で能力を使えるようになるとは思っていなかった。
空気空気言われ続けたのがプラスにでたのだろうか?
とりあえずいま第一に考えるのはこの魔法の森を抜けることだ。

ドンッ

「「わっ」」

股間に何かがあたった。おうっおうっ。

「いきなりどうしたのサニー?」
「いたた…何かにぶつかったみたい」
「何か?何もないけど…どうなのスター?」
「待って…この反応、人間かしら」

見下ろすと3匹の妖精らしき子たちがそこにはいた。
かわええのう…それにしてもなぜばれたし。

「ほら、この辺に何かやわらかいものが…」

むにむに。むにむに。

「あふんあふん」

声をあげてしまった。

「あら、本当に人間っぽいのがいるみたいね」
「なんかビクンビクンしてるんだけど…」
「この人、姿消してるってことよね?私と同じ能力じゃない」


むにむにむにむにむにむにむにむにむに。


「そこばっかり触り続けちゃらめええええ」


「「「きゃっ」」」






やれやれ僕は射精した。


とりあえず今はこの展開されつつある弾幕からどう逃げるを考えなくちゃな



第15話 どうでもいいお話

第15話担当狐ノ連
+...
幻想卿の端の方
村人が近づかないような場所にその茶屋はある
その茶屋は主人が一人、ひっそりと客を待ち続けている

時には巫女
時には魔法使い
時にはメイド

来る者は達は皆、目的も無くここへやってくる

世間話に花を咲かせ、
それを肴に飲み、笑い、騒ぎ、
そんな空気が私は好きだ

――カランカラン・・・

おや・・・今日もまた一人、誰かが来たようだ

「やぁ、いらっしゃい」

さぁ、今日はどんな風に楽しませてくれるのだろうか――



――狐ノ茶屋の何の変哲もない話


「邪魔するわよ」
「あぁ、そこに座ってくれ、今飲み物を出すよ」
「いつものねー」

今日の最初の客は博麗霊夢、
何でも博麗神社の巫女をやっているとか
本当に巫女なのかどうかは私には分からないけれど、ここにくれば一人の客だ、詮索する必要はない

「はい、いつものだよ」
「んー・・・・ゴクッ、ゴクッ・・・」

いつもの、と言って私が出したグラスの中のお酒を、彼女は一気に飲み干す

「神社の巫女さんが、こんな所で昼間からお酒なんか飲んでしまっていいのかい?」
「いーのよ、どうせ参拝者なんて来ないんだし・・・」

そう言う問題ではないと思うのだが、とは口にしないでおこう、きっと何か事情があるのだろう
思いつつ、彼女の空いたグラスにお酒を注ぎ足す。

「それにしても・・・ここは儲かってるの?私以外が来た事なんて見た事ないんだけど」
「お金自体には興味はありませんが、時折貴女の様な物好きが来られますよ」
「ふーん、じゃあちゃんと客は来てるのね」
「ええ、まぁやる事は変わりませんけれどね」

ふーん、とお店の時計を眺めて彼女はまたお酒を口にする

「私はここ、嫌いじゃないわよ」
「それは良かった」
「面倒な客の相手をしなくて済むし、外の暑い日差しを避けて涼む事も出来るしね」
「それ今日いらっしゃった理由ですか」
「そーよ、紫の奴がね・・・・」

そこからじっくり1時間、私は彼女の話に付き合った

やれ紫がどうの、
やれ魔理沙がどうの、
やれ天狗の記者がどうの、

彼女にとっては貯まりきった愚痴を吐き出しただけなのだろう
それでも私にとっては貴重な話しだ
私は此処以外で人と接する事がない
だからこそこの時間は私にとって、唯一人と接し、会話をする事が出来る時間
一日の中の僅かな時間かもしれないけれど、
私が此処にいる限り、私はこの瞬間を大切にするだろう・・・

「そろそろ帰るわ、文あたりがそろそろ嗅ぎつけて来そうだしね」
「そうですか、それじゃあお気を付けて」
「ええ、また来るわ」
「お待ちしていますよ」

ひらひらと後ろ手に手を振る彼女を私は見送った
彼女が外に出ると、「あ、見つけましたよ霊夢さーん!」やら、「こんなところに建物なんかあったのか?」やら聞こえてきた
きっと彼女には多くの友人がいるのだろう
その友人達ももしかすれば、此処に来る事があるかもしれない
その時が訪れる事を考えて、
私はまた一人、客を待つ

――カランカラン・・・

「おや・・・」

これは珍しいお客だ

「いらっしゃい、初めて見る顔だね。このテキーラはサービスだよ、良ければ飲んでくれ」

そう言って私は、私と同じ狐耳の女性にグラスを差し出した――